読書が「怠け者のやること」な時代から、それなりに市民権を得るまでの苦闘。
これはよい読書史料。矢口先生のお母さん(小卒)の読書好きが泣ける。田舎では読書は怠け者のすることとされていて、ましてやお嫁に行った先で昼間読書などできず、夜、おふとんの中に入ってから読書ができる。 / “戦後の田舎で本を読む、ということ〜矢口高雄「ボクの手…” https://t.co/d3HAzDDnZo
— 書物蔵→『本のリストの本』2刷が出来ました(∩´∀`)∩ (@shomotsubugyo) 2020年10月24日
さっきの、涙なしに読めない矢口母の読書体験だけど。
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本が伸縮自在な概念だと言ったけど、ここでは「読むもの」と――これは矢口先生の表現かもしらんが――言っているね。
矢口, 高雄, 1939- の母だから、マイナス20で、1919年ぐらい生まれとして。
明治末以降、女の子たちも全員、小学校で読み書きを習うから、本が読めるようになったのは1929年ごろか。
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候補は2つくらい?
・西遊記 上 / 宮尾しげを 著. 婦女界社, 大正14.8.10 <Y16-3895>児童乙部292-240
・漫画西遊記 / 宮尾重男 著. 婦女界社, 昭和3 <568-282>
矢口家に残っていた宮尾しげをの本は昭和3年か?と思ったが、どうやら『婦女界』別冊附録『愛児の友』に1925年あたりから連載していた「宮尾志げを」の連載の単行本化、大正14年のほうみたい。
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ちなみに『愛児の友』は雑誌協会から「戒告」されたということで、1925年7月号から附録でなく独立雑誌に。
いややっぱり昭和3年版かもなぁ…
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※つまり「ボクの手塚治虫」作中に登場した、お母さんが実家から持ってきた「西遊記」を同定しているのです。
こんなことが可能だとは……。
いま見ると、マンガというより絵物語に近い形式
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(σ・∀・)
吹き出しがないしhttps://t.co/N2ILJHW7Vf
『ボクの手塚治虫 (講談社文庫) 』より
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村民「つまり学問っちゅうやつはセヤミ(怠け者)を作るだけで~」
ボク「(こんな価値観がボクの村を支配していたのです/その証拠に新聞を購読している家は一見もなく/雑誌などを読んでいる人もほとんど見かけませんでした)」
ボクは4歳とあるから、昭和18年、秋田県雄勝郡西成瀬村では新聞はまったくなく、雑誌もほとんど見ない状態だったわけで。
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1941年日配の統計によると新刊雑誌の購読部数は農村部は都市部の1/9にすぎなかった。
令和の我々の親や祖父母が幼少だった頃の日本で、農村部だとまだ、読書は怠け者のすることで、新聞も雑誌もない状況のところがあった。でもそこには、かろうじて赤本のたぐいが、もちこまれていた。
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1943年秋田の片田舎におけるこのパターン。
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新聞すらなく、読書は怠けとみんなが→一部の家が新刊雑誌を買いはじめ→読書が広がっていく
1900年前後の長野の片田舎でも報告されとるのよ
(σ ・∀・)
江戸期から都市部はけっこう識字率が高かったのは、ルビンジャーの本で明らかに。
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だから開国で都市部はあっさりと文明開化しちゃふんだけれど。
農村部の開化が遅れるのよ(´・ω・)ノ
これは、この記事にいただいた反応です。
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ほか 漫画に出てきた、読書に関する名シーン
これ、あとでもう少し補足したいな…少しづつ採集しているので。
(1)https://t.co/t4a7aG0T86
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年10月27日
にあるが10/27から読書週間が始まった。
個人的趣味で、印象に残る #読書に関する漫画名シーン を紹介したい。
「MASTERキートン」で、キートンが画像のような人物から旧師の話を聞く。
こういう人まで感化してこそ教育者 pic.twitter.com/MVVWmVPO4c
#読書に関する漫画名シーン 3-A
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年10月27日
森下裕美「大阪ハムレット」5巻
先ほど紹介したこの作品、数年のブランクを経て最近5巻が出たのだけど、この巻の最初の話がストレートに「識字、読書、教育」を描くもの!
今の日本ではやはり特殊な状況を想定しないと描きにくい話だけど(続く) pic.twitter.com/R01IJUIOiT
#読書に関する漫画名シーン 4
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年10月27日
河合克敏「とめはねっ!」&川原泉「笑う大天使」
1千年言われてる台詞だろうけど「光源氏って、よく読むと素敵なお兄様とかじゃなく、ちょっとアレじゃない?」という話ね。
しかし、悪名は無名に優る!
物語はこう言わせたもの勝ち!
でも、あるでしょ。 pic.twitter.com/ntaHJHq9vC
#読書に関する漫画名シーン 6 梶原一騎「空手バカ一代」
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年10月27日
今回紹介する中で一番、読書の喜びや価値をストレートに描いてるのはこれだわさ。
梶原一騎ってコワモテの肉体派のようでありながら、めちゃくちゃ古典的な教養主義者、ロマンチストの面を持っていることはいろんな人が指摘してますね。 pic.twitter.com/aAqSatQ6fP
↑の『読書漫画』のうち、「大坂ハムレット」1巻第一話が全部読めるという話
ここから経由して飛んでくれ。
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5巻の第一話も「読書」にまつわる話なんだけど、さすがに全部は読めない。半分ぐらいか
「いつかの、いくつかのきみとのせかい」という歌が、読書のイメージソングとして秀逸
直接的に「本」とか「読書」という言葉は出てこないのに、それをイメージさせる。話自体が、これまた直接ではないのだけどヒロインに「ものすごい本好き」という属性があり、そこから多少読書というものが、物語に絡むような構成になっている。
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外は雨が降りしきってるけど 嫌じゃないよ 安らげる場所
まだ知らない日々を迎えては 新しいページをめくるよ(略)
いつかのきみのセカイ僕にも見せてよ ほら今
何気なく紡いだ仕草に思わず胸が締め付けられる
また明日何を話そう? 物語の続きを見に行こう