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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

プロレスごっことシュート体験その2

その技が「アキレス腱固め」だった。
全くもって想像したことのない痛み。

すべての、想念は消え、純粋な 痛みが俺を包んだ。

痛い。
痛い、
イタイ、
いたい。

つーか夢枕獏のパクリになるのでやめるが、とにかく瞬間にタップした。
いやそのころはタップなんてこじゃれた表現はなく、ギブアップ負け。王座は移動した。

「なっ、ナンダッ、あの技は?」
ニヤリ
「アキレス腱固め・・・すなわちテロリスト・藤原嘉明の必殺技よ!!」。

当時、「UWF革命」を後押ししていた週刊プロレスが、紙面を割いて連続写真で関節技の入り方を教えていた時代であった!!
クラスで唯一週プロを買っていたKだけが、カールゴッチ直伝のこの足関節を知っていたのも道理・・・
余談だが------、某修斗選手もその少年期、最初の関節技レッスンはこの連載記事によってだという!!

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「お、おれはとんだりはねたりのメキシコ流プロレスに慣れすぎていた!
本格的な関節技・・・すなわちサブミッションを習得せねばKには勝てん!しかし、アキレスでは相手に一日の長があることは認めざるをえん・・ウウッ」

しかし、その後、まだ数も少ないコンビニエンス・ストアで同じく立ち読みした週プロで、自分は光明を見る!!

V1アームロック!!いわゆる腕がらみ!!
「こ・・コレダッ!写真でみても腕がいてえだろうと分かるド迫力!!これさえ身につければ、Kのタイトルは奪回できる!!」

そして、地獄の特訓のあけくれ!!


・・・・・・・・列伝のノリになると、どうしても長くなる上に、ウソが混じってしまうな(笑)。
というわけで、おいらは何度もそのコーナーを立ち読みし(迷惑な・・・)このわざをマスター。Kもアキレスを学んだおごりか、最新の情報のチェックを怠りこの関節を知らなかったようでずばり決まり、みごとタイトル奪回に成功した。

その後、俺たちは脇固めやチキンウイング、腕十字などを次々に導入し、ハイレベル?になっていったのだが、非常な問題が出てきた。
これを使うと、「シャレにならない」のである(笑)。
我々も自分の体で、文字通り”骨身に染みて”実感したが、かといって昭和プロレス(いや、当時も昭和だけど)に戻るわけにもいかず・・・団体は、崩壊した(笑)。


その後、彼は意外なことに芸術の道に進んだ。手や指を微妙に使う以上、過激な運動やましてやプロレスごっこをやるわけにはいかない。そして、彼は海外に留学した。


十数年後、帰国した彼と私は再会することになった。日本酒を飲みながら話すと、以外や留学先で新日本プロレスなどはコンテンツのひとつとして放送されていたそうで、興味もずっと持続していたという。
「馬場さんが死んだとネットで知ったときは、ショックだったなあ」と回想する。

楽しい歓談のひとときだったが、聞けなかったことがひとつある。

「あのタイトル、今は俺とお前のどっちが持ってるんだっけ?」