INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

本日、3年目の3.11。

はやくも3年か、まだ3年か。

東日本大震災を直接描いた漫画作品リスト/「東京を脱出してみたよ!」

東日本大震災を直接描いた漫画作品リスト(随時更新)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110810/p3

というのをやっています。

最近の動向でいうと、表では「そういう企画がある」ということだけ紹介している、漫画化が聞き書き(取材)によってノンフィクション漫画を描いた「ストーリー3.11」が、かなり傑作の出来栄えだとの評価が高くなっています。

それから最近、表にも収録ずみの「東京を脱出してみたよ!」が単行本になりました。

東京→三重…赤裸々過ぎる移住エッセイ!

3.11の大地震原発事故をきっかけに、東京生まれ東京育ちの漫画家・一色登希彦元町夏央夫妻が三重へ移住することに!

何故移住するまでに至ったの?
持ち家だった自宅はどうしたの?
周りの人々のリアクションは?

お金のこと、人間関係、たびたび勃発する夫婦ゲンカ…
「その時、何が起こったのか?」を赤裸々に描いた
ある夫婦のドキュメンタリー。

移住を考えたことのある人もそうでない人も、
「こんな生き方の選択肢もあるんだなあ」ときっと参考になります!


【編集担当からのおすすめ情報】
作者・元町夏央氏も、編集担当者も、同じ東京生まれ東京育ちの30代。
育ってきた環境も似ていますが、あの原発事故を境に、それぞれ全く別の選択をしました。
元町氏は、旦那さんの一色登希彦氏と三重へ移住し、まったく新しい環境へ。
担当者は、東京での生活を一切変えずに続けています。


どちらが正解というわけではない。
でも、もしかしたら、人生にはこういう選択肢もあり得るのかもしれない。

たくさんの物と人々に囲まれ、夜中でも煌々と明りが灯っている東京での生活から、静かな海沿いで、朝日とともに起きる生活へ、180度の変化。
その過程で、夫婦はどう行動し、何を感じたのか?

放射能が気になる人も、全く気にならない人も。
移住に興味がある人も、そうでない人も。

彼女たちの生活をちょっと覗き見して、自分の人生を振り返ってみるいい機会になるかもしれません。

これは、この世の中に無数に存在する夫婦のうちのひと組の、
ある詳細な記録です。

 
「移住者」はいないように見えているもので、うちの近くにいて面識がある人も、仕事自体がかなり地元に密着したものであるのに、それをすっぱりやめて移住し、最終的には米国での生活を目指すらしい。


漫画家の身軽さ(仕事自体は、ファクスや電子メールの発達でどこでもできる)や、収入・たくわえもあるのだろうが、まずはパッと「引っ越す」という身軽さは、正直地震、避難という話をはずしても、なんというかロマン、うらやましさみたいなものも無いわけじゃない。


ただ…なんかこんな報道もあるんだが…

東京の放射線レベル、原発事故前の水準に−ロンドンより低く - Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N2220Q6JTSED01.html

まあもちろん、空間放射線量だけじゃないし、政府や東電発表の信頼性をいう人もいるだろうし。amazonの編集者宣伝文(例によって、小学館的な気合の入り具合だ)
「元町氏は、旦那さんの一色登希彦氏と三重へ移住し、まったく新しい環境へ。
担当者は、東京での生活を一切変えずに続けています
どちらが正解というわけではない。
でも、もしかしたら、人生にはこういう選択肢もあり得るのかもしれない。」
 
この本の重要なところは実にその部分で。
東京や関東、東北から出てきた人…特に公的に指定された区域ではない場所から来た人は、そこに残っている人への遠慮や躊躇で、沈黙をしがちな部分がある。
自主避難で東京を出た経験を描く資料は、けっこう珍しいといえば珍しい。さっき「漫画家はファクスやメールの進歩で遠方でも仕事できるようになった」と描いたが、取材の打ち合わせひとつとってもやはり東京が有利…漫画家以外の言論人はさらにそうだから、絶対値的にも少ない。
有名なのは俵万智氏か。

「子を連れて 西へ西へと 逃げてゆく 愚かな母と 言うならば言え」
「『オレが今 マリオなんだよ』島に来て 子はゲーム機に 触れなくなりぬ」

http://www9.nhk.or.jp/nw9/marugoto/2012/05/0518.html
俵万智さん
「そうしたくてもできない人がいらっしゃるということをも思うと、ちょっと自分の行動が人を傷つけているかもしれないという思いは常にありますね。
でも、でも、そうするしかできないというか、自分は子どもをとりあえず目の前の一人の子どもを守ることからしか、一歩が踏み出せなかったというか、そういうかんじですね」

これも、その選択は彼らのものであるとしか言いようが無い。それと同じように、「東京を脱出してみたよ!」と貴重な証言となるのではないか。



森川ジョージ「会いにいくよ」も「はじめの一歩」の合間、合間にぽつりぽつりと描かれて、やっとひとつの作品にまとまった。

会いにいくよ (講談社コミックス)

会いにいくよ (講談社コミックス)

森川ジョージ22年ぶりとなった新連載は東北大震災リアルドキュメント! 東北大震災の被災地で絵本作家・のぶみが見た被災地の様子を森川ジョージが持てる力を尽くして漫画化! 赤松 健・久保ミツロウ・瀬尾 公治・にしもとひでお・福本伸行真島ヒロ山本航暉吉河美希雷句誠の有名作家9名も作画協力として参加!


2011年3月、絵本作家・のぶみは巨大地震が襲った東北の地へとボランティアに旅立つ。そこで出会ったのは体験したことの無い困難と、傷つきながらも力強く生きる被災地の人々だった! 絵本作家・のぶみの実体験を森川ジョージが渾身の力で漫画化! 東日本大震災リアル・ドキュメント!!

「震災への備え」を呼びかけるキャッチコピー

https://twitter.com/copy_writter/status/443004297861533699
コピーライッター コピーライター bot
‏@copy_writter
今日は2011年3月10日かもしれない。
http://20110310.nezihiko.com/ pic.twitter.com/3gcxLrbnOo

新聞コラム

天声人語
http://www.asahi.com/paper/column.html
田んぼは茶色く立ち枯れた雑草で覆われている。緑色のカバーをかぶるのは除染で出た汚染土だ。道や家々の至るところにバリケードが置かれ、進入を阻む。バスの中の放射線量も高くなっていく▼帰還困難区域を通って福島第一原発に向かいながら、阪神大震災のころを思い出した。国土開発の専門家に聞いた。突き詰めていえば、絶対に安全に住める土地など、おそらく日本列島のどこにもない。それがわれわれの宿命なのだ、と

余禄
https://mainichi.jp/opinion/yoroku/
「合格を待ちて逝きたる孫思い 泥にまみれし写真を洗う」。「ドキュメント 震災三十一文字」(NHK出版)にある宮城県石巻市の阿部敬子さんの歌である。阿部さんはあの3月11日午前、孫の花音(かのん)さんの中学校の卒業式に参列したという▲津波で行方不明になった花音さんの志望高校合格を知ったのは4日後、遺体安置所となった学校の掲示でだった。花音さんの遺体は2週間後に見つかる。何十年かぶりに詠んだ歌に託すしかなかった阿部さんの思いである▲それから3年。もしもあの津波さえなかったら……この間、肉親や友人を失った人々の脳裏には何度その思いが去来したことだろう。もしそうならば、花音さんはその高校の卒業式に臨んでいたはずの春である。被災地を流れた歳月は惨害に奪われた歳月とも重なる

産経抄
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140311/dst14031103090000-n1.htm
▼先日、「夢を生きる〜テイラー・アンダーソン物語〜」というドキュメンタリー映画を見る機会があった。米国の小学生時代から日本にあこがれていたテイラーさんは、6年前に来日を果たす。石巻市の小中学校で英語を教えていたところ、津波に遭って亡くなった。24歳だった。
 ▼「娘が望んでいることをやっているだけ」。「テイラー・アンダーソン記念基金」を設立して、石巻市の学校に本と本棚を贈る活動を始めた父親のアンディさんの言葉が心に残った。