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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「大山鳴動し、結局レスリング復活」。…柳澤健は”3月”時点でそれを予測していた

(タイトルを「泰山」→「大山」と変更しています。コメント欄参照)
数日ほど休みでしたが、復帰の話題はやはり五輪に。

レスリングが残り1枠に残留 20年東京五輪で実施 IOC総会選出
2013.9.9 00:40 [レスリング]
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130909/oth13090900440001-n1.htm
 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、ブエノスアイレスで総会を開き、2020年東京五輪の実施競技の残り1枠にレスリングを選んだ。IOC委員による投票で、統合した野球とソフトボール、スカッシュを抑えた。レスリングは2月のIOC理事会で除外の危機に陥ったが、組織改革などが評価され存続が決まった。24年五輪でも自動的に実施される。

組織改革が評価された、うんぬんというより「IOCっていいかげんやな」という気持ちもなくはない(笑)のだが、それはそれとして。、

「日本レスリングの物語」著者の柳澤健氏が、もうそのまま、この展開を3月には予測していたのである。
雑誌、というか書籍管理が全般におろそかで、資料を持っていてもすぐに提示できないわが道場本舗だが、たまたま、この部分を当時引用できていたので、皆さんにいま紹介できる。

Dropkick(ドロップキック) Vol.9 (晋遊舎ムック)

Dropkick(ドロップキック) Vol.9 (晋遊舎ムック)

☆これでレスリング五輪競技排除問題のすべてがわかる!
1976年のアントニオ猪木』『日本レスリングの物語』の著者が解き明かすレスリングとオリンピック まだらのルーツ
柳澤健 2万字インタビュー
「五輪のレスリング排除問題の本質は騎馬遊牧民と西ヨーロッパの3000年にも及ぶ対立にあるんです」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130330/p1

柳澤 私はね、じつは今回の件に関して楽観的なんです。
――レスリングはオリンピック競技として存続する、と。
柳澤 もしレスリングがオリンピックから本当になくなったらどうなるか。レスリングが強い、レスリング文化を持っている国々、たとえばアメリカやロシア、イラン、トルコ、インドで、オリンピック・ムーブメントへの忠誠心とか信頼が失われることは間違いないですよ。
――「オリンピックってそんなもんか」と。西ヨーロッパ主導とはいえ、アメリカやロシアが冷めちゃったら大ごとですよね。
柳澤 世界中の人間が、スポーツで競いつつ友情を育むというオリンピックの理念そのものに対して疑念が生まれちゃう。単にオリンピックだけの問題じゃなくて、世界を動かしてきた近代ヨーロッパへの疑念にまでつながる可能性もあります
――「人間の理性が世の中を支配する」として時間や距離まで決めた近代の枠組みそのものが揺らぐかもしれない……。
柳澤 言い方を換えると、グローバル・スタンダードに対する疑念です。大げさと思うかもしれないけど、今日、話した歴史的背景からすると、それぐらい大きなことなんですよ。というわけで、私は「IOCにどんな危険を冒す度胸はないだろう」と見ています。
――レスリングがオリンピック競技じゃなくなったら、自分たちが作ってきた世界が揺らぎかねないんですもんね。
柳澤 オリンピックの理念は、要するにファンタジーです。強固な真理ではまるでない。それが崩れるきっかけを、自分たちからわざわざ作るようなことはしないだろうと思いますね。
――となると、いったん中核競技から外れたのが、そもそも変な話かもしれないですね。
柳澤 たぶんIOCの理事のうち何人かは「こんなことになるとは」って驚いたと思います。「サマランチJrに頼まれたからなぁ」みたいな気持ちで投票したら、レスリングが外れてしまったんじゃないですか。
――IOCの理事って15人しかいないから、一票が重いですしね。つまり「レスリングを落としたい」という気持ちはなかった?
柳澤 結果そうなった、という話でしょう。IOCが目先のお金を追うにしても、ファンタジーまでは失いたくないはずですから。
――ファンタジーを失ったら、結局お金にもならないでしょうし。でも複雑ですね。レスリング文化が強固だから除外に反対する国もあるけど、日本は脆弱だから大騒ぎになるっていう。

うわー、ところどころ(略)してたやんけ。今こそ、この(略)部分を復活させて詳しくお知らせしたいのだが、雑誌が見つかればね。
(当初は削除線部のような状態だったのですが、現在は該当部をほぼUPできました)


しかし、3月時点で「レスリングは競技種目に復活するだろう」という見立てをしていた人は、おそらく少数派に属するし、著名人でその見解を活字にしていた人はどれだけいたか……いくらレスリングを深く調べ、通史のノンフィクションを一冊書いたからといっても。 分析と思索による「慧眼」とはここまで先を見通せる、のである。


このインタビュー記事の冒頭部分が、ネットで紹介されている。

http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar161838


1976年のアントニオ猪木』の著者として知られ、近著の『日本レスリングの物語』では日本レスリングの歴史を描ききった柳澤健氏が、世界的騒動となっているレスリングの五輪排除問題を徹底的に語る!そこには紀元前にさかのぼる騎馬遊牧民と西ヨーロッパの因縁があったのだった……濃厚2万字インタビュー!!(聞き手/橋本宗洋

――レスリングがオリンピックの中核競技から除外されるというニュースで、世間的にも大騒ぎになっています。レスリング関係者、経験者は当然なんですが、一般のスポーツニュース、ワイドショー、ラジオのニュース番組あたりでもかなり大きく取り上げられてますね。
柳澤 でも、基本的に日本人はレスリングに関心がないと思いますよ。関心を持つのは4年に一回だけで。
――まあオリンピックのときだけですよね。
柳澤 そのオリンピックだって、どれだけの人がしっかり見てるかというと疑問でしょう。
――あ、そうか。トーナメント全体を見るというより、日本人のメダル争いしか気にしてないっていう・・・(後略)


そしてこの慧眼を生んだのは、この本の取材の成果。

日本レスリングの物語

日本レスリングの物語

■日本レスリング陣出陣!…の前に読んでおこう、「日本レスリングの物語」(柳澤健)〜前編
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120805/p1

■五輪にあわせた必読書「日本レスリングの物語」(柳澤健)〜後編は断片風に
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120806/p1

その柳澤氏と、10月に会って話してみたいという人はいませんか?

実はそういう機会がありそうなのです。(私が主催するとかじゃないですよ)
10月中旬の平日、東京なのですけど、興味があるかたはここのコメント欄か、twitterでリプライをください(相互フォロー済みの人はDMでもOK。)