ごらんになった人はお分かりの通り、注目のライトヘビー級元王者対決はランペイジの勝利に終わったのだが、私はLYOTOの勝ちと見ていたので驚いた。ただ「3Rはリョートが大攻勢を見せて取ったが、お互いに明確な差が無かった1、2Rを、前に出続けていたランペイジが美差で取ったためにラウンドマストで勝利」と説明されればそれはそれで理屈は通っている、という性質のもの。実は戦った当人も判定は判定として本当に「勝った・負けた」という意識は程遠いので、今後はさまざまな展開もあるでしょう。
ランペイジ「リョートの試合は好きじゃない。だけどリスペクトしている」
http://sadironman.seesaa.net/article/170209602.html
「マチダより変わった闘い方をするヤツはマチダだけだ。俺は彼をパンチで倒そうとしたが、いつの間にか試合は終わっていた。俺はもう少し動けたはずだし、彼のスタイルはとてもリスペクトしている。彼の試合を見たいとは思わないが、リスペクトはしているよ」
おもしろい言い方だね。試合前は「見たいとは思わない」で盛り上げて試合後は「リスペクト」に比重を置いてたたえる。「ランペイジのコメントには知性、頭の良さがにじみ出ている」という話は何度もここではしているけど、やはりそうだな。
その一方で、今回試合終了直後に態度で「ああーあ、やられちゃsったよ。リョートさすがだな……え?俺の勝ちなの?マジ?意外だけどやったぜー!!…でもリョートに悪いなぁ…」といった感情の動きがあまりにストレートに出すぎていて、こういうあけっぴろげさがキャラクター性、タレント性も曲者ぞろいのUFCの中で飛びぬけている理由なんだろうな。
ランペイジがPRIDEを流した理由とは
ランペイジはPRIDE米国法人といろいろ軋轢あって、あまり友好的ではない形で分かれたと聞くがねぇ。
まあ日本で出世の糸口をつかんだのも確かなので、日本の国旗をタイツに縫い付けたミルコ・黒コップと同様の原点回帰なのだろう。
…だから『PRIDEのテーマ』で入場してPRIDEスピリットを取り戻そうとしていた。俺はあの頃の自分が甦ったように感じた。(手首を取られた時に)マチダのことを投げ飛ばそうと思ったのも、その気持ちがあったからだ
そう、PRIDEと違うのはスキルやファイティング・スタイルの部分でもある。PRIDE時代はスラム、パワーボムが代名詞だったが、最近はボクシングが進歩しすぎてそれだけで戦うため一抹の寂しさがあった。
今回リョートの腕十字を持ち上げて切り返したとき、リョートがこだわらなかったのは過去のランペイジのスラムの実績が頭にあったのかもしれない。
今後、そっちもやってくれればかっこいいのだが(効率性があるのかは不明)。