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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「実はNHKBS1はすごいインテリジェンス情報の塊」(池内恵)…専門家がいうと、厨二的スパイ願望を刺激されるなあ。

今、自分がやっきになって布教している、新進気鋭の中東学者・池内恵氏運営のブログ

中東・イスラーム学の風姿花伝
http://chutoislam.blog.fc2.com/
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。

 この最新記事が、たいそう面白かったのである。はてブしたら、連動しているtwitterでの興味、評判もよろしく、ブログ自体の宣伝としてもブレイクスルーになりそうだ。

■実はNHKBS1はすごいインテリジェンス情報の塊
http://chutoislam.blog.fc2.com/blog-entry-90.html

 春の番組改編で、NHKBS1の国際ニュース番組もいろいろ変わった。NHKBS1の各種の国際ニュース番組は、国際情勢を見る上で必須のツール……私が特に重視しているのは以下の番組。

ワールドニュース」(朝6:00〜6:50)
「キャッチ!世界の視点」(朝7:00〜7:50)
ワールドニュース・アジア」(午後2:30〜2:50)

 これだけのために受信料を払っても安くない、というか個人的にはこれだけのために払っているとすら思っている。それに加えれば深夜12時からのBS世界のドキュメンタリー。
 これらの番組を知っている人たちには、「嫌味だな」と言われるかもしれませんね。だって全部翻訳番組で、NHK自身が作ったものではないから。
(略)
 でも、もしこれから国際関係を勉強したい、中東を勉強したいという人がここを読んでいたら、まずハードディスク・レコーダーを買ってBS1の国際ニュース番組とBS世界のドキュメンタリーを毎日自動録画しておきましょう、とお勧めする。最近はハードディスクが増設できるものが多いので、そういった機種がいい。投資効率が最も良い。ユーチューブなどを見れば、外国の映像はいくらでもあるように感じられるかもしれないが、しょせん無料のものは無料に過ぎない。

 始めるなら、早ければ早いほどいい。

 ドキュメンタリーは外国から権利を買ってきているから、良いものが厳選されている。それらが多くは一回しか放送されない。あるいは再放送がせいぜい一回だけ
(略)
 国際ニュース番組の方は、これがまた良い意味で日本的。こんな番組は日本にしかないと思う。
 どう特異かというと、各国の主要なニュース局の定時ニュースをダイジェストして、短い時間に詰め込んでいる。朝6時からの「ワールドニュース」の場合、フランス、アラブ、ロシア、イギリス、アメリカ、中国から6局が選ばれている(他の時間帯にはドイツやスペインや韓国が、曜日によっては香港やインドなども入っている)。

 日本の「箱庭」的ダイジェスト文化の極致と言えるだろうか。よその国のチャンネルを毎日きちょうめんに整理して一つの番組を作って放送しているって、日本にしかないと思う…(略)

自分は偶然チャンネルを合わせるだけのことが多いけど、たしかに世界中のニュース番組がざっと見られるあの番組は「いやー、世界は狭くなったなー」と思ったり、CNNに対抗して各国の主要放送局でニュースを融通しあう「GNN」構想を掲げた島桂次会長はやっぱり先見の明があったのかな、と思ったり。

「インテリジェンス」とか言われると、男の子の「スパイ心」が刺激されるんだな(笑)

この問題については、以前「バクマン」を題材にまとめました。一部再掲載します。

バクマン。」、コンビの新作漫画(劇中劇)に一言…”スパイごっこ”の面白さかな?その系譜と類似作
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100510/p3

(略) 

男は(も?)常に一匹のスパイである

近年「佐藤優現象」という問題が提起され、一部で議論されている。

http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-23.html
これは思想的な意味のある真面目な話なのだが、言葉だけを借用して、佐藤優氏がなぜ人気があるのか?人気が爆発したのか?について考えると、根本のところに「21世紀の日本に久々に登場した”大物スパイ”だったから」というのがあると思う。
もちろん、「だれでも知っている大物スパイは、すべて失敗したスパイ」(本当に成功したスパイは知られることが無い)というのも事実で、実際に佐藤氏も最後に失敗したスパイではあるのだが、ソ連崩壊のときにすごい情報をゲットした、とかロシアの大物と信頼関係を築いた・・・みたいな実績も確かに多数なのである。最初に彼らが逮捕された直後から、産経新聞の斎藤正氏らがその活躍ぶりを紹介したし、デビュー作「国家の罠」は、逮捕されてからの検察の取調べとの攻防も含めて、ひとつのインテリジェンスもの、スパイものであった。

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)


で、私だけかもしれないが・・・というような謙遜はやめる。ここで断言するのだが、男は・・・というのも事実誤認で性差別とも言われかないので女性も含む。みんなスパイやりたいの!
勝間ナニガシとかがよく「仕事の技術」みたいな本書いてるらしいじゃん。私はその手の本はハナッから鼻で笑い(うまいな)、ページを開こうという気にもなれないのだが、実は佐藤氏、よくそういう仕事の手順みたいなことを書く時
「優秀なスパイはXXXをしている」とか記述するのね(例えば「優秀なスパイに記憶力は必須である」みたいな)。そうすると、同じ仕事術みたいな文章でも、「そうかスパイにこれは必要なのか、じゃあそれをしなければ!」みたいに受け止めるのね(笑)。


ココロの中のスパイというのは結構便利なもので、退屈な資料整理とか、暇なお年寄りや仕事の関係者との雑談とかも自分の中で「インテリジェンス活動」「情報収集」だと思うと俄然やる気が出てくるよね。実際、日常の仕事も、人間関係も、そういう考え方がいかせるといえば活かせる。「仕事に役立つスパイ術」。そうすると近所のおばちゃんが一番インテリジェンス・オフィサーとしては優秀かも。

我らが日常に謎を、ミステリを

今まさにそのインテリジェンス活動の一環として分析すると
「ここまで読んで『うんうん、そうだよね』とうなづく人が半分、『はぁ…?何言ってんのこの人』と引く人が半分」
だと思うんで、まあそのへんを語るのは後日にしよう。

もう一回端的にまとめると、「われわれの日常も『スパイ』や『探偵』的な視点で受け止めると面白いことは多々ある。それを意識的にやると、さらに面白くなる」ということ。
(後略)

ああ、われながらすごい。この一文は端的にわれらの「スパイ嗜好」をいいあらわしている…ような気がする(笑)
そうじゃなきゃ、池内ブログの紹介記事やブクマをこれまでもいろいろつけているのに、今回が一番反響が大きい説明がつかない(笑)。いやつくか。


なんにせよ、たしかに「インテリジェンス」というのは大仰というか、「そのインテリジェンス収集で実際に何をするんだ」とつっこまれるところだが、あるテーマでものを考えたり雑談のネタにしたり、そんなことをする場合でも、BS1から得られる情報というのは貴重で、見ているものと見ていないものでは性突くのかもしれない。


もう一度、読みどころを紹介。
「もしこれから国際関係を勉強したい、中東を勉強したいという人がここを読んでいたら、まずハードディスク・レコーダーを買ってBS1の国際ニュース番組とBS世界のドキュメンタリーを毎日自動録画しておきましょう、とお勧めする。最近はハードディスクが増設できるものが多いので、そういった機種がいい。投資効率が最も良い。」


おや?偶然は重なるものだ。
たまたま、つけていたNHKのCMで、おなじみ初音ミクの声で「世界をもっと深く、詳しく知ろうよ!」と呼びかける歌があった。今回の紹介記事の趣旨に沿っている感じがするのでここでも紹介。「NHK 初音ミク」などで検索してみると…
BS1じゃなくて、
地上波放送?の「深読み」テーマソングでしたが

NHKの番組がオリジナル初音ミク曲 YouTubeで人気に - ねとらぼ http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1202/06/news021.html


しかし、「インテリジェンス」のテーマ曲だったらやっぱりこっちだよな(笑)