INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

故石橋雅史が演じた「ダイナマン」のカー将軍(というかジャシンカ)の描き方って良かったな。

togetter.com

ここでもカー将軍多めだけど、これは単純な思い出補正、観測範囲バイアスだとした上で「ダイナマン」「バイオマン」「チェンジマン」「フラッシュマン」の流れにあった戦隊シリーズって特によかったなぁ、と思うのだ。
それは特に「ハードSFっぽさ」という点でなんだけど、その後徐々にコミカルさを増していった流れの中で、なぜかここではちょっとシリアス度が高かった。
出渕裕モンスター」のデザインということもあったのかもしれない。

科学戦隊ダイナマン(予告編)

1980年代 特撮ヒーロー 悪の組織 幹部&首領大図鑑


ただ、なによりも、ジャシンカの組織と人間関係がな、なかなかに深いんだよ…
以降、ウィキペディアの丸写し。

有尾人一族ジャシンカ帝国
はるか古代に地球に落下した隕石に付着していた原始生命物質が独自の進化を遂げた地底の居住者有尾人(ゆうびじん)の一族による帝国。卵生で卵から誕生し、その名のとおり尻尾を持ち、尻尾の数が多いほど階級が高い。尻尾の無い地上人を下等生物と見下し、人間に尻尾を生やすことも不可能とわかると、地上への侵攻を開始した。

有尾人や進化獣のコンセプトは当時話題になった書籍『アフターマン』が意識されている[14]。

首領・幹部
帝王アトン
ジャシンカ帝国の支配者。尻尾は9本。一人称は「余」。普段はグランギズモ内の玉座に座っており、終盤まで自ら出撃することはなかった。帝王剣を使って、強大な妖力を発揮する。不老不死で超魔力を得られるという伝説の10本尻尾になることを夢見ており、尻尾の数を増やせると言うレトロ遺伝子の奪取に執念を燃やすが、ゼノビアダークナイト(=メギド)の策略に嵌まって猜疑心を高めてしまったことで結果的に忠臣のカー将軍を失った[ep 19]。そしてダークナイトに扮するメギドと一騎討ちの果てに致命傷を負ったが、死の間際に自分を倒すまでに成長した彼の姿を見届け、キメラを介してジャシンカの帝王の座とその証である帝王剣を譲り、息絶えた[ep 20]。この経緯から最後までダイナマンと直接対決することはなかった。
デザイン画では俳優の顔を出す前提であったが、造型ではマスクになっている[15]。衣装はメギド王子との共通性を意識している[15]。


カー将軍(※これが故石橋雅史の演じた役)
帝国一の科学者で、進化獣・メカシンカの製作・開発を行い、メギド王子の教育係も務めている。黒い長髪と髭に白塗りした顔が特徴。尻尾の数こそ7本とメギドとキメラより多いが、2人を自分の上に立てている。また戦闘力も非常に高く、名実ともに軍神としてダイナマンと渡り合った[注釈 7]。地上に出撃する時は兜を着用する。帝国への忠誠心は随一で、アトンから全幅の信頼を得ていたが、ゼノビアダークナイトの策略に落ちて謀反の濡れ衣を着せられ、自らの身の潔白を証明するためダイナマンに戦いを挑むも、あと一歩のところでニュースーパーダイナマイトのパワーに耐えきれず致命傷を負い、残された力を振り絞ってグランギズモへ帰還しビッグバンビームを起動後、装置の暴発がとどめを刺す形で壮絶に散った[ep 19]。
死後、最後のメカシンカ・ファイアースフィンクスを作るための遺言ビデオが発見され、最後まで帝国のために尽くしたその忠誠心をアトンから賞賛された[ep 20]が、ずばぬけた文武両道の才の持ち主であったカー将軍を失ったことは、ジャシンカ帝国にとっては甚大なる戦力の喪失に繋がり、その滅亡の一因にもなった。
デザインを担当した出渕はカー将軍に娘がいるという自己設定のもとに、イシリアというオリジナルキャラクターを後年の画集に納めている[16]。
 

メギド王子
帝王アトンの息子。元は5本尻尾だったが、1話でダイナレッドにうち1本を切り落とされ4本尻尾となり、以後ダイナレッドを執拗に狙う。流れ星という白馬に乗り、常に先頭に立って作戦を指揮する。真面目な性格で側近の死を悲しんだり[ep 21]、スパイ有尾人夫婦をキメラの怒りから庇って弁護したりする[ep 1]など部下を大事にする心根も持っているが、やや短慮で王子としての威厳に欠ける部分もある。邪神剣と呼ばれる剣を持ち、邪神剣コウモリ返しという必殺技を使う[17]。
度重なる失敗につけ込んだゼノビアの謀略に嵌まり、父・アトンから罪人として見捨てられ、ゼノビアに残りの尻尾を全て切られた上に千年洞窟に幽閉されてしまう[ep 22]。
その後、ゼノビアや自分を見捨てた父・アトン、そしてダイナレッドへの復讐心からの執念で千年洞窟を自力で脱出。その後は表向きは消息不明となっていたが、その裏で黒いスーツを纏った闇の使者・ダークナイトとなって暗躍した。千年洞窟に幽閉されている最中、偶然「10本尻尾になると同時にその者は死ぬ」と記された古文書を発見したことで10本尻尾の真の秘密を知り、生まれつき決まっている尻尾の数に頼るのではなく、己を鍛え、自ら強くなることこそが重要と悟る。
ダークナイトとして父・アトンを直接対決の末に倒し、さらに自らを罠に陥れたゼノビアを意趣返しによる謀略で死に追いやった。そしてダイナレッドの手でダークナイトの仮面が割られ、再びメギドとして姿を現した後、アトンの形見にして帝王の証である帝王剣をキメラから手渡されて正式にジャシンカの新帝王となった[ep 20]。
最終話のオープニングでは「若き帝王メギド」としてクレジットされた。ダイナマンに決戦を挑み、男性戦士4人を相手に帝王剣を使いこなして善戦するもダイナレッドに深手を負わされ、グランギズモに乗り込んでダイナロボに挑むが、ダイナロボの科学剣・稲妻重力落としの前に敗れ、地上へ墜落するグランギズモの中でキメラとともに互いの名を呼びあいながら最期を遂げた[ep 14]。
第28話ではピエロに化けた。また正体を明かした後の軍服が以前とは異なり、全体的に黒に染まっている。
王子時代にはキメラとは喧嘩友達に近い関係だったが、結婚後は素直に愛情を示しており、最終決戦で自らが重傷を負い敗北を覚悟した際にはキメラだけでも逃がそうとしている[ep 14]。後年の出渕の画集には「ジャシンカ帝国初代『神聖』皇帝メギドと『女王』キメラ」という2人のオリジナルイラストが収められている[18]。
デザインでは『電子戦隊デンジマン』のヘドラー将軍と『仮面ライダーX』のアポロガイストを意識している[15]。また襟の部分には安彦良和が『機動戦士ガンダム』の軍服で用いている逆三角形の意匠でデザインを引き締める手法を取り入れている[15]。


ダークナイト
第42話から第50話に登場。闇の使者を自称する謎の剣士。
用いる武器は鍔の無い細身の長剣ダークソード。そのダークソードでダークナイト闇の舞をもって敵を幻惑し、敵の喉元へ必殺の刺突を繰り出すダークハリケーンを必殺技とする。
レトロ遺伝子の存在が明るみになってからはそれを利用し、協力する振りをしながらゼノビアを死に追いやりつつ、地上に現れたアトンも一騎討ちの末に倒す。その後ダイナレッドに仮面を割られたことでその正体を明かした[ep 20]。
第44話で謎の老人に化けている[ep 23]。第49話ではコンピュータードラゴンの意思を奪う機械を作製しており、機械に精通した面を見せた[ep 19]。
メギドが既に鎧姿であることや正体を伏せる必要があったことから、「ナイト」という名称から想起される鎧騎士ではなくジャシンカとは異なるヒーローよりのデザインとなった[19]。メギドにあわせて隻眼になっている[19]。デザイン画ではブーツに隠したナイフが伸びて剣になるという想定であったが未登場に終わった[19]。


王女キメラ
第8話から登場。メギド王子のいとこ(母が帝王アトンの妹)で、4本の尻尾を持つ妖術使い。黒いボディスーツに赤い鎧を着用している。変装も得意で、カー将軍による将としての評価はメギドよりも高い。鞭に変形する赤いバトンを武器として戦い、そのバトンを使ったキメラ花隠れという瞬間移動もできる。ダイナピンク=立花レイの好敵手で、第20話ではレイと一騎討ちの勝負を演じたほか、最終話でもダイナピンクとの一騎討ちを展開[ep 14]。子供向け番組でありながら裸で水浴びをするシーンも披露、その際、ダイナブラックに服を奪われてしまうという失態を演じた[ep 9]。気の強い性格で、メギドとはことあるごとに反目し合っていたが、メギドが刑に服す瞬間は同情を見せている[ep 22]。また、後に父を倒し若き帝王となったメギドを認めて妻となり、新女王となる[ep 20]。
最終話のオープニングでは「若き女王キメラ」としてクレジットされた。ダイナロボとの戦いに敗れた際、メギドに地上へ墜落するグランギズモから脱出するよう促されるが、これを拒んで彼と運命を共にした[ep 14]。
デザイン画での名称は「キャプテンキメラ(キメラ少佐)」であった[20]。へそを出した衣装にしようという意見もあったが、デザインを担当した出渕裕はかえって色気がなくなると反対し、ウエスト部分には引き締まって見える黒を用いている[19]。
後年の出渕の画集に「ジャシンカ帝国初代『神聖』皇帝メギドと『女王』キメラ」としてオリジナルイラストが収められており、イベントでもファンから「キメラ描いてください」というリクエストが多かった、とその画集の中で明かしている[21]。


女将軍ゼノビア
第37話から登場した女将軍。尻尾は7本。妖魔力の使い手で、刃を装備した杖を武器に戦う。狡猾で奸智に長けた野心家であり、8年前にジャシンカ帝国の女王として君臨することを企てアトンを暗殺しようとしたが未遂に終わり、その罪を問われて千年洞窟に投獄されていた[ep 24]。自力で脱獄し、改めてアトンに忠誠を誓ったが、心中には変わらず野心を宿しており、アトンに従う振りをしながらジャシンカの支配者の座を狙う。そのために最初の標的として最も邪魔な存在と睨んだメギドを罠に陥れ、彼の尻尾を全て切り落とした上に千年洞窟に落とした[ep 22]。
レトロ遺伝子の存在を知った後はダークナイトと手を組み、アトンより先に10本尻尾になるべくカー将軍までをも陥れて死に導いたばかりか、遂に野心をむき出しにしてジャシンカ帝国を裏切り、そして夢野を誘拐、洗脳してレトロ遺伝子システムを完成させ[ep 19]、レトロ遺伝子を浴びて念願の10本尻尾となるが、その強大なパワーに耐え切れず、白骨化して絶命する[ep 20]。その寸前、ダークナイトの正体がメギドだったこと、そして彼の行動の全てが自らへの復讐だったことに気付くも、まさに時すでに遅しであった。
演じた藤山律子の起用はデザインを担当した出渕裕の意見によるもので、デザインも藤山を想定して描かれた[19]。デザイン画での名称は「大神官ゼノビア」であった[20]。デザインでは胸元が大きく開いた布地の衣装となっていたが、造型ではキメラの鎧と同じ型から作られた鎧に変更された[19]。
藤山は、ゼノビアのセリフ回しは時代劇での男優の演技を参考にしたと述べている[22]。


けっこうすごいなァと思うのは、まず絶対的な存在の「王」がいる、これはわかるとして、その下の「王子」が、ほとんど前線の部隊長みたいな立場なのね。いやそんなの、実際の歴史上はあまたあるし(たとえばフリードリッヒ大帝も、父親のいる時代は一隊長だったし)、子供むけ番組の作劇上も、王子が戦隊と直接ドンパチやるのはわかりやすいんだけど、半面で「王の次の立場なのだろうに、なんでこんな苦労させられるのかなー」とか思ったりしてました。さらにいうと、上にあるように「王女キメラ」って出てくるけど、これが「王子」であるところのメギドとことあるごとに衝突し、皮肉をいったり顔をそむけたりしてるんだよね。両方に王位継承権でもあるならともかく、血統的にはアトン直系でもないのに、よくここまで奔放にふるまえるなぁ、ジャシンカ帝国はけっこうリベラルなのか???と思わせたりした(笑)

f:id:gryphon:20181223031232j:plain
メギド王子とキメラ王女(ダイナマン
 
f:id:gryphon:20181223031353j:plain
メギド王子とキメラ王女(ダイナマン

 ところが最後は、そのメギドの妻になるのだから、早すぎた「ツンデレ」でありました(当然その時代、そんな言葉はなかった)。




さらにいうと、メギドが王位を継承した経緯が、「叛乱を疑われて、とある牢獄(的な場所)に幽閉されていたが、自力で脱出し鍛錬して、仮面をかぶってなぞの一戦士として登場、帝国を揺さぶったあと、父王を一騎打ちで倒して、武としても器としてもその資格を認められ新王となる」って、何そのアルスラーンヒルメスを足したようなパーソナリティは。(※ほぼ同時代の「ギャバン」も、王と王子の葛藤と叛乱はありましたが)
なんかこんなのも、twitter検索するとあったぞい


そして本題、故石橋氏が演じたカー将軍は「政治的にも帝国の重鎮、武人としても超一流、そしてジャシンカの怪人たちを合成して生産する科学者」をすべて兼ねるという、ちょっと権力集中しすぎな、キルヒアイスもびっくりのNo2。キャラ分割しろ(笑)。

ただ、この人が上のウィキ引用部分でも書かれてるように、メギド王子が仮面を被った「ダークナイト」と女将軍ゼノビアのゆさぶりによって、忠誠を疑われたために、一種無謀なダイナマン直接討伐に打って出て、そこで敗れて命を落とすのだが忠誠は証明される。そしてその死後、「自分が万一命を失ったとき、帝国のために最後の怪人を合成する遺言ビデオ」が残っているのが見つかり、あらためてアトンはその忠誠に感じ入る。
カー将軍殉職の回(&遺言ビデオ)に関してはこれ参照
blogs.yahoo.co.jp
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/8185/tokusatu/dyna3.html



いや、そういう忠臣を疑って殺す君主は、そりゃ天命を失うわな。と儒教的発想をしてしまうぐらい。


そういえば、最初の最初は「キメラ王女はカー将軍の娘」という初期設定だったという。こうなると、「本人は謹厳実直な忠臣なのに、娘はきかん気のじゃじゃ馬で、次期国王たる王子に平然とため口でケンカを仕掛けるので恐縮してハラハラのし通しとなるお父さん」という設定まで付け加わり、さすがにそれではキャラが過剰になり過ぎてその設定は取りやめたのだろう(笑)


そこに野心も実力もあり、一度は反乱を起こしたが許された(でも内心はもう一度乱を起こす気満々)の女将軍ゼノビアまで加わるのだから、ポリコレ的にもなかなか。
これ、やっぱりすげーっすよ。こういうシリーズは、もちろん進化していく面もあり、現在の戦隊シリーズもさまざまに新趣向をしたり、うならせるドラマもキャラクターもある(自分が丁寧に追ってないだけ)とは思うんだけど、ただ一方でマーケティングも進んだから、「ちょっとこの時代の戦隊シリーズ、敵組織のドラマとか対象年齢高すぎた部分もあるんじゃね?」という軌道修正は確かにあったんじゃないかなぁ…と思うのさ。


この時のジャシンカの描き方は、故石橋氏演じた「カー将軍」の立ち居振る舞いも含めて、なかなかに「古い」では片づけられない、珠玉の要素があるんじゃないかな、と思うなりよ。

ただ、特撮もの、とくに戦隊シリーズでの恒例でもあった「悪の組織の内紛」の描き方の一例としては、どれほどのランクなのか、その後に与えた影響は…
togetter.com

そういうことは、もっと詳しい方がいつかどこかで語ってくれるだろう。

とりあえず、これを役者のみならず、リアルな空手家(マス大山がバリバリの時代の極真空手師範代!!)としても活躍した、石橋雅史氏の逝去にささげる言葉としたい。
このひとって、たぶん梶原一騎の遺作「男の星座」に一コマなり二コマなり登場してたと記憶している。

男の星座1

男の星座1

男の星座2

男の星座2