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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「殺気ある昭和系」vs「時代の最先端、現・新日本」…スキャンダルがビジネスになった

http://kakutolog.cocolog-nifty.com/kakuto/2012/10/post-4303.html

 新日本プロレス9・23神戸大会で、鈴木みのる棚橋弘至を「だから、プロレスごっこって言うんだよ」と挑発。10・8両国大会で両者のIWGP戦が決定している。
(略)

一方の棚橋は「カラいこと言おうか? あんたはプロレスごっこもできてないよ。イチから受身の練習をしたほうがいいんじゃない?」と切り返した。

 

今年の1.4東京ドームで真壁が鈴木に向けて言い放ったシュート発言と同じ。
バンプのひとつもろくに取れない素人さんよ!」と鈴木をこき下ろした。たしかに、いまの若いレスラーに比べて鈴木は受身が上手いとは言えない。首に爆弾を抱えているし、パンクラス時代は受身を必要としなかった。
ただ、注意してみればわかるだろう。あの真壁発言以来、鈴木はガンガン受身をとっている。「ふざけんな!」とばかり受身をとる。

実は・・・・・・、これは鈴木みのるvs高橋義生トークショーを会場かニコ生で聞いた人は知っているだろうけど、とってもいい話がある。

鈴木みのるは、この前ついに引退を決意した、ブッチャーと一時タッグを組んで暴れまわっていた。そんなある日、ブッチャーが「ヘイ、ミノル!!俺がなんで、この年齢まで現役を続けることができたか・・・わかるか?」と尋ねてきた。

そこで「周りの人への感謝」とか「日々の鍛錬のおかげ」とかイイ話になると思ったら「それは受け身をとらないスタイルだったからだ。オマエもできるだけ受け身は取るな」と断言。さらに深イイ話になってしまったという(笑)

実際、クレイジーバンプというのはやっぱりじわじわと体を破壊するらしく・・・スタイル的に受け身をバンバンとる選手の選手寿命は短く、しない選手の寿命は長くなる・・・どっちも必要なのだが、そういう不均衡は存在する。


まあ以前に書いたように、鈴木が受け身を取らないのは元々UWFに「妥協しないイデオロギーがある。ロープに振っても戻ってこない」というキャラが期待されており、それを鈴木が「性格が世界一悪いので、相手を小ばかにして技を受けない」と読み替えた、という経緯がありますよね。
しかしそれを捨てて、棚橋の挑発以来バンプを取るようになったら・・・そりゃ面白い。

そしてさらに・・・ちょっと意外。

携帯サイト「プロレス&格闘技DX」鈴木みのる日記より。
##
・ あの時代(昭和)に生きたヤツラが・・・あの時代に関わったヤツラが…もっと極端に言うと、「今」のプロレスに関わることの出来ないヤツラが口を揃えてこう言うんだ…「今のプロレスはサア…」って。
・ 誰かが何を言っても時代は動いている。誰かが何を叫んでも時代は変わり続けている。とてつもなく大きな物として、「プロレス」は命を授かり生き続けている。だから、どんどん変わっていくのだ。
・ オレはその中で生きている。生き続けている。闘い続けている。

なんと!!
ぼくの貧弱な脳内エンピツでは、「はい、ここで鈴木みのる桜庭和志柴田勝頼の『今の新日は緊張感がない』に共鳴して彼ら”はぐれDREAM軍団”(失礼な)に合流ね」となると思っていたが、
「変わり続ける今のプロレスで闘う俺と、今に関われないアイツら!」という二分法で、鈴木は”今”側に立つというのだ!!!

これはアンタ、言うちゃ悪いけどUWF軍対新日軍で、傭兵として新日側に”あの”上田馬之助が加わったときぐらいの衝撃だわ(ドンッ)!!!・・・なんで井上編集長風になるのだ。


ある意味、典型的な意見としてのこういうスタンスへの、挑戦だよ。

棚橋弘至のハイクオリティ学生プロレス
http://d.hatena.ne.jp/Dersu/20120714#p1 
■プロレスは拍手に応えなくてもええんちゃうのというヨタ話
http://d.hatena.ne.jp/Dersu/20120828#p1

「プロレスと殺気」論争を、アングルの中に飲み込む。ある意味仕様です

ただ、そもそも「プロレスに殺気が感じられない」「格闘技的な意味で物足りない」というのは、調合を間違えるとやはりプロレスがプロレスである根本のところを蝕むことも間違いない。そういえばジャン斉藤氏は「ストロングスタイル=ドラッグ論」というのを最近行ってたっけ。気持ちよくて刺激的であることは間違いないが、その副作用も間違いなくあって、使いすぎるとボロボロになる、と。症状が進行すると「ヤ、ヤクをくれ・・・アルティメットロワイヤルでもいい〜」となる(笑)。ならないか(笑)。


だけんども、今現在、傍目から見る限りでは現在の新日本、棚橋側からの「お前はその受け身すらもとれねえじゃねえか!」的な挑発で、みごとにビジネスに取り込んでいるんだよね。
こりゃすげーなあ、と素直に思う。
で、これはポスト・ミスター高橋本やWWE世界制覇、そんな時代にストロングスタイルを消化したものなのかなあ・・・と思いつつ、ふるい週プロ記事を思い出したのである。

それは「アメリカに来た当時のカール・ゴッチのインタビュー記事が見つかった」というちょっとしたコラム記事だったかな。そこに資料として添付されていた記事写真の見出しは、直訳すると
蛇の穴は私に、1000の殺しの技を与えた
だったのである。
いや・・・、考えれば当たり前だけどね!!梶原一騎桜井康雄さんがそれを紹介し、俺らが知っているから当然なんだけどね!!
「ショーマンばかりの世の中で、本当の殺しのテクニックを持った本格派。それゆえに他のテリトリーのチャンピオンは彼を恐れ、逃げ回ってばかり。だからこの地にやってきた。」というゴッチ神話は、実際のタブーや控え室での評判、プロモーション内の軋轢もたぶんにあったのだろうけど、・・・それは現役時代、アメリカ時代でもれっきとした「商品」として売られていた、面もあったのであります。さっきの紹介文には多分「この危険な男がメインイベントに登場、われらの地元ヒーローが迎え撃つ!リングサイド20ドルから!!」という宣伝もついたはず(笑)。

その断片を、慎重に梶原氏も桜井氏も慎重に吟味し、再度商品にして・・しかも「これはパンフレットには載せられない、ここだけの話だけどね・・・彼は妥協を知らなくて・・・ジムの中では一番強くて…」という”ひみつ情報””こっそり教える裏の情報”に仕立て上げたりもしてたんだよな、と。だから日本では大ヒットのロングセラーになった。


底が丸見えの底なし沼、ふたたび。
10月8日はスカパーで(ニコ生も?)PPVがあるとか。
http://www.perfectchoice-pr.com/program/page/000112.html

9.23神戸でのIWGP戦=棚橋vs丸藤の勝者が10.8両国で挑戦者を迎撃!
大会名は「KING OF PRO-WRESTLING」。
棚橋が丸藤に続きG1リベンジを敢行か?
それとも丸藤征伐に新日本の切り札が出陣か?
G1覇者のオカダは?参戦表明の桜庭は?
“プロレスの王様”に相応しいのは誰だ!?

おまけ ぼくの妄想

gryphonjapan (MMA) ‏@gryphonjapan
むしろ一回だけ棚橋らが「ストロングスタイル」で柴田や鈴木をボコり「これは一度だけ見せる”棚破死”。以降はこれを封印する」と言ったら伝説になったり(そのボコボコが相手にカネを積んでの鉛筆どおり、でも構わない)・・・まあこれも昭和感覚で、それをしたら負けという意識かも @pencroft
 
gryphonjapan (MMA) ‏@gryphonjapan
まあ本気でガチくずれになった場合にサクはともかく柴田が中邑などにどうなるか、ともよく言われますがね(笑) @pencroft