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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

椎名高志の藤子・F・不二雄パロディについて(ネタバレに注意)

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060305#p2からの続き。
ここでこう書いた↓


藤子・F・不二雄がある程度「わかった上で」あえて
乱暴なSF設定(「鉄人兵団」も無茶だし「大魔境」も
ムチャ。 椎名高志が短編で、そのムチャさを上手く
ギャグにしていたね)を貫く・・・」

    ↓(コメント欄)

# タカハシ 『>椎名高志が短編で、そのムチャさを上手くギャグにしていたね
良かったらタイトル教えてください』

# gryphon 『椎名高志の短編については、ちょと長いので新エントリに』

という話です。
で、これは・・・えーと、タイトル忘れてたし、「椎名百貨店」収録とは覚えていたが、1、2巻のどっちかもあやふやだった(笑)。だものでヒントを元に、例によってgoogle


ありました。しかもフリー百科事典WIKIにだ。
すげーなやっぱりこのwiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E3%81%84%E3%81%8A%E5%88%A5%E3%82%8C

長いお別れ

週刊少年サンデー増刊号小学館)において連載された『(有)椎名百貨店』で掲載された作品。小学館から刊行された単行本『(有)椎名百貨店』に収録されている。

(有)椎名百貨店  第7話



あらすじ
神社で巫女のバイトをしている加代子と、同じく社務所でバイトしているボーイフレンドの凡能くん。 その神社に考古学者の柳国と名乗る男が、ある目的を持って現れる。
その時、彼ら一同の前に出現したのは、遠い昔の(本職の)巫女さんとロボットの土偶羅魔具羅(ドグラマグラ)、そして一頭の竜であった…。
タイムトラベルを素材にしたギャグコメディ。
尚、ドグラマグラのキャラクターは、後の『GS美神 極楽大作戦!!』でも流用された。


【ここから、ネタバレを含めて藤子作品との比較をします】
もともと恐竜を、悪いやつの追跡から保護する・・・という設定自体が藤子リスペクトであることを隠していないし、それ以外にも、主人公・凡能くん(欲望丸出しのキャラで、横島忠夫の先行モデルですね)が、恐竜を悪の追っ手から逃がすときに体の大きさに業を煮やし、土偶羅に「どこでもドアとかスモールライト持ってないのかよ!」といちゃもんを付ける小ネタも出てくる。


しかしそれよりも重要なのは、悪党に追い詰められた主人公たちが、タイムゲート(タイムマシンとはちょっと違う)がもうすぐ開くことを思い出し「これでやってくる未来の人たちに助けてもらえばいい!」と思いつく。

んで、「もう何もしなくていいの」となって、悪党への抵抗や努力を一切やめて
「そろそろ来るかなー」
「まだかな」と余裕たっぷりに待ってるだけ(笑)。
そして首尾よく未来からの助っ人(彼らの子孫と、1000年以上稼動するロボット土偶羅本人。「ミヤゲダ」と金属バットを持参)が来て、多勢に無勢の相手をボッコボコにする・・・というオチでした(笑)。


これはドラえもん映画の第3作「のび太の大魔境」における、逆転劇のコンセプトにちょっと味付けしたもんだけど、「未来から助けが来る」と分かってれば自分たちは何もしなくていいよね、という当然のツッコミ部分に椎名氏が皮肉に着眼、ギャグで提示したというわけだ。
少し、オトナの視点からみるとこうなるわけだな。


ただ、前述の主人公たちが恐竜を運ぶときのやり取りで「恐竜の遺伝子だけを持ち運ぶ方法もある」という土偶羅の言葉に、主人公はこう返す。


「なんでそーしなかったんだよ。それなら10ccで2億頭は運べるだろーが!」


そこまでオトナの世界を垣間見せずともよろしい(笑)。
椎名高志は誰の影響を受けようとも、やっぱり新人のころから「椎名高志」でした。
というオチ。

(有)椎名百貨店 1 (少年サンデーコミックス)

(有)椎名百貨店 1 (少年サンデーコミックス)




【参考ブログ】
http://morikami.tea-nifty.com/miho/2005/07/post_ece4.html

http://d.hatena.ne.jp/koikesan/