日本の特撮映画の名作を放送! 日本沈没、シン・ゴジラ【坂本朋彦のシネフィル・コラム】
今月から新しいNHK BSがスタート!プレミアムシネマの放送が、BSプレミアム(103ch)からNHK BS(101ch)に変わりました。引き続き、名作・話題作を放送いたしますので、ご期待ください。
今回は日本の特撮映画の名作2作品をご紹介します。
プレミアムシネマ「日本沈没」
12月5日(火)[BS]午後1:00〜3:26まずは「日本沈没」。半世紀前の1973年に製作されたSFパニック大作です。
日本海溝で異変が検知され、地殻変動によって大災害が次々発生。人々がパニックに陥るなか、政府はどう対応していくのか、日本列島はどうなってしまうのか…。
原作は日本を代表するSF作家、小松左京のベストセラー小説。本作が製作された1970年代は、公害問題や、原油価格が高騰するオイルショック、それによって、さまざまなものの値段が上がる“狂乱物価”など、社会への不安が広がっていた時代でした。人知を超えた巨大な力によって起きる大災害を描いた本作は、そうした時代の空気を見事にとらえ大ヒットとなりました。藤岡 弘、、小林桂樹、丹波哲郎、いしだあゆみなど、多くのスターや名優が出演していますが、崩れゆくビルや建物、爆発するコンビナート、火山の大噴火など、スケールの大きい迫力の特撮が話題となりました。その映像を作りあげたのが、特技監督の中野昭慶です。CGのない時代、さまざまなミニチュアでセットを作り、火薬や実際の炎で爆発や火災を表現した迫真の映像は今見ても迫力満点です。
プレミアムシネマ「シン・ゴジラ」
12月8日(金)[BS]午後1:00〜3:02「日本沈没」の43年後に製作されたのが「シン・ゴジラ」(2016)。世界的に人気の大怪獣シリーズ29作です。
東京湾で異変が発生、やがて海から巨大生物が出現、街を破壊していきます。“ゴジラ”と判明した巨大生物にどう対処するのか、政府に設置された対策本部の作戦は…。
「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明総監督の下、長谷川博己、竹野内 豊、石原さとみなど、300人を超える出演者と大怪獣が繰り広げる緊迫のドラマ。CGをはじめ最新のデジタル技術に加え、ミニチュアも使って町並みを構築し、まるで実際に起きているかのようなリアリティーを感じさせるのも魅力的です。
監督・特技監督は樋口真嗣。1965年生まれの樋口監督は、少年時代から大の映画好きで、中学生のときに映画スタジオを見学して「日本沈没」の中野特技監督と知り合ったそうです。その後、中野監督が特撮を手がけたシリーズ16作「ゴジラ」(1984)に助手として参加、中野監督を師匠と仰いでいるということです。工夫を凝らした映像、映画ならではの魅力満載のエンターテインメント。どうぞご堪能ください。