古い話ですが、こんなことがありましたね。
http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/52195749.html
【国内総合】 藤田和之、 SRC を訴えていた(プロレス大貧民) < gryphon
しばらく前に発売された同誌から。プロレス 大貧民 (別冊宝島) (別冊宝島 1792 ノンフィクション)
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http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4796684433/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392格闘技クライシス PART1 ついに「冷温停止」に陥ったFEGの「巨額負債」と「経営責任」のゆくえ
格闘技クライシス PART2 「獅子身中の虫」にしゃぶりつくされた「戦極」SRC崩壊の悲劇このPART2によると・・・
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・昨年から今年にかけ、SRCと藤田はギャラに関連した訴訟で争っていた。・結果的には和解した。
・その陳述書の中で、当時のWVR代表向井氏が「國保氏の資金運用が不透明」と批判した。
・藤田は5試合2億円の契約を結び1試合4000万〜3000万円の予定だが途中で支払われなくなった。
WVR側の反論などもあります。
詳しくは同誌を。
この前、東京の法務省に行き、これについての資料を見てきました(笑)。正確には原告は「藤田事務所」です
あそこに行くのはこれで4、5度目ですが、いくたんびにどういう手続きをすればいいのか忘れる。それでも、なんとか見てまいりました。
本当は「プロレス大貧民」・・・と照らし合わせて、そこに無い情報だけ写せば良かったのだが、今「大貧民」がどこにあるのかわからない。(いつもこうだ。俺が蔵書整理をまじめにやると、もっとこのブログは効率的になるよ)
それではこの裁判を見ていこう。
(※ただし、膨大な記録を時間の限られた中、ノートに乱暴に要約・筆写するので正確性はその点で減じられてしまいます。あくまでも、だれでも閲覧可能なその記録原本に正確な記述があるという前提でどうぞ)
まず訴訟番号
22ワ 32353
です。この訴訟番号があれば、スムーズに同所で資料を探せます(詳しい注意は次のエントリで)から「このブログ記述の裏をとりたい」「要約ではなく、きちんとした原文にあたりたい」という人はどーぞ。ちなみに最初の「22」は平成22年の裁判ということ。
藤田和之の契約内容は?
有名選手と格闘技団体の契約内容なんて滅多にみられるもんじゃない。いやこれから、とある事情で「めったに見られる」ような気がしないでもないが(笑)。
このへんは「大貧民」でも紹介され、やっぱりみんな驚いていましたが、戦国の契約内容はやっぱりゴージャス、超メジャー級。
・H20年3月から2年間。5回出場しないときは5回出るまで自動延長。またチャンピオンになったときの自動延長契約もある。
・「契約金」が4000万円(消費税別)。
返還の義務は、団体側が試合の場を提供したにもかかわらず、5試合をこなさなかった時のみ。
・「出場料」が3000万円(消費税別)。大晦日は特別に4000万円。
・「イベント開催月の、翌日末日まで」にという支払い期限がある。そうだね期限は守らなきゃ(笑)
・「トレーニングサポート料」が出場料の10%
つまり300万円または400万円!!これも大きい。
そして実際に戦って・・・
藤田は
1;ピーター・グラハム、
2:トラビス・ビュー、
3:なんとかイワノフ(「ヒョードルにコマンドサンボで勝った男」)、
4:アリスター・オーフレイム
と4試合をこなしました。WVRは1〜3までは支払ったが、アリスター戦の4400万円(サポート料含む)は当初払わなかった。
なぜ払わないのか?それは「コミッション規定」にあった!
コミッションでは
「出場選手が試合で意識不明になるときは引退扱いとなるものとし、以降の戦極に出場できない」との規定があったというのだ。
そして戦極はなんと、藤田の(戦極)引退を予定し、発表しようともしていたという。
藤田側は驚愕・激怒。
「そもそも原告(藤田事務所)は上記の引退規定については提示されていない。H22年3月3日に初めて聞いた。引退公表の示唆、威嚇で優位に立とうという狙いではないか」
藤田側がさらに強く請求すると上記「4」のファイトマネーは。結局支払いがあった。
しかしその額は、3780万円!840万円が未払いとなった。
なんで支払いが減額されたか?契約金か前払いか?
なぜ840万円なんて半端な数字の減額があったか。WVRはこう主張する。
「4000万円の契約金で、5試合中4試合しかしてない。だから1試合分を引いた」(※なら800万円減額だと思うが、端数のゆらぎはよくわからん)
藤田側
「そもそもコミッション規定にしばられません」
「アリスター戦で失神・入院したのは事実だが、また出る気も戦意もある」
「これでもまだ支払いをしてくれないなら契約解除を求めます」
WVR側
「総額2億円の合意はありました。だが契約金という名目だが、これは『ファイトマネーの前渡し』です。そう当事者間でも合意しています」
「格闘技業界に、契約金という慣習はありません」
「契約金となっているのは、WVR上の経理的な処理としてそうしただけ」
大晦日のアリスター戦、藤田にやる気はなかったか?
こんなことまで争点だったんだ(笑)
WVR
「H21年の大晦日、健康面か精神面か、なんの問題かはしらんが、藤田は格闘意志が当時失われていた。しかし出場料のために参加したから、すぐTKO負けした」(※自分のメモ、この部分走り書きが多く、大意のみ。)
「それでコミッションは引退を勧めた。内容および後遺症を考慮して」
「入院した選手がまた戦極イベントに出た例は無い」(※読者諸氏よ、ここに注目されたい)
藤田側の反論
「格闘技界に契約金は無い、というのは事実に反する。交渉の時、藤田のマネージャー沢野慎太郎(という人だそうです)が交渉した」
「当時沢野はこう条件を提示した。『契約金は2年の時は8000万円。3年の場合は1億円。それ以上の場合は3000万円X年数…。試合数は2試合以上、1試合3000万円で大晦日は4000万円とも。・あと、vs吉田秀彦が組まれる場合は交渉で別途料金』などと主張、結果的に5試合2億円契約となった。そのときには”前渡し”という話も、『契約金は名目』との話もなかった」
・アリスター戦後の状況としては一時、意識が無しで、ICUに運ばれたのは事実だが、病院到着時には既に意識も戻り、検査も異常なく帰宅可能だった。だが既に深夜なので一泊しただけ。意識は失ったが「意識不明」の病状ではない。その後に5試合めの打ち合わせに沢野がいったら、引退勧告があった。
・コミッション規定はこちらには不告知。
・意識を失って入院した選手は再度出られない、っていうけど、郷野聡寛はKO負けした後出場してるじゃん!!(スポニチを資料に添付)
※ちょっと、この郷野聡寛の資料添付はついつい笑っちゃった(笑)
ちなみにWVRは、裁判所に資料としてDVDを提出
「藤田にそもそも闘争心が無く、債務履行の意志がなかった」ことの証明だそうで。裁判官に試合をみて無気力かどうか判断させるのか(笑)。ボブ・サップじゃないんだから(笑)
契約書の文面も見られました。おやと思ったことを抜粋
・プロレス出場はOK
・チャンピオンタイトルは延長
・契約終了後3か月は、他の団体のオファーをWVRに開示する義務がある。そしてWVRが「それと同一条件で契約したい」といったら藤田側はOKしないとだめ
・タイトルは返上しない
など。
戦極・向井氏の陳述「藤田はやる気無し!私には分かる!」
向井氏の陳述があった
・藤田の大晦日の試合は、不自然さをぬぐいきれない。
・1分間でTKO、外形上はノックアウトですが…藤田はほとんど攻撃を仕掛けてない!
・当初から、闘争意識を欠いていた!
・3週間後、「まだ視力がさだまらない、ものが二重に見える、もやもやする」とマネージャーはいっていた。
和解が成立
しかし、けっきょく、大震災の一週間後、H23年3月18日に和解が成立。まあ、ほぼ満額という感じで支払いは行われました。これならいちいち争うこともなかったんじゃ・・・
トリビアとしては
「藤田事務所」は千葉県にある(もっと詳しく住所は分かるが略します)。代表取締役は藤田夫人と思われるがこれも略。
・H23年3月18日、に和解が成立したのだが、この当時のワールド・ビクトリー・ロード(以下WVR)の取締役は平田一馬という人でした。
ほんの3年ほど前、総合格闘技で日本国内の格付が「超一流」の選手は1試合3000万円〜4000万円をもらえた。
もちろん藤田和之は体格的に希少なヘビー選手で、新日本プロレス出身でPRIDEでも活躍したという付加価値があるが・・・
信じられない人もいるだろうが、裁判記録にはっきりと現れた事実!!
コミッションは「隠れ蓑」にもなるんだね。
「いやー、うちはXXXしたいんだけどねー。コミッションが許さなくてねーー。」しかし井上幸彦氏が、藤田に引退勧告をしたのだろうか?