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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ジ・アウトサイダーやアマ修斗組技…そして俺の必殺技が実は危険すぎた件について(マジ)

あれ?なんか知らんが今日、ちょっとなぜか格闘技に関するメジャー系の話題が(俺の中で)途切れちゃった。世界のMMAビジネス状況とか、3日に予定されているチェ・ホンマン会見などあることはあるんだけど、まあ無理して書くことはないわな。
実はメジャー系の話題が無いなら無いで、地味な周辺の話題もたくさんある。というか書き残しというか。
そういうわけで、4月に発売されたGONKAKU6月号の話題を。

GONKAKU (ゴンカク) 2008年 06月号 [雑誌]

GONKAKU (ゴンカク) 2008年 06月号 [雑誌]

ここに『「THE OUTSIDER」とは何だったのか?」という座談会がある。
ああ、もう今月、第二弾が開催され、すでにチケットぴあは売り切れ状態だったか。今書くのもタイムリーではあるな。


この座談会については、一回紹介している。今読み直すとまた面白いので、ちょっとのぞいて見てください。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080510#p2
■第二弾決定の「THE OUTSIDER」が持つ意味とは。結構原点は単純だ(GONKAKU


それで、ここの記述の中で非常に衝撃的だった一節についてまだ書いていなかった。

−−−投げというのは怖いですよ。だって柔道だって頭を打って毎年死者が出ているんでうから。安保の大会でも十数年前、背負いで頭から突っ込んで半身不随になった人もいます。(略)普通の背負いだって、失敗して事故が起きるわけですから。
(略)


平直行 たしかに投げって危ないですね。きれいに投げられない状態が一番危ないんですよ。ウチでも技術が好きなやつがヘタなのに飛行機投げとかやっていると、やめさせますよ。下手だから首からいくよって。上手いヤツしかやるなって言います。首投げもやらせないですよ。
(略)
頚椎をやると首から下は全部だめになりますからね。「投げってこういうこともあるから、ここは鍛えておかないとだめだよ」というのは教えてあげるべきでしょうね。


言われてみれば全部正論なのですけど、なぜ衝撃を受けたかというと、私がひそかに開発した技の中にですね、
「伏龍(ふくりゅう)」という秘伝がある。
あ、違った。「朧月(おぼろづき)」だったかな?
あれ、「土蜘蛛」だったっけ?「ブラックファイヤー・デスマーチ」だったっけ・・・違うなあれは腕を極める関節技だ。だれか覚えてる?


ああ、思い出した、「飛燕」というワザがあったのよ。まあ名称はどうでもいいか。そもそも俺が勝手につけた名前だし(笑)。

ただ実際、この「飛燕」はおいらの数少ない公式戦勝ち星をもたらした、実戦テスト済みの技だ。
よし、ここで特別に、図解で公開しよう。
みなさん幸運よ、はてなダイアリー広しといえど、「秘伝」が公開されているブログなんてなかなか無いはず。ブックマーク200はいくね。


■ ■ ■


・・・すいません、ここで「伝説は虚構だった」と言っておきたい(堀辺正史調)。ネタバレすると私も、サンボから学んだ技に勝手に命名して秘伝呼ばわりを(笑)
この技はつまり、一本背負い・背負いを(わざと)ヘタクソにかけて、相手が平気でこらえて「なんだこいつ余裕じゃん」と油断したところで「肩車」(飛行機投げ)に切り替えて投げるという技ですね。経験者も未経験者もなんとなく感覚的に分かるでしょう。
僕はこれ、サンボマスター・ビクトル古賀氏の本から学んだ技でした。

これがサンボだ!

これがサンボだ!

なぜ僕がこの技をできたかというと、比較的ーーあくまで比較的ですけど、背負い系の技も肩車=飛行機投げも、極めていけば奥深すぎる技術でしょうけど、一応形として成立させ、まがいもの的にやるのが、例えば巴投げとかに比べてたやすいからです。
真面目な解説サイトはこれ。
http://www.nagewaza.com/nage/kataguruma.html


ところが日本総合の草分けたる平氏から見れば、これはジム会員でも上級者にしかやらせない危険技だったと。
平氏が同じく危険技と認定したレスリングの「首投げ」も、比較的形だけは簡単にできるので、やっぱり柔道の中で出していた経験があるなあ。幸い、そんなに練習回数や期間も自慢できるレベルではまったく無く、母集団が少ないこともあり大怪我はしないし、させなかったのですが、ドライブを終えた後「この車、ブレーキに欠陥があったんですよ」と言われるような寒気を覚えました。



柔道の安全性についてはかなりの練り上げられたものがあると思っているし、おじさんが気軽に日曜日に楽しめるようなもので有り得ると思ってはいるけど、確かにそういう点では非常にポピュラーな「背負い投げ」ひとつとっても半身不随や死亡の危険はついて回る。
ホンマにそのへんは気ぃつけないとあかんね。
あと、この座談会では受け身の重要性も言っていて、これはまあそれなりに学んだ経験もあるが、「首を鍛えなきゃ駄目」というのもあり、こちらは自信ないですな。格闘技とは別に、ジムワークをしている友人に聞いても「首を鍛えるメニューはやってないなあ」という。

このへんはたしかに重要ですね。
そういうのがないと「日曜日柔道」もやっぱりよろしくなさそうだ。


それに首を鍛えておかないと、両手両足すべてを極めてしまう必殺のつり天井固めに対して、首を振り子状にスイングさせて脱出させることもままならないのです(笑)ウソだと思うなら、ミル・マスカラスエル・サントの試合について調べてみたまえ(ソース::梶原一騎

柔道に”殺し”あり!

あと、今までの話は、すべてスポーツ視点の話なわけですけど、考えるだにブルブルガクガクの話もある。
つまりはこんなに危険だということはすなわち、路上だか護身術として、相手に対して情け容赦はもうイラねえ!という、まさにジ・アウトサイダーな展開になったら、こういうふうに落とす、体重をかけることによって本当に一撃必殺の技になる。
「フフフ・・・今の私は全身これ人間凶器・・・・」
であるってことですよ。やはり森恒二先生の経験談は正しかったと。


同じように「頭から落とそうと思えば落とせるんだぜ。ぎりぎりの時はそれをやるよ?」という文脈は、あの健全明朗サンデー系柔道漫画河合克敏帯をギュッとね!」にすら登場していました。逆にいうと、この凄みに惹かれて柔道をやるやつもいるかもしれない。
またリングやUFCのマットではどうかって話もある(あと、ギなしってこともある)けど、吉田秀彦中村和裕らも、実はこういうのをひそかに封印しているのかもしれない。まあちょっとそれは考えにくいのだが。
この号のGONKAKUには若林太郎インタビューがあり(聞き手は座談会司会と同じく藁谷浩一氏)、これに関係した新ルールについて書いている。
http://blog.livedoor.jp/shooto_news/archives/51243760.html

・前屈した姿勢で、頭が先にマットに着くような動作で技を掛ける行為。>減点3
 [解説]仕掛けた方が頭からつっこむような技、例えば不完全な内股やビクトル投げなどは
     極めて危険であるため、仕掛けた選手に減点が課せられる。
     ただしきちんと仕掛けて、頭からマットに突っ込むことのないようない
     正統な内股やビクトル投げは、もちろん許される。
     不完全な技から起こる事故を防ぐために設定された反則である。


逆に言うとアマ修斗以外、これを「技」として出すことを禁止している総合格闘技は無い。怖いとは確かにいえるが、プロレベルだと防ぐこともできるのだろうか。

そういえば「首から落とす投げ技」の怖さを別の形で証明したのは、スタン・ハンセンだったな。「首折り魔」と言われ、ブルーノ・サンマルチノの引退を早めたのはラリアットではなく、ボディスラム(デッドリードライブ)のすっぽ抜けであったことはマニア周知の事実だし、ハンセンはそのトラウマからスラムの時はタイツまでがっちり握って落とさないようにしていた。
(しかし、ハンセンの得意技が首攻撃のラリアットだったのはプロレス的には”幸運”だったね。不幸なアクシンデントも飯と幻想のタネにする、これがある意味ショービズの凄みだ)。


「一番効くのは 下手な技ですと うっかり答えてしまい 頭をかく我である」
夢枕獏「仰天・プロレス和歌集」より)

しかしそうすると学校での武道必修化が心配

選択性の今でも、教師はおざなりの名目的な段位をとってるだけで、あんまり柔道を具体的には知らないって学校も存在している。
だから必修化って実は柔道剣道をやってた大学生の就職口の激増にもつながりそうで歓迎できるんだけれども、強さってもんに本格的に目覚め、憧れる時期でもある中学(いわゆる中二病の症状のひとつ。証明の紐でシャドーをやり始めたら要注意)とかで、あつく柔道をやっていると背負い投げ崩れで頚椎やっちゃった!も増えるんじゃないだろうか(というか統計的・確率的には増えないはずが無い)?
このへん対策はとられているのかな。

柔道での事故数と、他のスポーツとの比較(競技人口の母数も考慮して)

そんな統計資料があったら、教えてください。
そういえばダナ・ホワイトはかつて、保守派とも言われているFOXニュースのキャスターと総合格闘技の安全性について議論し、この「母集団」について失念していて?やり込められたことがあったっけ。

◇米国、「反バイオレンス」運動の今昔。UFCも荒波?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060829#p1


アマ修斗グラップリングについては後日

また構成ミスというか、上のテーマだけで分量と執筆時間を相当くってしまったので。可能ならアマ修斗グラップリングについては後日。


ちなみに皆さんは

いくつ自分の必殺技をお持ちでしょうか。またその命名法は。