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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「放射能汚染の土や瓦礫をばらまく。我らの目的は、原発事故の責任者処刑だ」…テロを想定した「パンドラの復活」(ビッグコミック)

連載第一回のときに紹介したかったが、時期を逸してしまった。それでももともと、はてなではビッグコミック系漫画の反応って少ないので紹介しておく


まあ、内容を紹介するもしないも連載1回と2回の、一部の「ためし読み」がネット上にあるけど・・・
http://big-3.jp/bigcomic/tameshiyomi/saisin/20120810/pandora/01.html

この「パンドラの復活」(原作/青山広美 作画/つかさつよし)の内容はたいへん衝撃的、挑発的だ。

大震災から一年が経過し、F県の原発事故の問題も収束していない日本。
その一周年を境に、twitter(作品では「グリッター」)でおどろくべき情報が流れる。


放射性物質を大量にふくんだ瓦礫が、土壌が、警戒区域を越えて観光名所や都内に組織的に放置された、というのだ。


そして、計測器はそれが事実であることを証明する。
前代未聞の「放射性物質テロ」・・・

そのテロ行為を行ったグループは「パンドラ」を名乗り代表者は映像で出演。そして、このテロによる要求を読み上げる。それは原発事故に責任のある政治家、電力会社幹部、言論人、学者・・・計13人を「重要犯罪人」として処刑せよ、というのだ。
警察は総力を挙げて、この捜査に当たるため、犯罪心理学の専門家や現場のたたき上げ刑事などのあつまった捜査機関を設置する。


だが、封鎖線を越えれば簡単に入る土や瓦礫、そこに含まれる見えない放射性物質・・・それを利用するテロをふせぐのは簡単ではない。そしてネット上などには「事故の責任者はたしかに処刑されるべきだ」「やつらのためにこっちまで死にたくない」という、犯人グループへの共感の声が出てくる・・・

この漫画を評するとき、純粋な漫画、ミステリーとして評すべきか、それとも現実を踏まえて評すべきかといえばおそらくは後者であることをまぬがれまい。
そういう点でいうと、非常にやばい内容であることは間違いない。なにしろこの事故の被害者はきわめて多数で、きわめて現在進行形だ。単に「この時期に不謹慎だ」という批判だって成立するだろうし・・・
それより大きいのは、誌上で紹介される手口が、ある意味では不可能に近いかもしれないけど、ある意味ではだれでも手軽にやれてしまうものであることだ。実際には汚染されていない瓦礫や土を「汚染されてるぞー」とうそをつくやり方なら、お気軽さは、さらに高まって簡単すぎるほど簡単だ。
つまり実際に「模倣犯」「類似の愉快犯」が出たりするリスクがかなり高いんじゃないか、というのが個人的な懸念だ。

だが、漫画のプロたる作者や編集部は、そのへんのことは十分理解し、考えた上でこの作品の発表に踏み切ったのだろう。その意気や覚悟は買いたい。



純粋な漫画としては・・・こういう長編ミステリー漫画は発端、問題の拡大の時には猛烈に面白いけど、結末を迎えたときにはアレ???ということになるというパターンがやまほどあるからなあ。「MONSTER」や「PLUTO」のことですよ旦那。

そうなる可能性をいまのうちに指摘しておきつつ、「この作品は問題作ですよ、注目すべきですよ」とは書いておきたい。
いま現在、「"パンドラの復活"」でグーグル検索すると、約 286,000 件。もっと話題になってもいい作品だと思います。

追記:このリストも合わせてご覧ください

東日本大震災を直接取り上げた漫画作品リスト(随時更新)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110810/p3

あとでここに加えないと。

さらに追記

だけど、あとで原作者の経歴をしらべたら「格闘太陽伝ガチ」という、とってもつまらない格闘技漫画の原作を書いていたことを知りまして、しょんぼり。
でも、男子三日アワザレバカツモクシテミヨ!! 今回の作品を傑作にして、ガチのリベンジだ!!!