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(会員のみ)2月22日のUFC170のセミファイナルでダニエル・コーミエと戦う予定であったラシャド・エバンスの負傷が明らかに……パット・カミンズという選手を突然代役に抜擢…
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…カミンズは(※レスリング選手時代)…北京五輪前の練習に参加した。その際に、カミンズは「コーミエを泣かした」という逸話がある。
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この話を気に入ったダナ・ホワイトは、正式にオファーを出す前に、カミンズ本人と話したがった。(※マネージャーの)パーソンズは、このチャンスを一刻も早くつかもうと、慌ててカミンズに連絡を取った。その頃カミンズは…コーヒー店に出勤し、タイムカードを押していた。パン焼きの作業が終わると、ドライブスルーのレジ係のシフトに回るのがおきまりだった。時給は8ドルだ。
ポケットで携帯が鳴りまくっているのはわかっていた。でもカミンズは、来店客の注文取りに精一杯だった。(略)これはカミンズの人生最大のチャンスのはずだ──そう信じたパーソンズは、クルマに乗り込みコーヒー店まで直接出向き、…(略)来店客とやりとりをしていたカミンズに、自分の携帯を差し出した。「試合だ。電話に出なさい」
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「『店長、お願いです。緊急事態なんです。数分でいいから時間をください』と僕は頼んでみた。でも店長は、『それならタイムカードを押してここから出て行け。これで終わりだ』と言った。『ええっ、クビってことですか?』」
そう、カミンズは解雇されたのだった。しかしいまはそんなことを言い争っている場合ではなかった。カミンズは電話に出た。
電話の相手は驚いたことに、ダナ・ホワイトだった。
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「キミは本当にコーミエを泣かせたのかね。もし本当なら、試合をオファーしよう」。「『正真正銘、本当の話です。テレビで証言してもいい。試合をください。コーミエをぶっ壊してやる。たったいまコーヒー店をクビになりました。お願いします』…(後略)
ライトヘビーという階級にもなると、闘える選手は限られてくる。代役探しも一苦労だっただろう。MMAも既にMMAという独自のスポーツにはなっているが、それでもバックグラウンドの格闘技実績が光り、実際にその技術を生かして勝つ選手はいる。では、そのバックグラウンドでその選手に匹敵する(或いは勝っている)選手…だが転向間もないので、MMAのキャリアはその選手より浅い、そんな相手をぶつけたら?
そんなコンセプトの試合、過去にもありましたね。
うまくハマッたのは、柔道の銅メダリスト、チョン・ブギョンのMMAデビュー戦を、青木真也にぶつけた試合だったか。
はずれたのは、いつぞやの大晦日、山本KID徳郁にハンガリー人のレスリング金メダリストをぶつけたりした試合だったな。イストバン・マヨロシュという名の。
ふたをあけてみたら、そのパターンであっさりとやられてしまうのかもしれないけど(準備期間から考えてもそうだろうね)、リアルロッキーを見せてくれるのかもしれない。まあ、こういうストーリーが出来ただけで、代役カードとしては大成功なのだろうけど。
また、こういう代役出場は「実力を発揮できないかもしれないから、複数契約を結ばせてくれ」という交渉が一般的らしい。
はたして全米級レスラーの元コーヒーショップ店員、その実力は。