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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

ごく小さな集団が”独立宣言”し…って案外定番ネタだけど「うちがキングダム」って漫画がはじまりました

まあ、この騒動から、そういう方向に連想が行った人もごく少数いたと。

togetter.com

騒動の真相は、深刻な被害者もおそらくいるだろうから、深入りしづらいので紹介に留めたあと、つづける。



これは、ともかくとして、
ごく小さなコミュニティというか集団が「独立国家」を宣言する、という話は、実例のほうがむしろ多いかもしれない

中欧、アフリカ、東南アジア・・・・・・・・・
このへんは、やはりまじめに扱われるべき話だろう



一方で、インターネット時代にすっかり有名になった「シーランド公国」もある。
このへんからネタ化と混合していく
ja.wikipedia.org




そしてよくも悪くも・・・・”相対的に”いえば文化や言語その他の均質性が高い(近代に努力してそうした部分ももちろんある)我が日本国では、この「独立を唱える集団が現れた」が一種のネタ、ジョーク、お遊び・・・・・として扱われる”余地”が、それこそ”相対的”には大きいようだ


このへんはSF民俗学というかトレンド・流行史を追ってほしいし、それが得意な人(過剰な人)もいるだろうけど1970~80年代ぐらいに、そのへんのブームがあったっぽいのよね。自分は”微か”に覚えているという感じ。
というかうちいくつかの名作は”時代を超えた古典”となって後から読まれるから、どんな時代の空気でいつごろ発表したのか掴み損ねるのよ。
これらは発表後しばらくたっても名作として読まれた。

マイホームを“マイ国家”として独立宣言した男がいた。訪れた銀行外勤係は、不法侵入・スパイ容疑で、たちまち逮捕。
犯罪か? 狂気か?――世間の常識や通念を、新鮮奇抜な発想でくつがえし、一見平和な文明社会にひそむ恐怖と幻想を、冴えた皮肉とユーモアでとらえたショートショート31編。卓抜なアイディアとプロットを縦横に織りなして、夢の飛翔へと誘う魔法のカーペット。

医学立国、農業立国、好色立国を掲げ、東北の一寒村が突如日本から分離独立した!
SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て、
小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。全三巻。
日本SF大賞読売文学賞受賞作。

ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券(りょげん)ば持(も)って居(え)だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。
政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つ、おかしくも感動的な新国家。




沈黙の艦隊」の重要テーマも「原子力潜水艦1隻が独立を宣言したら、それは認められるか」だったではないか

沈黙の艦隊 独立宣言



そして実際に「独立国家ブーム」なるものが観光町おこしの文脈で次々生まれ、レジャーランドとかが「XXX共和国」を名乗る時代もあったすよね
資料が残ってるなそれなりに
ja.wikipedia.org
www.niigata-nippo.co.jp

ミニ独立国新潟

www.sankei.com

イノブータン王国は建国前の61年3月4日、関係者が当時の中曽根康弘首相に建国宣言書を手渡し、翌日には渡辺美智雄通商産業相と通商友好条約を締結。こうしたパフォーマンスで注目を集め、5月4日に建国を宣言した。

イノブタは父親がイノシシ、母親が豚の交配種で、町内の県畜産試験場が誕生させた。肉質が柔らかくてクセがなく、町商工会青年部が中心となり競馬のように走らせて1、2着をあてる「イノブタダービー」を56年に初開催し、年一度のイベントとして定着。続いて王国を建国し、ダービーとともに開く建国祭が恒例行事となった。

王国には「イノブータン大王」と「キララ王妃」という架空のキャラクターがおり、首相はすさみ町長、国会議長は町議会議長が務めている。

王国が生まれた当時、全国各地に「ミニ独立国」があり、さまざまな国と交流するとともに、活発にイベントを行った。

なめとんか…いやいや、国家は平等かつ対等。




そんな余談はともかく!!! ここから本題(構成ミス)。


「うちがキングダム」って作品が始まってるのよ

うちがキングダム

森巡る (原作)
砂糖野しおん (作画)
日本を揺るがす我が家の“独立”奮闘記!



早川ミキ
高校一年生
16歳。

訳あって王女をやっています。

え? 意味がわからない?
じゃあ、説明するねーーー

父・私・弟。
家族三人での地方移住から、すべては始まったんです。
bigcomics.jp

第一話

うちがキングダム


第二話

うちがキングダム


原作者・作画者Xアカウント

森巡る

@morimeguru
漫画原作者/漫画家
週刊スピリッツで『うちがキングダム』連載中
(※旧名:森もり子 @mori_MORIKO_ )男性です
https://x.com/morimeguru

砂糖野しおん
@S_Satono
漫画家。「うちがキングダム」作画 週刊スピリッツで連載中 https://bigcomics.jp/episodes/351c90c3f4b96 他「マイ・リグレット」全2巻
lit.link/ShionSatono
https://x.com/S_Satono


こういう独立宣言ものは、巧く転がしていくと「国家とは何か」「権力とは」「正統性とは」「共同幻想」などを、”補助線”を引いた形で解りやすくする効果がある。
自分的には、そういう方向性を期待する・・・・


ほら、「国家と象徴」の問題が。


・・・・・・・けれども、いま4話だったか5話だったかを読んだ限りでいうと、むしろ別の面でのアナロジーも感じる


それは「個性」でも「多様性」でもいいが、まあ「ごく少数の変わった人たち」を社会やコミュニティ、あるいは青春時代に一番必要な「友人たち」はどう包摂し、受け入れていくべきか、というシミューレションになっていく可能性が大きいという点だ。

以前、「ルリドラゴン」や「尾守つみきと奇日常」「月出ずる街の人々」などを紹介し
『人間以外の存在で日常ドラマを描き「多様性」の隠喩とするのが「ジャンル化」してる』と書いたが
m-dojo.hatenadiary.com

その場合、おそらく、いわゆる「変更不可能な属性」の比喩になっている。
この場合、「変更不可能な属性の場合は仕方ないのだ、それでの区別も差別も許されないのだ」、という話に収斂しやすいのだけど…


「うちがキングダム」的なものは宗教、イデオロギー、ライフスタイル、趣味嗜好といった、先天的、変更不可能「ではない」形の少数派、という意味合いになり得るし、作中では現にそうなのだ。


しかし、
そういう「差異」の場合、「へー変わってるね」「面白い」「珍しい!」みたいな視線で見て、そう扱う…ジョークにしたり弄ったりは許されるのか。
「それはおかしい」「間違ってる」「うちは認めない」みたいな、異なる意見をぶつけるのは許されるのか。
このへん、実は掘り下げていくと中々に難しい。

うちがキングダム
うちがキングダム

というクラスの反応は当然か、愚かな同調圧力か。

そういえばビッグコミックスピリッツは、まさにそういう「日本の中で宗教団体(それなりに大きいけど社会では少数派)に所属する人の漫画」をやってるな。

そういう家の子の話

志村貴子

私たちは、宗教2世です。

“ふつうの家”に生まれたかった――。
恵麻、浩市、沙知子の3人は、同じ宗教を信仰する家庭に育った幼馴染み。
仕事、結婚、独り立ち……「家の事情」を抱え28歳となった彼らが直面する人生の岐路!
志村貴子が描く、宗教2世×群像劇。
bigcomics.jp

自分の好みと違うけど、「うちがキングダム」はそういう方面を思弁するフィクション・・・・・SF(思弁小説)になってくれてもおもしろい。
どうにもむかしのSFを連想してしまうのは老害だが。


まだ数話しか経過していないので追いつくのもたやすい筈だ。