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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

MMAでもまれな「4度目の対決」…啓之輔vs佐野哲也、3月11日のアウサイで



前世の因縁でもあるのだろうか。
4回にわたってMMAの試合を戦った相手…3回だとノゲイラvsヒョードル桜庭和志vsヴァンダレイ・シウバとかがおもいつくけど4回ね…無いとは言わないけど、ちょっと思いつかないなあ。
なんにせよ、初期アウサイで、もともとは「不良ども来たれ」と、不良同士の戦い、がコンセプトだったアウサイに、堀鉄平弁護士とともに「不良vs非不良」という新アングルを定着させ「不良って、喧嘩自慢の腕っぷしが自慢なんでしょ?ちょっと技術をきちんと学んだだけの、ふつーの社会人に負けたら、それって恥ずかしいよね?」的な煽りを、言外にも感じさせるような雰囲気を漂わせることで、アウサイを大きく盛り上げたし、またそれに対応するには結局不良側もテクニックを磨くしかないから、より本格的になっていった、という感じもある。


最初の試合から何年目だっけ。
アウサイも、啓之輔も、佐野もすべて、年を経て変化が生まれた。当然のことながら。

『3.11アウトサイダー ディファ有明大会「佐野vs吉永4」』⇒ https://ameblo.jp/swimmingeye/entry-12352351511.html

同じ人間と4度も試合する必要があるのかないのか。


求められてるのは「あの時のもの」であるのは分かっています。


でも、
「だったらyoutubeに上がってるからそれ観たら?」
と返します。


僕は僕のために勝つべく全力を尽くします。

求められてる過去なんかじゃあなく、どうなるか分からない未来を自分でどうにか切り開きます。

同記事には

最後のつもりで頑張ります。

のひとこともあるが、これは実際にも本人から聞いている。
社会人の転機や区切りは「年度」であることも多い。3月11日は、まさに2017年度も押し詰まった時期だ。
もちろん、スポーツ選手は怪我が慢性的だったりするので、たとえば”引退”したあとじっくり怪我を治すと現役最後より体調がよくなり強くなる、などのことは普通にあり、そういう時に「じゃあまたやってみるか」というのも、ごく普通の感情であり、現象である。
だから「のつもり」という不確定要素を残しているのだと思う。
ただ「のつもり」であっても、佐野選手が「最後のつもり」で戦うことは間違いない。


そんな、試合。東日本大震災から7年目の3月11日でもある。
時代は、いやおうなく、動く。

『空手バカ一代の冒頭に出てくるヘミングウェイの言葉って、出典はどこ?原文は?』…い…いわれてみれば!/『河を渡つて木立の中へ』の超要約説

事実を事実のまま ヘミングウェイ 空手バカ一代 梶原一騎



とある談義の中で、上の言葉を紹介しようと思って検索した。
で、あったんですよ。http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03

事実を事実のまま
完全に再現することは
いかに
おもしろおかしい 架空の
物語を生みだすよりも
はるかに困難である ---
アーネスト・ヘミングウェイ

これは事実談であり・・・
この男は実在する!!

この男の一代記を 読者につたえたい一念やみがたいので
アメリカのノーベル賞作家ヘミングウェイのいう「困難」に
あえて挑戦するしかない・・・
わたしたちは 真剣かつ冷静に この男をみつめ ・・・ そして その
価値を 読者に問いたい ・・・ !!

国際空手道連盟・極真会館空手三段 梶原一騎
同 総本部役員・極真会館門下生 つのだじろう

かこいいね。

とこ
ろが。
こんなのも、ついでに検索でみつけてもうた。

「マンガ作品の第一話として、100点満点の出来」評論家が『空手バカ一代』第一話を大絶賛する理由って? http://originalnews.nico/63985


僕は、『空手バカ一代』の第1話を100点満点の第1話だと思っているんです。では、どんな第1話なのかパネルにしてみましたので、連続して見てみましょう。

 これがマガジン連載時の1ページ目なんですが、まず「事実を事実のまま完全に再現することは、いかにおもしろおかしい架空の物語を生みだすよりも、はるかに困難である――(アーネスト・ヘミングウェイ)」という引用から始まります。

 僕、この原文をかれこれ30年間探しているんだけども、いまだに見つからないんです(笑)。まさか嘘をついているとは思えないので、どこかで本当にそんなことを言っていたんだろうけども、一体どこでの発言なのか。 スペイン戦争に行ったころの文章かなと思うんですけど、いまだに見つかっていません。

い…いわれてみれば、そのとおりだ!

自分も、常識的に考えて
「この重要な言葉が、創作ということはあるまい」と思うのだけど、幼いころのわたしは同じような常識の基準で、「ここまではっきり、大山倍達と李青鵬の試合映像はエド・サリバンショーの古いフィルムのどこかにある…と断言しているんだから、実際にあった話だろう」とかつて思ってしまったからな(笑)
ただ岡田斗志夫岡田斗志夫で、調べれば本来はわかることを面白おかしく「30年探してるけどいまだに見つからない」と言っててもおかしくない個性だしね(笑)


皆さん方は、この出典をご存知でしょうか?
twitter上では、極真や大山空手のことなら何でも知ってる、的な方にも質問リプを飛ばしてみたのですが―。



<追記>
この記事を書いてからの各種の反応を見る限り、岡田氏の問うたこの謎は、確かに調べればすぐわかるたぐいのものではなく、相当な難問であるらしい……ということは確認できました。


コメント欄より…『河を渡つて木立の中へ』の或る場面を一言に超要約すると、まああり得なくもない???(仮説)

下のコメント欄を、記事テキストに取り込む

gryphon
どうも、本当に見つけるの難しい(梶原一騎の創作の可能性もある)言葉らしいですね



6年前 delete
zzz_zzzz

 はじめまして。𝕏でポストされているかたがいて、源流を辿って来ました。
 国立国会図書館デジタルコレクションにて「事実を事実のまま」で検索をかけましたがそのものズバリな文章はなく、表記揺れがあるのかもしれません(漱石『坑夫』の一節がいちばん近いかなという感じ)

 まったくの創作の可能性ももちろんありますけど、どうやらヘミングウェイの長編ですこし重なるようなことを言ってる登場人物がいるみたいで、「マジでなにか元ネタあるのやも……?」という気分になってきました。なにかご参考になれば幸いです。

"「あなたは本をお書きになるべきよ」と娘は言つた。「本當に、あたしそう思うのよ。こういうことについて、世間の人に知らせてやるといいんだわ」
「それはちがうよ」と大佐は反對した。「わしは書くほうの才能がないし、それに、あまりに事實を知りすぎている。その場に居合わせた人間よりも、どんな噓つきが書いたものでも、そのほうが人を納得させるものだよ」
(略)
「それでも、そういうお話を書こうとはお思いにならないの? あたしをよろこばせるためにでも、書こうとはお思いにならない?」
「思わないね」と大佐は言つた。「敏感で、ピリピリして、はじめて戦さをした日の强烈な第一印象を――それが三日間なり四日間なりつづくとしてだ――すつかり頭の中に殘しているような兵隊󠄁が本を書くのだよ。そういうものはいい本になるが、その場にいた人間には面白くないこともある。それからまた他の連中は、自分の參加しもしなかった戰爭で儲けようと思つて本をかく。大いそぎで引返󠄁してニュースを觸れまわる連中だ。そんなニュースは、たいてい正確ではない。それでも奴らは機敏にやらかすのだ。仕事が忙しくて、實戰に行けなかつた本職の文󠄁士は、わかりもせぬ戰鬪の有樣を、まるで自分がそこにいたように書く。そういうのが、どんな種類の罪惡に屬するか、わしは知らんがね。
「それからまた海軍では、ナイロンみたいにつるつるした艦長なんかが、單檣帆船󠄁(キャットボート)一隻だつて自分では指揮できなかつたくせに、大海戰の裏面史󠄁なんてものを書いている。誰でもみんな遲かれ早かれ自分の本を書くことになるのさ。わしたちだつて、面白い繪くらい、かけるかも知れん。だが、わしは書かんよ、孃や」"
   三笠書房刊(1952年7月15日刊行)、ヘミングウェイ(大久保康雄訳)『河を渡つて木立の中へ』p.122~124(略は引用者による)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1659902/1/67


gryphon
貴重な調査と指摘です 2024年、SNSで再度話題になった訳ですが、ご紹介いただいたこの資料をあらたに提示し、さらなる調査と議論を喚起したいと思う次第です。

「月曜日のライバル」(いとうみきお)という自伝漫画、もう読みましたか。かつてのジャンプの… いや「山月記」のような…

上の空手バカ一代の話題は、マンガにおけるフィクションとノンフィクション、という、これにまつわる談義から出てきました(下のまとめのコメント欄参照)

ャンプ”和月組”の思い出描く漫画家マンガ…「月曜日のライバル」(いとうみきお)ネット連載開始の反響 - Togetter https://togetter.com/li/1206233

うーん、論評は控える。
もうひとつに、リンクを張っていく

山月記  中島敦
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html
 ……隴西ろうさいの李徴りちょうは博学才穎さいえい、天宝の末年、若くして名を虎榜こぼうに連ね、ついで江南尉こうなんいに補せられたが、性、狷介けんかい、自みずから恃たのむところ頗すこぶる厚く、賤吏せんりに甘んずるを潔いさぎよしとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山こざん、※(「埒のつくり+虎」、第3水準1-91-48)略かくりゃくに帰臥きがし、人と交まじわりを絶って、ひたすら詩作に耽ふけった。下吏となって長く膝ひざを俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺のこそうとしたのである。しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐おうて苦しくなる。李徴は漸ようやく焦躁しょうそうに駆られ…
(略)
……羞はずかしいことだが、今でも、こんなあさましい身と成り果てた今でも、己おれは、己の詩集が長安ちょうあん風流人士の机の上に置かれている様を、夢に見ることがあるのだ。岩窟がんくつの中に横たわって見る夢にだよ。嗤わらってくれ。詩人に成りそこなって虎になった哀れな男を。(袁※(「にんべん+參」、第4水準2-1-79)は昔の青年李徴の自嘲癖じちょうへきを思出しながら、哀しく聞いていた。)そうだ。お笑い草ついでに、今の懐おもいを即席の詩に述べて見ようか。この虎の中に、まだ、曾ての李徴が生きているしるしに……


ああ、もうひとつだけリンクを張る

ドラマ完結「アオイホノオ」の私的総括と、島本和彦氏に関する私論〜(ドラマはBSで再放送!) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20141004/p5


…(ドラマの)最終回で、ヘッドギアをつけた「燃えよペン」「吼えろペン」の「炎燃」先生が、ホノオの現在の姿として登場したのは、実をいうとそういうネタばらしというかエクスキューズがなく、「ホノオ君は漫画家になれたのか」というのをドラマ単体として示しておかないと、ある意味本当に「山月記」みたいな印象を受ける人もいるだろう、という配慮があったのだと思う。

(※この「アオイホノオは主人公がその後漫画家になったと(島本和彦氏と重ねて)思えるからいいけど、その保証がないとつらすぎる…」という指摘は、ゆうきまさみ氏のつぶやきで読んだと記憶している。ちょっと探せないけど)

というのもへんで、そもそもジャンプで何度も連載をもった時点で巨人と契約したプロ野球選手みたいなもんだし、さらにそもそも、今回の漫画が大ヒットするかもなんだけどね!勝手に「つらい」と感じるのも一方的ではある、なと。