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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「進撃の巨人」人気、社会現象化をあらためて思う【創作系譜論】

【創作系譜論】

まあとにかく人気ですわな

2011年(発売は2010年12月)の「このマンガがすごい!」1位だったのだから、既にタイトル保持者みたいなもんだが、

このマンガがすごい! 2011

このマンガがすごい! 2011

逆にいえばそんな賞をもらおうと、作者がMMAファンでいろいろ参考にしていることが格闘技業界で話題になろうと(笑)「テレビアニメ化」するというのはそれを上回る起爆剤になり得るのだろう。
もちろんテレビアニメになれば何でも爆発するもんじゃないわけで…スケールの大きいSFアクションは、日本で実写化はできないし、やはりアニメという技法が一番ぴったりはまったのかもしれない。
10巻で1200万部。1巻にバラすと120万部か。「よつばと!」も巻あたり100万部・・・はいってないな。12巻で1000万部、これも相当とはいえ、それを上回っている。今、巻あたり100万部のペースで売れているコミック、ほかにあるかな。
まあ、仮にあるにしても、以下の記録は諫山創を空前とし、今もって絶後となす(なぜか梶原一騎調)
http://alfalfalfa.com/archives/6600491.html

てか、5位でみごとに「完全試合」を阻止したこの作品が気になる・・・一部では有名なのだろうか?おいらはしらないなあ。
しかし、そんな人気だといってもブログの表題のように
http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/7882943.html
いまが「人生のピーク」とかいっちゃいけねえよ。
まだ20代の若造やないか。
というか、まさに「まだはじまってもいねえ」はずなのだ。
まあ、この一作を描き終えたらハワイに家を買ってサーフィン三昧・・・をできるかもしれないのだが。



しりあがり寿朝日新聞連載でネタにしたり。


ことし6月17日のネタだったかな。
このあと、おじさんたちが壁を乗り越えるマネをして、住民から不審がられるというオチだったはず(笑)。
たしかに「進撃の巨人ごっこ」はしやすい。

韓国でも人気だったり、批判を浴びたり云々

もともとジャンル的にかなり「国を選ばない」作品であるとは見て取れて、海外進出はたやすかろうと思っていたけど、案の定、海外に輸出しやすいアニメにもなって、海外人気も上々。(残酷描写が一部ネックでもあるそうだが…)
小見出しにとった「韓国でも人気」というのは昨日だかおとといの産経新聞で、名物韓国特派員の黒田勝弘氏がコラムで書いていたんだよ。
韓国といえば受験競争の厳しさでも知られているが「迷いがあっても、最終目標が果てしなくても、とにかく戦い続けるしかない!」的なメッセージを韓国のティーンエイジャーは受け止めている、とか。
(検索してみたが、残念ながらネットでは記事みつからず)

かわりに「進撃の巨人 韓国 人気」で検索してみた。

 http://blogos.com/article/64190/

・・・韓国では最近、Twitterや新聞の見出しに「進撃の○○」という表現が頻繁に登場する。これは何を意味する流行語なのだろうかと思い調べてみたら、日本のアニメ「進撃の巨人」から影響を受けたものだった。

こんな逆輸入で作品を知る人もいると(笑)。
そしてめずらしく「漫画論」も生み出している、という

日本でヒットしたアニメは韓国でも必ずヒットする。しかし日本のアニメを巡って、韓国の評論家らがここまで色々な意見を言い合って盛り上がるのを筆者は初めて見た。それはやはり「進撃の巨人」がとても面白い作品だからに違いない。


ところが、やはり簡単には終わらないようで・・・

■「進撃の巨人」に韓国ネチズンが難クセ 「日本の軍国主義礼賛」「極右政治家がオーバーラップ」
http://www.j-cast.com/2013/06/06176731.html
【韓国】「進撃の巨人」は日本右翼漫画? 「オタクを辞める」宣言のファンもwwww
http://blog.livedoor.jp/nico3q3q/archives/67895041.html

ま、ネット上の「書き込み」なら、どんな極端な論も無くせないと思うのだが、一応韓国メディアの記事にもなっているようだからね。(もっとも「ネットメディア」はどの国でもすぐ作れる。どれだけ一般的な見方を共有しているのか、規模はどうかは分からないが・・・)
ということで、
韓国では「秋山好古をモデルにするのは軍国主義」「『ミカサ」(三笠)が登場人物の名前なのは軍国主義」という論難も一部にはあるようだ。
中国にも飛び火している、という。

http://blog.livedoor.jp/kashikou/archives/51950061.html
進撃の巨人
に対する批判についてですが、中国では最近ちょっと大事というか大火事になりかけているようです。

前の記事にいただいたコメントの方でも触れている方がいらっしゃいますが、
進撃の巨人の「ドット・ピクシス」のモデルが秋山好古だということ、
作者が秋山好古に対するリスペクトを公言している
というのが問題になっています。

このへんはなあ。
水道橋博士橋下徹じゃないが
「わかりあえないことをわかる」しかない気がするよ。

「変形のゾンビもの」と見ることは可能だろうか?

というのは例の相原コージ「Z」の感想記事にも書いたのだけど
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130522/p4

「人間のほうが超自然的怪物に押されて追い詰められている。ただ、うんと頑張れば相手をやっつけることが出来る。それでも情勢は人間側に不利で、6:4か7:3ぐらいで相手に分がある。じわじわと追い詰められつつ、人間は反撃の機会をうかがう」

という部分が似てる気がするなあ、とオモタ・・・たんなる思いつきだけどね。


ウルトラマン戦隊シリーズだって、日常の平和は守られていて、人間社会に危機感は無い(そうしないと、日常のシーンをふつうの場所で撮影できないから、だと思うけど・・)。ゴジラは人間、なかなか倒せない。

自分が親しんだSF系のエンターテイメント、とくに架空の超自然的怪物たちとの戦いを描くもので、こういう設定のものはやっぱり少なかったような気がする。「トリフィドの日」ぐらいかな?

トリフィドの日~人類SOS!~ [DVD]

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ああ、エヴァンゲリオンはちょっと似ているか・・・
ご存知の通りヒロインがミカサ(三笠)なのは軍国主義というより「ヒロインに軍艦の名前をつけるのは日本の文化で、それを継承した」と作者本人が申しています。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110901/p3
いや「文化」って某作品1作のみだろ。

【補足】その後、2000以上リツイートされたこんなツイートを見つけた。

https://twitter.com/ubukata_summit
冲方サミット ‏@ubukata_summit 7月30日(2013)
攻殻』でご一緒したWITのWさんがアメリカエキスポで、「なぜ『進撃の巨人』を面白いと思ってくれるのか?」とアメリカの観客に訊いたところ、驚きの返答を得たとか。その返答とは?答えは明日!うーん、わからん!

冲方サミット ‏@ubukata_summit 7月31日
…というわけで「アメリカ人が進撃の巨人を面白いと思う意外な理由」を聞きました。答えは、「ゾンビだから」だとか。「スーパーマーケットに立てこもってゾンビと戦う話は大好き」だそうです。その見方はなかったけど確かに構造は同じだ。

ジャンプ編集部で諌山創氏の持込を断った編集者は、いま・・・(【敗将列伝】)

この作品の生まれるまで・・・『「進撃の巨人」創作秘話』に関しては皆さんご存知の面白い話がある。
http://blog.livedoor.jp/isayamahazime/archives/1922630.html

たぶんジャンプに持ち込んだ人は解かると思いますが、対応してもらう編集さんは おそらく 本名を名乗らず一見様には「服部」と名乗っていると思います、一人はロン毛の服部さんでした、もう一人は国籍は解からないですが超絶イケメンの白人の服部さんでした、他に持ち込みした人も服部さんで容姿が一致しなかったりです、ちなみに二回ともボロクソでした...しかし適切な指摘ですごく勉強になったし、見返したいって気持ちになりました、

でも子供のころから読んでるジャンプに固執せずマガジンを目指したのは、その二回の持込みで僕の力不足以外の欠点に「漫画」じゃなくて「ジャンプ」を持って来いって言われたことです、当然かもしれませんが編集さんは「少年ジャンプ」と言うジャンルを求めていたからです、僕はこう思いました「何かに合わせて漫画を描くってのは、僕が思う漫画を描く意味ってのが損なわれてしまう!漫画家は自分にとって特別な職業なんだ」と・・・
(略)
……まさしくジャンプを代表する尾田栄一郎先生の受け売りです「僕は相変わらず働きもせず漫画ばっかり描いてます」って...このコメントに感銘を受けたからです

この場面だけでも、吉本浩二先生に漫画化してほしいと思ったのであります。
そして講談社でこの作品が形となり・・

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130604/ent13060408010004-n1.htm
「人が心や体を鍛え、新しい技術を開発して挑んでも、なすすべもなく巨人に食われてしまう。その絶望的な状況の描写が、かえって新鮮だったのでは」と分析するのは、講談社の担当編集者、川窪慎太郎さん(30)。

 作者の諫山氏は26歳で、これがデビュー作。「打った瞬間は『レフトフライかな?』と思ったが、実際は場外ホームランだった」と川窪さん。「ストーリーと原稿の絵に力があり、100万部は自力で売れるとは思っていた。でもまさか、こんなに数字が伸びるとは…」

編集者もなんとまだ30歳か。まさにアンファンテリブル、ヤングガンのコンビが歴史を変えた。
ただ、講談社も最初から、この作品には期待してプッシュしてたよね?


まあ、こういう漫画家と編集者のすれ違いはいくつもいくつもあるのだろうし、「バクマン。」でも描かれたように所詮は相性や運に帰結する、だけかもしれない。
だがね・・・それはそれとして、結果として諌山創氏の持ち込んだ「進撃の巨人」の原型にジャンプがバイバイとやり、それがマガジンに行って・・・結果的に1200万部、アニメが世界的ヒット・・・となったとき、その編集者の立場はキッツイだろなあ・・・と。
同様の例としては、ジョージ・ルーカスの「スターウォーズ」もあちこちで企画を断られ、21世紀フォックスがはじめて拾ってくれた、とか。

いや、「運と相性」ということはさすがに編集部が一番分かっていて、とくにお咎めないのかな?まあ、なぞの、諌山創氏にNGを出した「服部」編集者については、ちょっと気になるひとだ。
「琴となり 下駄となるのも 桐の運」
林忠崇http://homepage3.nifty.com/ponpoko-y/kotonoha/k-20.htm


連載当初の反応を2ちゃんねるまとめサイトで見てみると

http://shingekikyojin.net/archives/26566819.html
いや、けっこうというかかなり評価が高い。まったくこの時点では無名の新人だったわけで、集合知はやはりいいものを見抜くようだ。


そういえばあのOPって数日前に発売されたよね…「厨二病行進曲」みたいなアレ。

あ、これこれ。

自由への進撃 (通常盤/CD Only)

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自由への進撃 (初回限定盤/CD+DVD)

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というか「新ミッフィーのテーマ」ね。
D
あらためてまた、歌詞のいかにもな感じに敬服した

・・・ 屍踏み越えて 進む 意思を 嗤う 豚よ 家畜の安寧 虚偽の繁栄 死せる 餓狼の 自由を! 囚われた屈辱は 迫撃(反撃)の拳だ 捉え切れぬその身体 獲物を屠る狩人・・・

以前、青年日本の歌昭和維新の歌)に
たとえたけど「嗚呼玉杯に花受けて」
もそうだな。
あれは「玉杯に花受けて」るのは一高生本人じゃない。玉杯に花を受けて飲んで騒いでいる「栄華の巷」を一高生が「低く見て」いるのだと。
要は「玉杯に花、治安の夢に耽りたる=家畜の安寧 虚偽の繁栄」みたいな等式が成り立つ(笑)。

まあ、この曲の二番の歌詞ってどんなんだろうね。
・・・と書いてふと検索したら、チャート1位でやんの!!

http://www.cdjournal.com/main/news/linked-horizon/52942
進撃の巨人』OP曲収録、Linked Horizon「自由への進撃」がチャート席巻

Linked Horizon 2013/07/11 15:30掲載
 TVアニメ『進撃の巨人』の前期オープニング・テーマ「紅蓮の弓矢」と、今週末から放送が開始となる後期のオープニング・テーマ「自由の翼」、以上2曲が収録されたLinked Horizonのニュー・シングル「自由への進撃」が配信スタート! iTunesでは「紅蓮の弓矢」が総合チャート1位に輝き、その他の配信チャートでも「紅蓮の弓矢」「自由の翼」が1位、2位を記録。同日発売のシングルCDもオリコンのデイリーチャートで2位と好発進!

4割がたはミッフィーの力かと(ちがう)。

あ、そだ。エンディングで聞きたいことがあったので別エントリへ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130712/p3

最後に「オールラウンダー廻遠藤浩輝・画の進撃の巨人キャラクター(+「女性キャラの腹筋は我が元祖」宣言)


漫画家がお遊びとリスペクトで他の人の漫画キャラクターを描いたら、オリジナルより画力が明らかに上な時に読者が感じるいたたまれなさに名前をつけたい。
そして追記(7月16日追加)
twitterより

https://twitter.com/hiroki_endo
(前略)・・・pixivにミカサの腹筋が溢れてるの観ると「負けねぇぜ」と思う。それ以外は全部諌山さんに負けてるが(笑)。(´Д` )
(略)
女子の腹筋ブームは私が先鞭を付けたと勝手に自画自賛してます(笑)

あまりにばかばかしい議論だが(笑)、さらにばかばかしいことにこれがtogetterにまとまっている。まとめた馬鹿は…おれか。

■「女性キャラクターの腹筋」について「オールラウンダー廻」作者・遠藤浩輝が語る
http://togetter.com/li/534311

追記 中国、香港でも大ブーム。しかし「日・韓・中・香」すべてで「これは『俺たちの状況』が描かれている!」と思わせるって…(笑)

詳しくはこちら

http://kinbricksnow.com/archives/51864510.html
自分のブクマ

中国、韓国、日本、香港・・・というすべての国で「この作品世界は”我々の状況”の暗喩だ」と思わせるという、不可能なことを可能にするのが作品の力、SFの力。

 
そのへんのことは、記事中でも書かれている

http://kinbricksnow.com/archives/51864510.html
第一の深読みは「日本の80後(1980年代生まれ)青年である作者の自画像」というもの。人類=閉じこもった青年、壁=自室、巨人=バブル経済の崩壊なんだとか。

第二の深読みは「日本軍国主義の台頭」。人類=日本の右翼勢力、壁=日米安保、巨人=中国、ロシア、北朝鮮、韓国など日本を取り囲むアジアの強国と読み解いている。

第三の深読みが「香港の現状」。人類=デモに繰り出す香港人、壁=香港の商業資本、巨人=中国政府、香港を訪れる中国人観光客。

つまり、進撃の巨人の世界というのは、「なにか強い脅威が存在するのに壁で 守られていて人々は一時の安寧を得ているが、いつ世界が崩壊するかわからない」という設定。たいがいの人に「これは私の話だ!」と刺さる筋書きだと言えるかもしれない