ついに当日。
http://www.bs-sptv.com/nikkansports/kobashi/
度重なるケガ、更には癌をも克服して何度もリングに復帰し“鉄人”と呼ばれた小橋建太が引退。そんな幾多の苦難を乗り越えた小橋のラストファイトを、5月11日(土)にBSスカパー!で独占生中継する。また、日テレG+では、試合当日ドキュメントも含めた引退試合完全版を5月26日(日)に放送。また、FIGHTING TVサムライを含めた3チャンネルで小橋建太関連番組も多数放送!プロレス史に残る引退試合、これまでの小橋建太の壮絶なる戦いの軌跡と、たっぷり堪能しよう。
放送日時:5月11日(土)17:00〜22:00
BSスカパー! (BS241) スカチャン5 (Ch585 / Ch185)
番組詳細:5月11日、日本武道館にて行われる小橋建太選手の引退記念試合、引退セレモニーを独占生中継でお伝えします。怪我にガン、幾多の苦難を乗り越え、奇跡の復活を遂げてきた“鉄人”。必ずやプロレス史に残るそのラストファイトは、BSスカパーだけで生中継。なお、当日ドキュメントも含めた6時間完全版を、26日に日テレG+で放送いたします。
小橋建太のことをいろいろと思い出してみる。
最初、抜擢されてジャイアント馬場のタッグパートナーになった。この期待の若手+馬場という組み合わせは結果的に小橋以外に三沢光晴、田上明を育てたのだから(高木功は置いとけ(笑))、正しい教育方法だったのだろうけど、正直進化を遂げつつあった全日本のメイン系の試合に当時の馬場が入るとやはり違和感は隠せず、その時は「いい若手だけど、ちょっと過保護な気がするなー」と思ったものだった。
しかし、同タイプともいっていい、新世代全日のプロレスができる菊地毅とタッグを組んだらぐっと面白くなり・・・マレンコ兄弟、カンナム・エキスプレスという奇跡的なぐらいに手の合う相手ともめぐりあって、ここからは一点の曇りなく未来を担う逸材と感じさせられた。
生で観戦した、カンナムからアジアタッグを奪った試合は今でも自分の中では屈指のベストバウトだ。
その後はいうまでもない。
あの激闘である。
ナインティーズ・オールジャパンプロレス、といえば、どんなプロレス関係者、視聴者の・・・誰でもひとつの敬意を抱かざるを得ないものだ。歴史は進化していくかもしれないけど、いまだに思想や芸術が数千年前の「諸子百家」「ギリシャ・ローマ」「ルネサンス」を越えることが無いように、その時代から20年近くがたった今も”プロレスは90年代の全日本が最高だと思う”という感想を持つものは、自分も含めて確実にいるはずだ。
もちろん、その後、三沢がああいう最期をむかえた。小橋も癌は別にして、あの激しいプロレスがゆえにこの年齢での引退になったことは言うまでも無い。今のプロレスは、その反省も踏まえた上でのものになっている。
しかし、それでも・・以前の三沢追悼文にも書いたけど
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090705/p2
そして・・・これを、この場で認めるのはどうか迷うこともあるが、思い切っていう。
三沢とその敵が使った過激なムーブは、すごくて、面白かった。そういう「過激」ぶりを、私は好み、肯定する。そういうプロレスをテレビや会場で見られてよかったし、見たいと思う。
文字や議論としては
「大技に頼らないプロレスを」とか「基本的なムーブで沸かせてこそ一流」とか「ストーリーとサイコロジーを練りこめば鍛えてない芸能人だって名勝負ができるんだ」というのもいくらでも書ける。
しかし、三沢が花道からエプロンに小橋を落とすスープレックスの映像の迫力の前には、そんな言葉は、少なくとも私の言葉は太刀打ちできなかった。
こういう思いが、正直な心情なんだ。
これは三沢が亡くなった次の日に書いた文章で引用した写真だ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090614/p1
週プロはかつても今も、表紙のキャッチコピーにはひねりにひねって、読者を煽り立てるような珠玉のキャッチコピーがあった。
しかし1997年10月21日。三沢光晴vs小橋建太がメインの全日本プロレス・日本武道館大会の別冊週刊プロレスの、キャッチコピーはこれであった。
ことし2月に出た週プロの、小橋引退特集から
・・・復興支援のためにどうしても飛びたいと思ってた。プロレスが(直接)復興支援になることはないけど、オレたちのがんばってる姿を励みにしてる人もいる。道場で安全マットを敷いてムーンサルトの練習してみたんだけど、結論は思い切って飛ぶしかないってことしかなかった。だから試合前に痛み止めの注射を打って、形なんてどうだっていい、飛べたらいいと思って飛んだよ。
秋山準談
「パフェが好きだよね。昔の話だけど、自分ひとりでパフェを食べるのが恥ずかしいからって3人連れて行って『お前らも食え!』って。オレが『いや、小橋さん、みんなで食べた方が余計に恥ずかしいんじゃないですか?』って言っても『いいから、オマエらも頼め!』って。それで、頼んだよ。でっかいチョコレートパフェをでっかい男たちが4人で食べてた(笑)。あの人は天然だからね、面白い話はキリがないよ。」