“5万回斬られた男”福本清三が主演男優賞!日本人初の快挙!
http://www.cinematoday.jp/page/N00653187月17日から8月7日までカナダのモントリオールで開催された第18回ファンタジア国際映画祭で、“5万回斬られた男”という異名を持つ斬られ役の名手・福本清三が55年の役者人生で初めて主演を務めたことでも話題の映画『太秦ライムライト』が、最優秀作品賞のシュバル・ノワール賞と、福本が最優秀主演男優賞を受賞したことがわかった。
日本人が本映画祭で主演男優賞を受賞するのは初めてで、71歳の福本は歴代最年長受賞記録を更新。シュバル・ノワール賞を日本映画が受賞するのも史上初となり、メガホンを取った落合賢監督は日本人最年少として初ものづくしの栄冠を手にした。
おめでとうございます。
さて、そんな福本氏、「時代劇で5万回の斬られ役」というのは確かに特異で、自伝が出たり、ハリウッド映画に出演(ラスト・サムライにて「寡黙なサムライ」と名づけられた役柄)と、「個性のないちょい役をずっとやってきた…という個性」は奇妙な人気を最近は持っていました。
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しかし、その「個性」が生まれたのは、1992年、福本氏が49歳の時のこの番組…そしてそこに手紙を投稿した一読者の着眼があったからこそでありましょう。これが「起点」ということでいいんだよね?
(※自分が見たバージョンだと、このあと実際に「徹子の部屋」に出演が決まった、という報告があったのだが。)
ひとりの、キャリアだけ長い無名俳優が、それでも、その姿に拍手を送るファンがいて、その人の声、指摘でメディアから(半分興味本位で)注目され、そこから抜擢されるように大作に出演、その後主演俳優を務めた映画が賞を受賞……。
普通ならありえないはずで、でも実際に目の前で起きて、今後もどこかで本当になってほしいような、そんな「うつし世のおとぎばなし」である。
そのうつし世のおとぎばなしをうんだきっかけは
映画のプロ、専門家の目ではない。
ジャーナリズムでもない。
アマチュア視聴者とバラエティ番組が、埋もれていた宝石を掘り出し、磨き、その輝きを知らしめたのである。その功績を再評価するため、ここに紹介した。
実はたぶん、自分が「ナイトスクープ」を見始めた(今は見られず)のがこの頃、個人的に最初期の視聴内容だったので、そのぶん印象に残っている。いやー、こんな視点があるのか…と「視点の移動、、既存の価値体系を組み替えて新しい価値を生み出す」ありかたに驚愕した。
「ゆるキャラ」や「マイブーム」をつぎつぎに生み出すみうらじゅんへの感嘆と似ている、というと分かりやすいでしょうか。
とにかく、主演で賞をとった福本清三氏に拍手。
かれを「発掘」したナイトスクープに拍手………。