昨日とか、なんか長期間更新したけど、実は年末の掃除をしながらブログを更新してたわけです。
そんなんで効率的に掃除できるのでしょうか。
できるわけねえよ(逆ギレ)。
おまけに、そんな状況から現実逃避して、これも年末整理だと本屋で合併号的に出ている雑誌などを読んでしまいました。
ひまわりっ 健一レジェンド(週刊モーニング)
を、まず、何としてもお読みいただきたい。この作品に関しては、何度か絶賛の評を書いているけど、平均的な面白さとは別に、彼らが住む九州の山々のように時々大噴火を起こす、その爆発力が侮れない。
実は今回、レギュラー登場人物の一人の恋愛模様と絡め、過去にその人物が「アル中」であったという衝撃の展開がある。その後数ページに渡る緊張感と衝撃の展開は、普段が普段の漫画だけに、読者はより効果的に揺さぶられ、そして「人は過去とどう向き合うべきか?」「隠したい過去は隠すのが正しいのか?」という大きな問題をつきつけられる。
アル中問題を描いたフィクションに
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特に本エピソードは時代性も多分に含んでいるので、80年代前半に青春を送った人にとっては馴染み深く、共感する部分もあるかもしれない。
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今回のエピソードを論評したはてなブログは他にあるかしら、とキーワード検索で探して、案外見つからなかったけど
これは最近の作品評論として興味深い。
http://d.hatena.ne.jp/venova/20071226/1198741614
「[漫画]オタク女子漫画としての「ひまわりっ~健一レジェンド~」」
そういえば、健一のへんてこ(だが、なんか上手く行く)サラリーマン兼家長ぶりを楽しんでいた健全な、オタク性と縁の無い中年サラリーマン読者って、このへんの描写に付いてこられるのかしらん。
ヴィンランド・サガ
あの頼りなくめそめそして、神様に祈る(=頼る)だけの存在だった駄目王子が、一回転して覚醒。神への信仰は変わらないものの、その信仰=すなわち理想や確信の分だけ、それなしで戦うことや奪う、得ることだけが目的の原初的無法者集団(ヴァイキング)より高みに立ったカリスマを持ち始めた。
彼はこのカリスマでもって自身の勢力を再編し、曲がりなりにも「自分の理想のために、闘ってその理想を生み出す」ことを目指すようなのだ。
この王子がすなわち正義である、彼の元で闘うのが正しい側である…という単純な描き方にはこの作者、当然しないだろうが、何にせよ「汝らの死に『意味』を与えてやる」とうそぶくこの王子は、闘い、武、死、を何の前提条件もなしに、それ自体をひとつの価値とするヴァイキングたちへのひとつの対立軸となりそうだ。
高山正之(週刊新潮)
巻末コラム、単行本が出ていてはや三刷らしい。面白いけど信憑性はどうかなぁ。因果関係もめちゃくちゃ単純に言い切るからな。この人の今回のコラムがまた、「面白いけど本当かよ?」という話なんだ。
東チモールの日本軍は、基本的に戦闘をせず、他国と対峙を続けていた。ある時、日本軍はゲリラを支援する潜入スパイを逮捕。このスパイを逆に利用し、偽打電で敵の落下傘による物資援助を操って、自分たちに必要な物資を次々と落とさせ敵軍からせしめた。
ところが1945年8月10日ごろ(終戦の詔勅前に、その軍からこれまた逮捕のゲリラ宛に「よろこべ、ついに日本は降伏だ」という暗号が入ってきた。
状況の悪化をかねてから感じていたチモールの日本軍は終わりを悟り、覆面を脱いで「これまで物資ありがとう。日本軍司令官」と返信。相手側は「ちょ、ちょっと待て。どういうことよ一体」というような慌てた再返信を送ってきた…というあまりに面白すぎる逸話が書かれている。とにかく、感想は「面白いけど本当かいな」ですよ。
正論
ふたつ。ナベツネ渡辺恒雄の「クソジジイ」ぶりとは何か?を大月隆寛が分析。
「あのジジイはゆるぎない旧制高校的な『庶民とは違うエリートの俺』を持っていて、しかも『だけど庶民の側に(敢えて)立つ俺』なのだ、主観的には」。
・・・・・・・うわー、やな存在だそりゃ。
ネット社会をそれと縁の無い年配読者に紹介、逆に若い読者を取り込もうという(たぶん大月氏も関わっていた)「諸君!」の「麹町電網測候所」は昨年だったのかな?終わって、プロのITジャーナリスト佐々木俊尚氏のコラムにバトンタッチしたわけだが、ほぼ同じコンセプトの「名無しの品格」という企画が正論のほうで始まっていた(笑)。すでに6回目になっている。
情報として記す。
三月のライオン(ヤングアニマル)
いまさら棋士のものがたりっつってもねえ、どうしても二番煎じ三番せんじに…と思ってたが、最近主人公の複雑な人間関係がわかってきた。
彼は事故で両親を亡くし、父の友人だった棋士に引き取られ内弟子として育てられる。
この棋士は実に公正公平な人で、才能と努力を見せる子には等しく愛情を惜しまない。
ただ問題は、才能と努力の無い人には愛情を注がず、また間の悪いことに実の子どもたちにそれが無いのだ(汗)。
いきおい、主人公は公平平等なその棋士から実の子以上に熱心に指導・教育され、実子のほうからは強い嫉妬と反発を受ける。そのため強い孤独感と自罰的な思いを常に感じている・・・ということだ。
一部年代の人向けに、すごく分かりやすく例える。
「ジョジョ」第一部ではその半ばごろに主人公が覚醒するからいいようなものの、もしジョジョが目覚めず、最初期のような駄目ボンボンぶりで、そして実はディオが「本当にいい奴」だったら?
ジョースター父も公平平等厳格なので、ちゃんとディオのほうだけ評価し、ジョジョはちっとも成長しない。そしてディオも内心「本当の息子のジョジョに悪いなあ、僕を嫌っているだろうなあ」と悩んでいる(爆笑)。
ジョジョの奇妙な冒険 1〜7巻(第1・2部)セット (ジョジョの奇妙な冒険) (集英社文庫(コミック版))
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これ…キッツいでしょ。漫画としてもだれに感情移入したらいいのか分からなくなりそうだ。ハチクロで一時代を築いた作者の「三月のライオン」はそういう作品です、ということが分かってきた。