「へうげもの」にて、
「あの作者の絵はヘタというより、自分の書きたいところがそのまま大きく描くのだ。アフリカとかのプリミティブ・アートに近い(笑)」
「だが画力ということで言えば、利休のアップのかき分けはすごい。天皇暗殺を利休から提案された、秀吉がさすがに躊躇して失敗した時の『こいつも、俺の期待する器ではないか』という失望と軽蔑の顔。自分の理想の黒洛茶碗ができた時の喜びと驚きの顔、自分の作った侘びさびが、なぜか大衆化した流行りすたりになってしまった時の複雑な顔、これをすべてうまく心理描写している」
「男組」について
大槻ケンヂ「男の友情、正義のために命をかける、仲間と共に大きな悪と戦う・・・という男気、任侠ものはあった。しかし他の漫画というのは、大体右的(任侠的)。しかし思想的、雰囲気的には左で珍しい」
夏目房之介「最後のシーンはワルシャワ労働歌だもんなあ。俺(夏目)とかは歌えるけど」
いしかわじゅん「中国拳法をリアルにフィクションに持ち込んだのはこの男組の功績」大槻「松田隆智が監修しているから」
「結局、最終的には正義の側も暴力肯定すんだよね」
大槻ケンヂ「なんで拳法なんだろうと思ったら、義和団がモデルだからじゃないか。相手は三島由紀夫のコスプレで」
岡田斗司夫「格闘マンガ夜話になりそうなときは止めてくれってスタッフに言われているんですが、無理です(笑)」
岡田「このマンガの前までは敵の悪は科学者とか老人だった。肉体は若さ、青春の象徴。だから主人公は若く、それに立ちはだかる悪は科学とか魔力だった。ところがこの作品は、悪の上に行けばいくほど肉体的にも近い。影の総理も傷だらけでムキムキだったし(笑)。これが無かったら北斗の拳のような流れ、ドラゴンボールの流れはできなかったのでは」
夏目の目「この漫画はブルース・リー、ヤクザ映画、梶原一騎、本宮ひろ志、そして反権力テイストで構成されている」
岡田「雁屋哲の主張は一貫しているように見えてなんかハチャメチャなんだよなあ。敵と主人公、口調は違うけど言っている思想は同じ(暴力肯定)だし」大月隆寛「思想はアイテムなんだよね」岡田「主義じゃなく趣味。マッチョ趣味」
ゲストについて
第一夜はオリエンタルラジオの片割れが出てきたのだが、めちゃくちゃ緊張してテンションが高い。
というのは、あの漫画はほんとにゲストをレギュラーが容赦なく「値踏み」をしていて、面白いことをいうか、話の流れを切らないか、知識はあるのかってことをじーっと見ている。そしてダメなら容赦なく一回でバイバイだ。あまつさえいしかわじゅんはコラムでカラクチにダメ出しする(笑)
準レギュラー、二回三回出演する人はそのおめがねにかなった人たち。
そういう点で、最初のトライアウトで実力を発揮しなければいけない緊張感はゲストから伝わる。
第一夜も、第二夜の角田信朗もきっちり合格点じゃないでしょうか。
今後もテーマに合えば読んでもらえそう。
角田は「俺は格闘家ですけど、格闘家の経験(視点)でいうと・・・」というのもさりげなくPRする。
ほんとーに角田ってのは頭のいい奴だ。結局引退して役者になった船木誠勝じゃなく、高田延彦じゃなく、彼がドラマやトークショーを制覇するのは実力相応だったな。
よく喋れる格闘家というとTK高阪剛、郷野聡寛があがるがK-1角田はその魁だ。
レフェリングの恣意性はともかく(笑)バラエティ、トークの実力では彼はもっと正当に評価されていい。というかそれを分けろ皆さん(笑)
今夜は「ハチミツとクローバー」。