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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

蓮舫氏の騒動で一番印象に残った話。「Q:政治家になる前『外国籍』と自分で言わなかった?」「A:芸能界でキャラ付けするためそう名乗った」(大意)。 あー…まあ、ねぇ…

蓮舫民進党代表が辞任した。

詳細は略。



で、この前、蓮舫氏が会見したのが1、2週間前だっけ?
その時に印象に残って、いつか書こうと思っていたがさぼっていたら、辞任を表明して、早めにかかなきゃいけないと思ったのでいま書く。


そもそも、メインの部分自体はかなりシンプルな話だった。

【メインのストーリー】
・こどものころは、両親の国籍を受け継ぎ、台湾国籍(というものの意味については、いまは問わぬ)と日本国籍の両方を持っていた
・ある年齢で、日本国籍を選んだ(つもりだった)。だが台湾国籍を正式に放棄する諸手続きに不備があり、そっちの国籍が無くなったと思ってたら残っていた。
・それで最近、手続きをし直して、正式に台湾国籍を放棄した。


これ自体は正直、どーでもいい。諸手続きは面倒だよね、と公的機関へ書類を書くのが苦手で、各種申請が一回で通ることがほぼない私としては思うだけだ。

それと同時に、国籍と忠誠(というより、主に「忠誠」全般に関するフィクション性)については、蓮舫問題が勃発する前から考えてきた話で、そこから応用して考察をしていたので興味ある方はご参照されたい。

「国家と忠誠」補遺〜外務公務員などの国籍制限について。 或いは宗教的忠誠と、国家への忠誠について - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160924/p1
 
「国家と忠誠」〜とある儀式の宣言文、などから再考 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160914/p1

そこでも、こんなふうにかいてきた

…自分、当初から「単純ミスとして処理すりゃいいのでは」と言ってきたが、まあ現実としてはこういう形になった。

それが記憶違いか、意図的なものだったかどうかはともかく、はじめのはじめに「ご指摘を受けて、その可能性に気づいたので調査したいと思う」という点を強調しておけば一番よかったのだろうが、そこは人の選択というのは、得てしてそんなものだろう。(2017年追記:森友学園問題での稲田朋美防衛相(弁護士でもある)の「顧問弁護士として仕事をしたことはない」という答弁はほぼ類似例と言えそうだ)

というか話題自体が実に民主党代表選の中では実にマイナーで、この話題ばっかりでほかの……(略)

だが、気になるのは、追及報道で

芸能人時代の発言を見ると、自分で「二重国籍」と発言している、という指摘があったことだった。
ほかの話はぜんぶ誤解とか、「捨てたと思ったら残ってた」といううっかりで説明がつくが、自分で「自称」していたのなら、上記の【メインのストーリー】が成立しないわけで…


ある意味、この問題に「疑惑」があるとしたら、ここが一番の重要部分じゃないか?と思っていました。



そして
会見で。

【蓮舫氏「二重国籍」会見詳報(5)】二重国籍者はスパイ? 朝日記者の質問に「一刀両断に『スパイだ』と言うのは非常にせつない」 タレント時代の発言は「浅はかだった」(4/5ページ) - 産経ニュース



−政治家になる前、タレントとしての活動に台湾のアイデンティティーを個性として使っていた。週刊現代で『父は台湾で私は二重国籍なんです』、朝日新聞で『在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい』、雑誌クレアでは『私の国籍は台湾なんですが』と発言している。これらの記録は先ほどの説明と矛盾するが
 
 
 「タレント時代の私が事実の確認や認識、あるいは法的評価を混同して、いくつか今お示ししていただいたように発言していた。今振り返ると、ずいぶん浅はかな発言だったと思っている」
 
 
 「他方で、当時私は本名で、蓮舫という名前で、アジアのダブルのルーツを持っているという部分でキャラクターを果たせる形で、タレントであり、あるいはその後はニュースキャスターをして、特に中国や香港、台湾、アジアの問題と日本をつなぐジャーナリストの役割を果たしたいという部分は、これは自分のルーツをもとに際立たせていたこともある。その部分で、ハーフという部分、ダブルという部分を強調した

ははー、とおもいました。
「キャラ付け」か!!!!

そして、走馬灯のように脳内をかけめぐる、「キャラ付けスーパースター列伝」。実際に、ちがう国籍を名乗っていた人間がごまんといる。
   



もちろん、プロレスは経歴詐称どんとこいの世界。「サッカー代表は今、二重国籍もふつう(※ただ、代表国選択はいろいろきびしくまた別種の制約がある)なのに」が通じないのと同様、「プロレスで日本人が蒙古の怪人、ユダヤアメリカ人が元ヒトラー親衛隊を名乗ってるののに」も通じない。いや通じたらおもしろいのだが!!!


ただ、蓮舫氏がまだ激しい生存競争をたたかっていた「芸能界」
はなやかなスポットライトをあびるためには、マレビトでなければならない。日本と台湾(中国?)の二重国籍なんです、そりゃあ珍しい、じゃあアジアのことをリポートするキャスターに…というような話がくるのもわかるし、だったら、「本当はもうひとつの国籍を放棄して、日本国籍だけなんだけどな(と、当時は思っていたと。)でもいいや、芸能界でアピールするためには、『わたしは二重国籍者で、その視点から…』と名乗ったほうが、スゴみがあってよろしい。これは虚偽かしら?いいや、芸能界には夢、ロマンも必要であり……」と。


まったく
芸の世界は
きびしいものだとおもったことでありました。


2023年、似た騒動が