こうきて、こうきて、こうなりました
私が以前遭遇した絶対評価的思考の極北は、某私大の運動部の学生さんによる「自分、テストは無理ですし、レポートもきついので、ワーク的なものを課していただけないすか。筋肉的な」というとても丁寧なお願いでした。絶対評価を突き詰めるとこれにも一理あるなと思いつつ丁重にお断りしました。
— 河野有理 (@konoy541) March 5, 2023
最初のテストで学部欄には法学部とか経済学部とか書いてくださいね。野球部とか陸上部とか書かないでくださいね。という先生がいたなぁ。
— モフ (@mofjd) April 19, 2025
運動部の生徒には採点を甘くするという噂が運動部内にはあるらしくて。 https://t.co/nKSjqEz229
これはあるあるの注意事項ですね。これをしないと、テストの解答用紙に所属の運動部を記載の上、大会に向けた決意表明みたいなのを書いて出してくる学生さんが、(多くはないですが)一定数でます。 https://t.co/kqYbRoMxw4
— 河野有理 (@konoy541) April 19, 2025
決意表明を書いているだけまだましだと思います。前に勤めていた大学ではもっとすごい事例がありました。
— 原武史 (@haratetchan) 2025年4月19日
どんな事例ですか?と聞いて大丈夫なやつでしょうか……
— 河野有理 (@konoy541) 2025年4月19日
ウーン・・・。話してしまうと、名前しか書かれていない答案があり、当然落としたら運動部の先生から抗議が来ました。曰く、「名前がちゃんと書けているんだからいいじゃないか」。
— 原武史 (@haratetchan) 2025年4月19日
うーん、大学怪談ですね……
— 河野有理 (@konoy541) 2025年4月19日
で、輪島に繋がる。
輪島大士の都市伝説(?)だ…https://t.co/sNXGSNhPuz pic.twitter.com/aN0nbNJC7C
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年4月19日
この輪島の話は、亡きうちの父親が喜んで語ってた話で(笑)
1ページ目に「卒業論文」
めくる(ペラッ)
2ページ目に「輪島大士」
めくる(ペラッ)
3ページ目に「終わり」
…これで卒業できたんだぞ!!を、身振り手振りを交えた仕方話で、よく語っていた(笑)
だが!
これはひどいデマだった! 真相は・・・こうです!!
第54代横綱にしてプロレスラー「黄金の左」輪島大士さんの「人たらし伝説」【連載vol.64】
引退後には、輪島さんの華麗な人脈を頼って「輪島の対談シリーズ」をスタートしました。プロ野球、プロゴルフ、プロボクシング、芸能界、財界…超一流の人たちとの楽しいひととき。食通だった輪島さんが選んだ対談場所の食事も最高でした。
「キャットフードを食べたって、本当なの?」
「ああ、冷蔵庫にあった缶詰を食べると、ツナ缶のようでおいしかった。でも、よく見たら、猫の絵が描いてあった」
「卒論は名前だけ書いたって?」
「名前だけは入試のときだよ。卒論は少し書いたよ」なんとも失礼な質問にもまじめに答えてくれましたね。
輪島の卒論「名前だけ」伝説の真偽
余談だが、言い間違えも横綱級で
「トレーニングパートナーをトレーニンウエア」「コレクトコールをコレステロール」と、言い切っていた輪島さん。とことんマイペースだったが、その気配りも横綱級で、「憎めない人、優しい人だった」で、皆さんが声をそろえる。輪島さんを思い浮かべると「笑みの花畑」が満開になります。
こんな言い間違いも
は?#味のプロレス #あなたをひらがな一字で表すと pic.twitter.com/XqrGpiDamc
— アカツキ☀味のプロレス (@buchosen) 2021年11月19日
輪島の雄姿は(架空だが)バンバン・ビガロと対決したプロレス・スターウォーズで。10巻の表紙
またはプロレス地獄変で。
「オッとおふたりサン! 今日の試合控えめに頼むゼ!」

運動部優遇の採点を!という話や圧力は戦前からあり、福田恆存はそれで学校(旧掛川中)を追い出されたという。
福田恆存没の1994年に雑誌「正論」で兼子昭一郎が書いた「”現在の名工”福田恆存の孤独」には面白い話が載っている。
前の勤務校、旧掛川中学は野球が強く、甲子園出場という夢の実現がほの見えてきたとき、全校、全町期待の星とされた生徒に零点をつけてしまった。白紙答案を提出されたからである。校長に呼ばれて詰問された。「零点とはどういうことか。出席点というものがあるだろう」
福田は答えた。「それも考えたのですが、授業中にボールをひねくり回しているだけで、まったく教科書を見ていないんです」
この時の校長との意見対立がどのような結末になったか、福田は覚えていないが、その後にもう一度、同じような事件が起きた。藤枝小学校から有能な投手が藤枝中を受験したが、どんなに甘い点をつけても合格ラインに入れられない。しかし野球のために入れなければならない。及落会議で福田は反対意見を述べた。
「この子を入れると、当然受かるはずの最低得点者一人を落とさねばなりません。学業をおろそかにして野球しかしない者を救えとおっしゃるのですか。」これに校長が答えた。
「これは校長の意思である。どうしても君が嫌だというなら、辞めてもらうしかない」
こうして福田は掛中を退職することになった。
おそらく最後の授業の時と思われるが、受け持ちクラスの生徒に「なぜ辞めるのですか」と聞かれ、それには答えず、2、3時間かけて「坊つちやん」を読んで聞かせた。
うむ。最後のシーンは目に浮かぶようだな。硬骨の教師が上層部や親の圧力で退職に追い込まれ、最後の授業で生徒に語る代わりに「坊ちゃん」を朗読して去っていく・・・なんか、ドラマとかライトノベルとかでもこのシーン、イタダキしてもいいのではないか。あまりにもかっこいい、この前書いた「人類の星の時間」である<<。