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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

佐藤光留、狂気が引き寄せた大チャンス、何かを生むか、生まれるか

※某掲示板に
グリフォン ◆hHNVW.OyOw :2007/11/14(水)」
なる謎の人物が出没し、このエントリを紹介。
どこのどなただろうか?少なくともここで書いている俺ではないな。
佐藤には、不思議かつ強烈なアンチさんもついているらしい。


というわけで多少遅れましたが、多分日本のブログ界で、佐藤光留についてもっとも語っている当道場本舗もひとこと。

http://www.pancrase.co.jp/tour/2007/1222/rls/1108.html

……心配して皆僕のところに来てアドバイスをくれるんですね。
鈴木さんをはじめ、ジョシュと練習したことのある大石、川村、試合をしたことがある近藤さん、皆アドバイスをくれるんですけど、聞いているうちに全部…何て言うんですかね、「佐藤はどこを太刀打ちできるのか」っていう、相変わらずの雰囲気になってしまいまして、自分でもどうしたらいいのかなって思っているんですが、毎回試合に挑むときに勝ち目がない試合っていわれるんですが、リング上で、ゴングが鳴って、どちらかが倒れて、絞めてギブアップして、ゴングが鳴るまでが試合ですから、その間に勝ち目があるかないかっていうのは、これは関係のないことですので。


今回も色々言われるでしょうけど、勝ち目がない試合をしやがってとか、体重を無視してね、ランキングにも入ってないような選手がジョシュと…って言われると思うんですけど、そんなのは関係ないです。真実は、12月22日!僕とジョシュの試合が始まって、終わって、そこのあったことだけが全てなので(略)


この試合、実現したのはいうまでも無いけれども、一にも二にも佐藤光留の「弱さ」ゆえである。
あらためてテキストにすると、ミもフタもないなあ。


すべて利益というのは、コストと売り上げの相関関係にあるんであって(笑)IGFに参加するジョシュ・バーネットが、そのついでに佐藤光留とキャッチをするというのはだ、はっきりいってコストゼロ(笑)。ノゲイラと闘う、ミルコと闘うならば「ジゴクノレンシュウ」というコストを払わなければならないが、vs佐藤の場合は日常生活の延長というか(笑)。私だって、「ラジオ体操してくれればお金あげる」と言われればそれが5000円でも500円でもするぞ。
それを得るための代価、コストがゼロに等しいんだもの。


ま、実際の試合で佐藤が秒殺されることはないだろう。なぜならかなりの確率で、ジョシュの場合は真剣勝負の中でも、その実力差を悪用し(笑)「ストーリー」を強要することになると思うからだ。
「ほら、足だ、早くヒールをかけろ!!かけてくれないと、それを僕がヴォルク・ハンみたいなクロスヒールで切り返せないデショ!!
「違う違う、十字じゃなくてキーロックに来なさい!!それをゴッチさんみたいに持ち上げてコーナーポストに乗せるんダカラ!!クウキヨメ!!」
てな感じ。

2003年に近藤選手がタイトルマッチをやったときに、高橋選手と佐藤選手だけがジョシュ・バーネットに取り返しに行くよという宣言をしたと思うんですけど、そのときの気持ちっていうのは…。


佐藤光留:まあ、相手にされたのが高橋さんだけで。僕には話のネタにもならなかったですね。アレから4年経って、大きく違っているかというと、必ず五分五分の成績。ウンともスンとも言わない活動をしているですが、(略)観衆の前で、「俺はジョシュ・バーネットとやる」。本当にそう言ったときの会場の「何をいっているんだコイツ?中村大介のパンチで頭がおかしくなったんじゃないか?」っていう空気は本当に忘れることができないんですが、アレから4年経って、組まれただけでもある種僕の勝ちだと思います。

あの空気はアレだったな。
「うん、そうだね、夢って大事だよね」みたいな。

: 例えば佐藤選手がキャッチレスリングに勝って、タイトルに挑戦したいという思いはあるんでしょうか?


佐藤光留:もちろんです。僕がバーネットとやりたいといったのは、バーネットが近藤さんからベルトを奪って、パンクラスのリング上で新日本の旗を振り回したから。それを鈴木さんにその後に道場で「僕はバーネットとやりたい」って言ったら、「新日本の旗を振り回されたのが気に食わないなら、じゃあなんであそこにいかなかったんだ?」と。「いや、僕は名も無い若手なんで…」って言ったら、「あそこに行けなかったヤツが今になってぐちゃぐちゃ言うんじゃない」と言われて、じゃあって今やっているトーナメントの途中だったんですよ。デモリッション。途中で言うわけにはいかないから、勝った後に言ってやろうと思って、そういう発言になったわけです。もちろん、もしバーネットが外で…猪木祭りですね、シュルトに負けていたら、今頃僕はK-1目指してトライアウトを受けていましたよ。

まあ、IRO関までトライアウトに出られた以上、谷川貞治さんが「ふさけるな」という資格は無い。


と、まあ、ここまで言ったところで唐突に褒めるわけだが(笑)、佐藤光留が実は知的な発言が出来るという話はCSの解説をきっかけに前にもしたことがある( http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060826#p1 )。
今回も、ジョシュとの対戦が決まったということだけで彼はいい気になっているわけではない。やたらと長くて文字おこしするのも大変だったろうなあ、という今回の発言の中でも、結構言ってることは後ろ向きだ(笑)。


自分が実力、実績とも、同階級の中でも目立っていないことは十分承知した上で、しかし声をあげ、(不思議な)アピールをし、無茶な無差別戦を続け、メイド服を着るという、、そのプラスマイナスをすべてひっくるめて、その結果が「今回のジョシュの相手は・・・佐藤にしようか」ということになった。


「組まれただけでもある種僕の勝ち」というのはそれなりに正しい。
喧嘩なら僕の勝ちですと三崎和雄は言ったが。

ただ、そこで終わっては意味がない。やはり試合の中で、実際に勝てとはいわんが「・・・なら僕の勝ち」といえる、何かを見せてもらわんといかん。チケット買ってこっちは行くんだから。つまり「より狂気を見せてくれ」ということだ。


論語」に云う−−−

「子曰く、中行を得て之に与せずんば、必ずや狂狷か。狂者は進みて取る。狷者は為さざる所あり。」


【語釈】弟子には、全てにバランスが取れた人間が理想だが、

それが駄目ならネジの外れた狂ってるやつか、

もしくはクセのあるひねくれ者

を弟子にしたいものだね。 
狂っている人間は、誰もがやらないことを思いついて、進んで手を挙げてやろうとする。
ひねくれ者は、『これだけは絶対にやらないぞ』という一線を守るためのプライドを持っているから。

(写真は本文とは関係ありません)