この前、このエピソードを紹介した時は、何か皆に刺さって反響が大きかったな
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しかし、実はこのあと、とんでもない方向に進んでいく。
結局、再挑戦はならず、ふたたび彼は「落ちかけて」いた。
しかし、そこで、一種の「超能力」が目覚める。(本当に超能力か?ただの妄想、幻想では?の疑惑もまだあるが)
それは、ミスパットやミスショットをした時、小人がちょっとだけ時間を戻して、やり直させてくれる能力…
いま(5月12日現在)公開中なのは32話か。その能力に目覚めつつあり、混乱してる回
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どうも、この小人が発する「ニカイドウ~」という声は、名前を呼んでいるのではなく「二回、どう?」と誘ってるらしい(笑)バカか(笑)
そして、33話ではこの超能力をめぐり悶々とする。
・5、6秒…長くて7、8秒だけ時間を巻き戻せる能力があるとする。
・それを、何に使えるんだ?この力で金を稼げるか?
…うん、自分はだね、科学考証とか、異世界にジャガイモやシャワーがあるか、とかは関係ない。
・こういう、現実ではあり得ないことを一つ設定して
・その存在を、どう現実に足をつけて展開(想像)していくか
ここに「SFのセンス・オブ・ワンダー」を感じている。そして、それはただしく藤子・F・不二雄が謙遜と自負を込めて自称した「すこし・ふしぎ」なのだと思う。
そして、二階堂は考える…
競馬競輪を当てる…だめだ、一時間ぐらい戻れないと不可能だ
カジノのルーレットなら…
いやいや、そんなに怪しげに当てていたら、それが超能力でイカサマじゃなくても無条件で出入り禁止になる…
といったことを考えていくと、こういう話に至る…
しかし、それで稼ぐには、とりあえず最低限度、どんな底辺であってもプロゴルファーレベルの腕前、プロゴルファーの資格がないといけない…一回打ち直しの機会があれば無敵になれる、ぐらいの能力=プロテストにぎりぎり不合格になるレベル………
であるが!!!
ここまで、二階堂はどんなにみじめな境遇であっても、ゴルフにおいて不正はしてこなかった!! それはゴルフの持つ、紳士性への経緯であり呪縛であり……
あらためて30話超まで来たこの話を逆算して読むと
・数秒の時間を巻き戻せる超能力で何ができる?
という問いに
「それで稼げるのはゴルフ(ぐらい)」
という答えが出てきて、
「しかし!それは正義への冒涜じゃないか?不正ではないか?確かに誰も気づかないし、無敵になれる…それでもやるか?」
…こういう流れになるために、二階堂の能力や、性格(ダメなところと、それでも持っている高潔さ)を、構築していた、と読める。
それは、すごいことで……ただの「辛い、苦しい人生を描く漫画」ではなく、もっと大掛かりなトリックというか設定というか、さっきもいったセンスオブワンダーの塊だったのだ。
まったくそれを、先回りしては感づけなかった。イヤハヤ脱帽しました。
あなたは「5秒時間を巻き戻す」超能力があったら何ができる?それで稼げる?
こう考えてみることが、すこし・ふしぎの第一歩。
何か、手段はあるだろうかね…????