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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

米の五輪柔道選手「ヘンゾ道場の柔術のお陰」、ヘンゾ「日本が柔術を学ばねば…米国が追い抜くだけだ」(ゴン格)

発売から10日以上経ってしまったが

GONG(ゴング)格闘技 2012年10月号

GONG(ゴング)格闘技 2012年10月号

のはなし。
この号には、元同雑誌編集者も
https://twitter.com/warakoichi

和良コウイチ ‏@warakoichi
日本のMMAファンは素晴らしい。柔道と違って日本人が最強であるべきとか離れて強い奴、凄い技には国籍関係無く惹かれる(相対的比較)。MMA中心の格闘技誌ゴン格が5位の米国代表をカラー4ページ載せるのも然り。偏りすぎだが(⌒-⌒; )

とアキレるマニアックな特集「柔の現在。」が組まれている。
うわさの「5位の米国代表」とは柔道男子81kgに出場した米国のトラヴィス・スティーブンスだ。なんだ5位か、というなかれ。今回大きな話題を呼んだ「謎の判定」に泣いたひとりでもあるのです。

http://www.youtube.com/user/olympic
で見られるような、観られないような・・・??
「Judo - Men - 81kg & - Women - 63kg Prel.」に映像があると思うのだが、2面で同時進行のときは片方の試合を落としているらしい・・・あ、あったあった。この映像の「1時間6分」から、トラヴィスvsオーレ・ビショフ(ドイツ)との試合が収録されている。自らの目で見て、判定してみるといいです。


あ、埋め込み禁止か。
http://www.youtube.com/watch?v=NUpoOBdHoUc

記事中に出てくる「グラップラーズ・クエスト」の試合をどうぞ。
相手はエメリヤーエンコ・アレキサンダーの練習パートナーで、ストライクフォースに出場しているアドラン・マゴドフという選手だそうな。


まあとにかく判定にも泣き、その精神的ショックで3位決定戦でも敗れるという残念な結果のトラヴィスだが、とにかく自分の寝技がBJJのトレーニングで向上したことを隠さない。

――ヘンゾ道場の練習はいかがでしたか。
「最高だよ。だから今もNYCまで車を運転しているんだ。正直この国にいて、柔道で僕がてこずるような練習相手を探すのは困難だ。でも柔術道場では違う。ヘンゾやダナハー(ジョン・ダナハー)は僕を容赦なく極めてくる。最高だよ。そのうえ知らない技を教われる。楽しくてしょうがない。(略)ロンドン五輪の二回戦、グルジア人を(※ギロチンで)極めることができた。あれはダナハーから教わり、ずっと練習してきたものなんだ。

この2回戦が、残念ながらyoutube映像には無いみたいなのだが・・・見つけられたら教えてください。

取材記者が尋ね、トラヴィス本人がいうには今度の五輪で、

・1回戦 オモプラッタから腕十字に移行するムーブ
・2回戦 上の記述にあるようにギロチンチョークで一本勝ち。その前にはアナコンダ・チョークもしくはゲイター・ロール(何それ?)を狙った。
・準々決勝 背負いで投げたあと、そのまま噛み付きパスガードを仕掛けた
・準決勝 シッティングガードから脇をさしてスイープを仕掛ける

などの柔術ムーブを見せたのだそうだ。

さて、そんな光景を見て天下の講道館、柔道発祥の地たるニッポンはどう動くか?
「ふん、たかが5位の選手に学ぶことはないわい。その階級だと、うちの中井貴裕も同じ5位だけどな!!」ぐらいいうかな(笑)。偏見です。

ウィキペディアの「中井貴裕」
ロンドンオリンピックでは、準々決勝でオーレ・ビショフに腕固めを食らい、参ったを宣告して敗北。敗者復活戦でレアンドロ・ギルヘイロと対戦し、優勢勝ちで3位決定戦へ。3位決定戦ではイワン・ニフォントフに合わせ技一本で敗れ、メダルを逃がし5位入賞。

なんとフジワラ・アームバーが五輪の場で極まったとな。そのビショフとトラヴィスは大接戦だった。
ラヴィス柔術の師匠で、いまではすっかりNYの名士になっているヘンゾ・グレイシーはかく言う。

ラヴィス柔術を非常に有効に使っていたね。アンビリーバブルなパフォーマンスだった。彼を心から誇りに思う。
(略)
うーん、多くの日本人柔道家は、他の国の柔道家たちと同じ問題を抱えていると思う。つまり寝技を強化しなければならない。・・・(略)米国の柔道界の中枢にいる人々の多くは柔術の有効性を評価しているんだ。私と友達になって、柔軟に新しい考えを取り入れようとする。これは米国柔道界の進化を示すものだよ・・次回の五輪ではもっとメダルを取るよ。間違いない・・・彼らはオープン・マインドを持っていて、勝つために変化を求めているからね。お偉方が変化を望まないブラジルや日本の柔道界とは大きく違うよ

「ブラジル」が出ているのは、皮肉にもBJJ発祥の地ブラジルは日本と同様に柔道と柔術に大きな壁がある、という話。新興の開拓地、米国だからこそ柔術と柔道の血はまじりあった、という。さて、このヘンゾ予言は成就するのか。成就するなら菊田早苗アレキサンダー大塚、坂田亘らを撃破した伝説の男、ヘンゾが、ふたたび日本の前に立ちはだかるということになるが・・・

このふたつのインタビュー、聞き手は・・・

あらためて引用しながら、「聞き手がうまいところを尋ねているよなあ、話を引き出してるよなあ」と思って、ふとインタビュアーの名前を確認したら・・・
両方とも
「堀内勇=文」
だったよ!!!伝説再び!!!一部の人にいま大反響!!
A.K.A.「ひねリン」!!
発売から10日ほども経って、はじめて気づいたのはおはずかしや。いいインタビューは聞き手が自然と溶け込んで消えてしまうからさあ。
このインタビューの聞き手の文章をもっと読みたい人は
http://hinerins.blogspot.jp/

http://www.kansenki.net/colum/c_writer.html
■ひねリン
の項目をどうぞ

フランスでは「BJJを柔道連盟の傘下にしよう」との動きがあるとか

松原隆一郎vs溝口紀子対談、68P

溝口 実はいまフランスではBJJがものすごい勢いで流行っていて、フランスのBJJ連盟を傘下におさめようという動きがあるんです。

ふむふむ。

リンク『「寝技師」が寝技で… 悔しさこらえる銀メダルの中矢』

http://sankei.jp.msn.com/london2012/news/120731/jdo12073107390015-n1.htm

満身創痍(そうい)の中矢力が、こみ上げる悔しさをこらえながら試合会場を去った。

 決勝開始1分30秒過ぎ、相手の腕ひしぎ十字固めで、古傷がある右肘を痛めつけられた。何とか逃れたが、3分30秒過ぎにはすくい投げで転がそうとしたところを内股で返され、肩をついてしまった。これで奪われた「有効」が勝負を決めた。

 「日本の代表として絶対金メダルを取らないとと思っていたけど、まだまだ甘いのが分かった」。悔しそうに言葉を絞り出した。

 「寝技師」の異名を持つ23歳。あまり良いイメージのない響きだが、当人は心地よく受け止める。「寝技の世界選手権があるなら、・・・(後略)」