今日で最新号が出てしまい、読めなくなるかもしれないが、ビッグコミックスピリッツの小田扉「団地ともお」が大変におもしろうございました。
何度かこのブログで勝手に「取りつくろいもの」という一ジャンルを制定し、その中での傑作を紹介していますが
参照
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%bc%e8%a4%ea%a4%c4%a4%af%a4%ed%a4%a4
今回(先週)の「団地ともお」では、実に漫画のネタとしてはおなじみの「夏休みの宿題をむりやりでっち上げる」という話の中で、この取りつくろいネタを発展させている。何しろ、偉人伝を読むのが面倒なともおが、自分の頭の中で勝手に架空の偉人を作るのだ。
「名前は・・・漢字が入ると面倒だから外人にしよう」
「名前が短いと原稿用紙が埋まらないな・・・長い名前・・・これにしよう」
↓
「ネアンデルタールクロマニヨン」
その後のネアンデルタールクロマニヨンさんの活躍ぶりは誌面で。
これは、もうひとつ俺が好きなジャンルである「架空の世界、幻想の社会がある理由で立ち上がる」、広くいえば「擬似イベント」的な話でもあるため、そのへんでもあわせ技で楽しめる。
ちなみに、同じ号では、ちょっといい話に絡めて、映画の古今の傑作を紹介する地味なちょっと良作「テレキシネシス」
でビリー・ワイルダーの「ワン・ツー・スリー」が取り上げられているが、これこそまさに元祖「取りつくろいもの」。
考えてみれば当然で、もともとこのジャンルの第一人者・三谷幸喜の心の師匠がワイルダーなんだからな。
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ところで俺はこの作品を見てません(笑)。でも傑作だろうと思うのは小林信彦か和田誠か中野翠か、それともこの三人がまとめてほめていたからです。
あとひとつ。
個人的にも書評好きだし、こういう感じで、ものや映画、本をエピソードに絡めて紹介するような漫画やドラマはたくさんあってもいいような気がするんだが、あまり成功はしてないですな。というかこの「テレキネシス」の作者(画)をかく芳崎せいむ氏が、同じパターンで名作漫画を紹介する「金魚屋古書店出納帳」を描いていたんだ。(それが人気なので、この企画も上がってきたのだろう)

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してみると、この作者と小生が個人的に肌が合わないだけかな?テーマ的には共感するのだが、最後のところでいまいち乗り切れない。
こういう兼紹介漫画で、成功してるのは唯一「BARレモンハート」と「築地魚河岸三代目」、漫画アクションの「駅弁ひとり旅」ぐらいでしょうか。
個人的見解です。

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