【作品読めます】森恒二の新連載「Dダイバー」は、つまり「正義のフレディ」描く？～仕事量も多いが期待も大。

もうひとつ書いときたい、すごく仕事多いなあ作家とは、つまり森恒二のことだ。

イブニング休刊にともなう第一部完で、なるほどのこの物語…「創世のタイガ」を終わらせて次の取り組みをするのか、と思ったら、これ雑誌を移動してちゃんと続けるつもりなんだよ。

そしてうれしいのが、「そうそう、これこそが異世界もの・タイムスリップもののの本道だろ？」と言いたくなる、「その（現代文明を知らない）世界に現代人が行くことで、人類の技術や制度の進歩をデフォルメしてトレースする」というのを実に愚直にやってることだ。

これが本道というのは、マーク・トウェイン「アーサー王宮廷のヤンキー」が真祖である以上、間違いじゃないと思うけど、これだけ発展したところでいうのは傲慢かね。個人的に俺がそういうものが好き、と言い換えよう。
軍や戦争にとっては「要塞」や「補給線」というもの自体が新概念なのだ。（昔は補給と言っても略奪で済んだからな……）

実は講談社版じゃなくて白泉社からの、既刊の再刊がこれから始まるんだよね。

【お知らせ】#創世のタイガコミックス1〜11巻の電子版が、6/29(木)に白泉社より再販致します！ただいまお求め頂けない状況となり、ご迷惑お掛けしておりますが、何卒よろしくお願い致します🙇‍♂️※収録内容に変更はございませんので、重複購入にご注意下さい。#森恒二 #ヤングアニマル pic.twitter.com/yZblbCJ0uD
— 森恒二先生作品アカウント (@muhoutou) June 9, 2023

創世のタイガ 1 (ヤングアニマルコミックス)

作者:森恒二
白泉社

Amazon

創世のタイガ(11) (イブニングKC)

作者:森恒二
講談社

Amazon

しかし、創世のタイガがいかに連載を移転して続けてたとはいえ、その話がメインではない。

以前から紹介してた、森恒二が「無法島」連載終了と同時に予告してた「ダークヒーローもの」が始まった、という話である。

m-dojo.hatenadiary.com

勤勉話でいえば、前の記事の荒川弘と同様に３作の同時進行…森の場合１作は、ベルセルクの監修ではあるが、これもかなり時間を取られるのは間違いない。

創世のタイガがヤングアニマルからヤングアニマルZEROへ。
そして、ヤングアニマルで新連載。
ベルセルクも継続。

森恒二先生、3作品の連載か。働くなぁ！ pic.twitter.com/BNCSoBYqAW
— Gowest (@oshiraseNo) 2023年4月29日

【重大発表!】そして、次回より #創世のタイガは #ヤングアニマルZERO にて掲載！さらに次号から #森恒二先生待望の新作【D.ダイバー】が連載スタート✨YA本誌&増刊にてぜひご覧下さい!!!🙇‍♂️(担当)#ヤングアニマル #YAWEB pic.twitter.com/bdgzNJXroS
— 森恒二先生作品アカウント (@muhoutou) April 28, 2023

で…、新作を読んでみて感心したので、ネタバレとか気にせず（というか基本コンセプトなんだから言ってもいいだろうさ）、根本的な話を書く。

『森恒二が新連載するダークヒーローものは、つまり「正義のフレディ」…悪人の夢の中に登場して、悪夢で追い詰めていく、というコンセプトらしい』
…のです。

森恒二Dダイバー

もちろん第一話であるからこの後、似ても似つかぬコンセプトに代わっていく可能性もあるけど、一応一話ではそういう感じだった…
いちばん感心したのは、その「基本設定はそういうふうに先行作があっても、ちゃんとそこから枝分かれさせた別物が作れる」という実例としてだ。
「誰かの夢にいつも現れて、その夢の中で相手を襲う？その設定、あまりにも『エルム街』じゃないですか」で、このアイデアを放棄したら、こんな面白そうな話は出来んのですよ。