―(略)UFCのライト級がなぜ、155ポンドになったのか、今UFC、UFCって言っている人も多くが知らないと思います。
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2014/04/23
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (4件) を見る
「何で、ですか?」
―本人が覚えていない(笑)。2000年6月9日のUFC26にサスティンの北森(代紀)広報が視察に出かけ、当時バンタム級と称されていた階級が150ポンドで制定されることになっていたんです。
「ああ、何か思い出しましたよ。で、僕の体重をUFC関係者が北森に尋ねて…」
―ハイ、私は現地にいたのでハッキリと覚えています。大会前日にルミナ選手の体重を尋ねられた北森氏が「155ポンド」と答えると、翌日の会場で流れたCGには、新しい階級は155ポンドと記されていたんです。実は前夜の辞典では150ポンドだったんですよ。
「じゃあ、ライト級じゃなくてルミナ級にしてくれれば良かったのに(笑)。その話、僕自身が忘れていましたよ」
貴重な証言だったな、と同時に、「本人が忘れていた」との一言が、いかに歴史の記録というものが忘却や埋没と紙一重の危険があるもだことを証明している。ここでディティールが語られず、さらに十数年が経過したら、法螺話と思われても仕方ないところだった。
UFCのマッチメーカーであるジョー・シルバは佐藤ルミナの大ファンであることを以前から公言しており、まぁ時々「いかに素晴らしいファイターと、強いファイターは別物であるか」の例としても挙げているのはアレなんだが(笑)、自分でルミナのベスト関節技を集めたビデオを編集、それが知らない間にフランク・ミアを含めた無数の格闘家・格闘技ファンに出回っていた…という話を告白している。
そんな過去がありながら、UFCはなぜ今海賊版映像にあんなに厳しいんだ(笑)。
今回の引退は生まれ着いての先天的な障害(臼蓋形成不全)も関係したものだという。
ルミナは残念ながらUFCの公式戦には出場できなかったが、2009年7月、100回のナンバーシリーズを記念して行われたファンエキスポのグラップリングマッチに出場、一本勝ちをしたことは、アメリカのファンにとっても本人にとっても幸いなことだった。
引退興行はサムライ放送まであまり情報を入れないようにしているのでこの場では語れないが、お疲れ様でした。今後は、逆にさまざまに活動の幅を広げていくことだろう。