INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

鈴木みのる・・・その「負債」

視聴習慣をなくすというのは恐ろしいもので、NOAH中継をいつの間にか見なくなっていた小生は、昨年評判の良かった日本武道館の試合をほとんど見逃してしまった。
ちなみにジョシュプロデュースの新日「アルティメット・ロワイヤル」も見逃してしもうた(笑)。
少し反省して、今回はきちんと録画してGHCタイトル戦「小橋健太vs鈴木みのる」をじっくりと見た。



http://jecht.jugem.cc/?eid=263#comments


http://blog.livedoor.jp/hardcore_heaven/archives/12123723.html#comments
ここでも「100点満点」など評価は高いけど、いや、正直かなり面白いですよね。


「元UWF」というキャラクターをもってプロレス界に乗り込んだ人は21世紀になってからも多いのだが、系譜を思い出してみると山崎一夫、中野龍雄、安生洋二・・・また第二次U以降の長井満也、成瀬、柳沢龍二以上の成功を鈴木みのるは収めた。
なにが面白いのかっつうと、ミスター高橋らが考案したUWFのギミックで、当時も大受けのスポットだった「相手の技は受けない」というのを、いったん極端化して、「(性格が)ワル」というキャラクターと抱き合わせで販売したところだと思う。


昔は「イデオロギー」「譲れないものがある」「マジメ」という視点だった「人の技を受けない」というのを「俺は世界一性格が悪いから」という文脈で読み替えて提示するわけで、観客も「よけるなこのヤロー!!」という形でわかり易くブーイングできるというね。
「舌出し」も、その演出の一環。今回はやや多すぎたようだが。ロード・ウォリアーズより回数が多かったぞ(笑)。
そしてリンク先にもあるけど、UWFギミックの周辺とも言える「Uの技は見せ技じゃない」「古に封印された、ホントに威力がある技がある」というイメージを「逆落とし」「ゴッチ式ドライバー」に収斂させたのは見事。
技をかわす、スリーパーや腕ひしぎなどマジっぽい関節技をやって「楽しそうに」舌を出す、相手の決め技もスカす、そして逆落としかゴッチ式ドライバー・・・
いいやり方である。

しかし。(続きは夜)
ここから後は寓話のほうがいいだろう。

「あんなロートルと素人の試合なんかで喜んで馬鹿か! 俺は認めない」

「挑発的な郷野選手のマイクですが、鈴木さんいかがですか」
「・・・いいんじゃないですか。僕は別になにも」
解説席では平静を装って答えたみのるだが、その後酒場で荒れた。


「チクショー、いまさら俺が郷野とやれるわけないじゃないか。
もう故障でガタガタ、技術も古くなった。・・・「実力主義」て言っちまったウチでは、俺は前座にもなれねえ。このまま消えていくしかないのか? ああ、もう一度だけスポットライトを浴びたい・・・」



「ホーホッホッホ、その願い、かなえて差し上げましょう」
「な、なんだよおっさんは?」
「失礼、わたくしこういうものです」(名刺:「ココロのスキマお埋めします・・・喪黒福蔵」)


【中略】

「あなたは、プロレスの世界に戻って、シュート風のギミックを使って憎まれる「外敵」として活躍するのです。そこでは強さを前面に打ち出すこともできますし、悪口雑言も歓迎されるでしょう」

「ほ、ほんとにできるのか」

「はいもちろんですとも・・・・・・ただし、ひとつ条件があります。完全に引退でも宣言するなら別ですが、そうでない場合はシュートの世界に時折は戻って、そこでは等身大の姿を晒さねばなりません。その制約を破ったら、たいへんなことになりますよ」


ギャーン。

テレ朝アナ「鈴木みのる、傍若無人の大暴れ!! 新日本のリングに『闘い』の風が吹き荒れるう!」

鈴木「なんだよ手ごたえがねえな!どいつもこいつも腰抜けばっかりだぜ」
高山「俺たちのタッグで、ここをぶっ壊してやる!」

新日若手「チェッ、やつは技を受けもしないで、美味しいブックだよな」



鈴木「こんなに早くメインイベンター、チャンピオンになれるなんて・・・俺はやっぱり天才だったんだな。おっと明日はパンクラスも興行をやるのか。ちょっと顔出してやるか、ファンも喜ぶだろうし」


しかし・・・
佐藤光留「切れない刀は、ただの鉄だ!鈴木さん俺と闘ってくれ!!」
みのる「な、なんだあ・・・!?新日のトップに立った俺が、いまさらうちのペーペーとやれるかよ!負けたら上井さんにも迷惑かかるんだぞ!!」

結果はリングではなく、控え室通路での鉄拳制裁!そして試合要求はうやむやに・・・


その後、NOAHでも大人気の鈴木みのるの後ろに怪しい人影が立った。
喪黒「鈴木さん、あれほど言ったのに、ガチの試合のほうをうやむやにしましたね?」

ドーン!!!


その結末がどうなるかは、皆さんで考えてください。
要は、あのギミックはギミックでいいけど、そろそろ「もう(シュートは)ダメだ」というけじめをつけるべきじゃないかいな、ってこと。
NKでのマイクは、それに沿ったものだったけど。