【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「キング・コング」を見て

映画館、やはり客の入りは薄し。結論からいうと、やはり楽しめる映画でした。
だいたい、行くのを躊躇している中には「上映時間長すぎ(3時間以上)」というのがあると思うんだけどね。それは確かにそうではある。たぶん、「監督なら一生に一度は言ってみたい台詞ベスト3」に入る

「これ以上切りたいんなら、フィルムを縦に切れ」(by黒澤明
を発動したんだろう(笑)。
ただ最初の、コングが登場しないパートもそれなりに面白い。どう乗り切るかというと、これは俺が個人的に好きなネタでもある「映画界、興行界の連中が、どれだけインチキで胡散臭く、行き当たりバッタリの連中か」というスケッチを見せているんだな。
何しろこういう業界は、「クラッシュギャルズやビューティーペア級の人材がもう一度出れば、借金は返せる」と死ぬまで嘯いていた松永兄弟よろしく、「どんなインチキしても、次の興行がヒットすれば・・・」を言い訳に、犯罪スレスレ(もしくは犯罪そのもの)をやってしまうシトは実際にいますから。
映画の中で、まだまだ珍しかった海外ロケに赴く監督が、アレコレと策謀をめぐらして人材を揃え、スポンサーの追及をかわしていく場面を描くことで、登場人物の役割、性格を紹介していく形になる。
まあ、この部分は後半に備え寝ておくというのもありだと思う(笑)。


そしてキングコングが眠る「髑髏島」。
ここでは一転、怪獣恐竜のオンパレードで、その怪獣密度は怪獣無法地帯こと、レッドキングやチャンドラーのすまう「多々良島」にまさるとも劣らない。

首長竜(今はブロントサウルスと言わないんだってね。たけくまメモコメント欄より)がティラノサイルスに追われて発生するスタンピードや、巨大ヒル、昆虫が沼でギシギシと人間を襲う場面はやっぱり恐い。

ただ「これで人が死なないのは無理あるだろう」とか「これは銃じゃあ撃退できないよ」と感じる場面も多かった。そのへんは逆に過剰と言うか、冒険小説でも体力、迫力で押してくタイプであって「この場面で彼はそこにあった○○をこう使ってこうなって、そこで窮地を脱した」と理詰めで見せる(インディー・ジョーンズ3のような)場面は少ないですね。


さて、キングコングさんが満を持してご登場。
この魅力は、やはりぬいぐるみでは神様円谷英二ですらどうあがいても出来なかった「生物としての敏捷性」をCGで十二分に見せられることにある。アメリカ版「ゴジラ」で同様にやったら、なんか無敵米軍に駆逐されて逃げまどうトカゲになっちゃってドン引きだったわけだが、サルのびんしょうさはある種攻撃的なびんしょうさだからね。
どれぐらいびんしょうかというと、みなで焼肉屋にいっても後悔しないぐらい(一部ウケ)。

このキングコングは、実際のとこ体長は8−9メートルくらいらしいのよ。女性との対比でもそうなる。でもティラノ戦は、十分な迫力だ。
また、NYにて暴れるときでも、意外やこのサイズが映える。


もともと、素の動物としてゴリラがどれほどの迫力があるかは、この映画で初めて気付いた部分もある。俺の中での動物ランキングでゴリラはすごく低いし、上野動物園でもあまり興味をひかないのだが、こいつが鎖に巻かれて見世物になる場面(ここでは逆に人間、ショービジネスのの虚栄をまず見せ、コングをヒーローに転換させる)では、たしかに人間に近いフォルムで、しかも獣の筋肉がつきまくる肉体をみると、「こりゃ強いわ、恐いわ」と納得させられるんだよな。だからこそ、その鎖をちぎってのマンハッタンでの大暴れもしらけないですむのだ。


ちなみにエンパイア・ステート・ビルでの攻防戦は、ホントだったら余裕でUSA空軍が勝利すると思うが、そこはうまく演出してコングに健闘させている。
怪獣映画は今どこも「リアルにやっていくと人間(軍隊)は簡単に勝っちゃう。そこをどう誤魔化すか、開き直ってうそ臭くても超絶な怪獣を出すか」で迷うことになるわけだが、1930年代ならまあ怪獣も健闘可能だ。

夢枕獏が前から「江戸時代や明治時代に怪獣を出せば、この『軍隊問題』は解決する」といっており、最近ようやくそういう趣向の小説を書いたとか書かないとか。


最後は、無理やり「コング可哀想」という話に仕立て上げて、これはこれで強引なのだが、まあそんなところには誰も突っ込まないはず(笑)。
どっちにせよ、「コング暴れるのまだー?」という小学生的気分で映像を楽しむべきで、実際に楽しめる、そういう映画でした。