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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

内田樹氏は「日本未来の党」の失敗を予測(…論理上そうなる?)&政党・自治体首長兼任問題について(佐藤圭氏)

ついでだから、上のとの関連ネタを。

内田樹氏は、「日本未来の党」が抱える問題点についてこう語っている(※ちょっと仕掛けがあるのだが後述)。
未来の党」から当選した議員たちはその後・・・

内田樹ブログより】
(略)・・・与野党政治家や官僚がすりより、メディアが群がり、財界人が「どうです飯でも」と誘いに来る。
そういう立場になっても、政策の適否のいちいちについて、国会審議内容のいちいちについて、滋賀県知事に連絡・相談・報告を怠らず、逐一滋賀県知事の指示を待つということはできない。
物理的にできないし、心理的にもできない。
必ずや「なぜ国政に参与しているわれわれが一介の地方自治体の首長に箸の上げ下ろしまで指図受けなくちゃいけなんだ」とぶつぶつ言うやつが出てくる。
必ず出てくる
国政に参加して、半年もすれば、連立与党のボスたちと大物気分で懇談などしているうちに、知事に内緒であれこれの密約をなして、事後報告で「いや、知事にご相談せず、申し訳ありませんでした。知事もお忙しそうなので、ついこちらで勝手に・・・」で済ませてしまう議員たちも出てくるであろう。
いや、連立与党の連中は必ず言いますよ。
「あなた、もう立派な代議士なんだから、これくらいのことは知事に相談せず、自己裁量でお決めになってよろしいんじゃないですか。それができなきゃ、ただのロボットじゃないですか・・・それとも知事の逆鱗に触れるのがご心配で?ほうほう。それならどうです、いっそ『うち』に来ちゃ。次の選挙では必ず公認しますよ」とか。

http://blog.tatsuru.com/2012/08/12_1132.php

さて、最初に書いた「仕掛け」とは・・・これはリンクにとびゃー一発で分かるんだけど、原文は「大阪市長」「市長」である。それを「滋賀県知事」「知事」にしただけ(笑)。

この文章を覚えていたのは、9月時点でわたくしがスルドク石原慎太郎辞任・猪瀬直樹出馬を見抜いた(※あてずっぽうだろ)エントリーを書いたとき、「ほう、おもしろい視点だ」と引用していたからだ。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120902/p5


で、上のような改変戯文とそれに沿った表題をつけたのは、この内田氏のブログでは一人橋下徹大阪市長の話ではなく「地方自治体の長が党首になり、国会議員をコントロールするという組織のムリさ」という普遍的な論理を書いているからだ。…そうだよね?
というか、橋下氏は見事にこの内田氏の指摘に一本とられ、こういう批判を気にしたために代表を石原慎太郎翁に譲った(譲らざるを得なかった・・・)という部分もあるような気がする。
で、今のところ橋下氏が「維新の会」No.1ではなくなった現在、上の論理を「日本未来の党」と嘉田由紀子滋賀県知事に当てはめてもいいかなー、と(笑)。てなわけで勝手に改変パロディを披露した次第。
 
この結果

A:内田樹氏が「その通り、この議論は未来の党にも当てはまります。同党の国会議員は知事に内緒であれこれとやって大混乱しますよ」と、未来の党の組織のあり方を批判(失敗を予測)する
B:内田氏が「未来の党」にはダブルスタンダードを見せ、『最初の議論は、「橋下徹憎し」がはじめにありきの議論だったのかよ』と評価される
C:「いや、未来の党と当時の維新の会にはこれこれこういう差があるので、後者の議論は前者には当てはまらないのです」と説得力のある説明が今後ある

どれでも構わないっつーか、どれであっても個人的には実に面白いので、ちょっと書いてみた。


「多忙な自治体の長と、党首(党幹部)の兼任はそもそもムリ。サボるな!」論について。 橋下・嘉田への批判に差はあるか?(&石原)

上の記事にも出てくる、佐藤圭氏のツイートをまとめた
https://twitter.com/tokyo_satokei

佐藤 圭 ‏@tokyo_satokei
12月8日付の東京新聞特報面に嘉田、橋下両氏の党首・首長兼務問題について書きました。両氏は、選挙活動中の給与差し止めを求める住民監査請求を起こされている。見出しは「選挙の顔で全国遊説の2首長 公務そっちのけ? 地元で監査請求 給与差し止めを」。
  
大阪市の市民団体が監査請求したのは3日。4日付の東京新聞では、囲み記事で「公務専念せず選挙優先 橋下市長は給与返還を」と目立つ扱い。その直前、私も震災がれきの試験焼却問題で、橋下氏の「選挙遊説三昧」を批判的に取り上げていた。
 
滋賀県彦根市長が監査請求したのは6日。7日付の東京新聞はベタ記事で「嘉田氏の給与支払い停止を」と地味な扱い。橋下、嘉田両氏への評価はいろいろあろうが、少々不公平ではないか。「公務ほったらかしで遊説三昧」という点では同じ。そこで特報面で取り上げてみました。
 
滋賀県知事を辞めて国政に転じた武村正義・元新党さきがけ代表は「二足のわらじは物理的に無理。両方とも中途半端に終わる」と批判。一方、新藤宗幸氏は「『国政が上、地方が下』という伝統的な観念は打ち破るべきだ」と肯定的。(続
 
個人的には、相当工夫しないと難しいだろうな、と思います。大阪維新の会代表との二足のわらじを履いてきた橋下氏には、それなりの覚悟と準備があるでしょうが、公示直前に新党を結成した嘉田氏はちょっと頼りない。滋賀県民のためにも、しっかり戦略を練ってほしいものです。

ここで紹介されている記事だろうか。
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/571.html

★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK140 > 571.html  
 http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/571.html

「選挙の顔」で全国遊説の2首長 2012年12月8日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
 
選挙活動中の給与の差し止めを─。日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事と、日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長が、それぞれ地元で住民監査請求を突き付けられた。自治体首長と国政政党のリーダーを兼務する「二足のわらじ」に問題はないのか。(佐藤圭)
(後略)


佐藤氏の指摘で気づいた、と思われるのも悔しいので先取権を主張すると(笑)、小生は11月29日にすでに、こうつぶやきましたですよ。

この前まで某党に関し「自治体の長がそのまま、国会議員までいる政党の党首なんて物理的に務まる訳がない。兼任?無責任だし、ふざけてる」という系統の批判をしてた人、これからはその批判対象が二倍になって大変だな…。念のため質問……今は両方、…批判対象だよね?
posted at 22:24:29
http://twilog.org/gryphonjapan/date-121129/asc

批判的報道に差が出るんじゃないか、という予想は佐藤氏が肯定してくれたが、ネット上では「兼任はムリだ、批判は橋下氏に対しては甘く、嘉田氏に対しては必要以上に厳しい」という逆の主張も見つかる。


「わたしは知事時代、兼任とか関係なく、ふつーにさぼって登庁もしませんでしたが何か?」
「あ・・・、あんたは石原慎太郎!」
というオチを考えていたのだが、
そのことを金子勝氏もつぶやいている

金子勝 ‏@masaru_kaneko
嘉田滋賀県知事が「未来」代表として衆院選の政治活動をしている間に知事給与を支払うのは不当だとして、獅山彦根市長が県に給与の支払い停止を求める住民監査請求。石原都知事は都庁に行く日が少なかったのですが…。タイミングから嫌がらせっぽいかも。 http://goo.gl/HBWBW

https://jp.twitter.com/masaru_kaneko/status/276763461063680000

橋下徹大阪市長本人も、まさに今そのテーマで『組織マネジメントをしっかりやっていれば大丈夫だ』と反論している。直接そのへんは見ておいて。あとでまとめにもなるだろう。
橋下徹twitter
https://jp.twitter.com/t_ishin