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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「国会図書館の週プロは切り取りが多く、資料の体をなさない」…衝撃の事実、そして文化的大犯罪!

 この前紹介した市瀬英俊「夜の虹を架けるー四天王プロレス」を読み終えた。800ページ以上の大著で、自分ももう少し読むのに時間がかかると思ったのだが、「面白い」という理由だけでザクザクと読み進んでしまった。また文章で紹介された多くの試合が自分にとっても映像や当時の特集記事の文章が、ありありと浮かんでくるようなエポックメイキングな試合ばかりだったので、 そういう点でも読みやすかったのかもしれない。

ただ、 後でこの本全体の感想を書きたいとは思うけど、その前に、あとがきに大変衝撃的な一文があったので、 そのことを紹介し、多くの人に状況を共有してもらいたいと思う。

それは以下の通りだ。(あとがき821-822p)

夜の虹を架ける 四天王プロレス「リングに捧げた過剰な純真」

夜の虹を架ける 四天王プロレス「リングに捧げた過剰な純真」

国会図書館での資料集めは困難を極めた。もちろん週プロは収蔵されているのだが、特に80年代から90年代前半にかけての号は、そこかしこが何者かによって切り取られており、実は資料の体をなしていない。私自身、バックナンバー全てを手元で保管しているわけでもなく、最終的には週プロの現・新日本担当、市川亨記者を頼った。業務の合間を縫って協力してくれた後輩にも心からお礼の言葉を伝えたい。

こ、これは…

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アルスラーン戦記焚書するボダン司教(中村地里の漫画版)

図書館の資料が切り抜かれている、という話はどうしようもないぐらいあちこちで見られることであり、そういう不逞の輩を根絶することは難しい。
だがなあ… 国会図書館だぞ?? 日本の知の最後の砦、日ノ本根本道場だ。ここの収納資料がそういう被害にあったなら、そこで文化は、知は途切れてしまう。現に今回、あやうく途切れかけたではないか。


とにかく、古代史以来、中国大陸の内戦で「お互い黄河の堤防を切るのはやめておこうぜ」という盟約が数千年続いたように「せめて国会図書館の資料は、切り抜くのはやめとこうぜ」ぐらいは、共通認識にしてもらえないか。
そして80年代から90年代の週プロだったら、まだなんとか間に合うと思うので、古本市場での買い直しと言うか収蔵し直しをお願いしたい。


そしてもう一つ、今やほとんどの出版がそうなってるであろう、電子情報としての版下??が、国会図書館にコピーされていく、そういう義務化を一刻も早く進めてほしい。
この話も進んでいるのか進んでいないのか。

ともあれ、衝撃的な話でした。