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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

最優秀怪獣賞受賞記念・エレキングさんインタビュー

http://www.fami-geki.com/ultra_campaign_40th/index.html

http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20070706-223100.html


ウルトラセブンの地球登場40周年を記念し6日、
都内で、ウルトラセブン大賞が発表された。
…最優秀怪獣部門はエレキング
エレキングも「ギャー」と喜んだ。



受賞記念に、某所でインタビューさせていただきました。

「振り返ってみれば、あっという間の40年でしたねえ」
指定された喫茶店エレキングさんは、おいしそうにカフェオレを飲み干すと、感慨深げに振り返った。
「本当に、周囲の皆さんに恵まれたんですよ。今度の賞も、私が代表で頂いたというだけです」と謙虚だ。

ウルトラ怪獣シリーズ31 エレキング

ウルトラ怪獣シリーズ31 エレキング

彼のデビューは、鮮烈なものだった。
マンからセブンへの代表交代を気に「ファンタジーからハードSFに」を掲げ、団体のカラー自体が変わる節目だった。そのときに、彼のクールで、生物でありながらも機械的な面も感じさせるギミックが、その路線にマッチしたのだ。


「何といっても真っ先に感謝したいのは、ミクラスさんです」
「彼が私を育ててくださったんですね。もともとミクラスさんは、エースのセブンさんのボディガード、ポリスマンを務めた三人衆の中でも最強の実力者でした。私のような若造に対しては、カタく当たられるのも覚悟していたんですけどね……」


エレキングさんは、そこで、言葉を区切るようにし、ほんのわずかな間を空けてから続けた。


「最初に言ってくださったんですよね。『お前はその、長いしっぽが売りになるな。まずそれをお客に見せて、其の後に電気だ。インパクトあるぞ』とね。その後がいやはや、最初の攻めがしんどくて『やっぱり潰される!』とか思いましたよ(笑)。でも、その攻めの後にこっちの電気をあびて、どう、と派手に倒れてくださいましたね。あの人は自分もガンガンいく、だけど、お前の技も正面から受けるぞ、という昔気質の人でしたよね。だからセブンさんもそばに置き続けたんですよ」


こう話すと、エレキングさんはふと遠くを見るような目をしてつぶやいた。
「以前はこういう話は『怪獣たるもの、怪獣墓場まで持っていけ』と言われましたが…時代も変わりましたね」


「セブンさんのすごいところは、その後自分との試合では同じように私のしっぽと電撃の攻防をスポットにして試合を組み立てたところですね。こっちも若いから引き出しがない。だけどその部分に絞って試合したからボロも出なかったし、あのミクラスを破った尻尾をセブンはやっつけた、とお客さんもヒートする。ミクラスさんの負けも再利用してしまうんです。カリスマですよね」


しかし、エレキングさんも今回の賞を取るほどの名優となるには、自らの苦労や工夫も相当あったはずだ。
「うーん、自分でいささか自負している点があるなら……『宇宙人に操られる生物兵器としての怪獣』を、それなりに工夫してキャラクターにしたところですかね」


珍しい、女性キャラクターのピット星人とのユニットは、確かに大成功だった。
「もともとやっぱり男社会ですからね。ピット姐さんたちもコンビで、楽屋ではアイドル扱いでしたが、やっぱり大きな役はなかなか……で、私はご覧のとおり怪獣にしてはいささか童顔でして(笑)。
キングと名がつく怪獣で作る「キングの会」があるんですが、そこでもレッド師匠(レッドキング)やサンちゃん(キングザウルス三世)なんかとは比べ物になりませんわな、この迫力というやつでは。


それを逆手に取って「あたしは姐さんたちのペットで、命令に従って暴れます」というギミックを考えて、これは姐さんたちのキャラクターともあいまって、ひとつの「型」を創ったかなあ…と思いますね。それまでの一、二話の仇役は宇宙人がそのままセブンさんと闘う路線でしたから。もちろんね、ゼットン先輩とかテレスドン先輩とかが私より先なんですけど、あちらはコンビの宇宙人や地底人もコワモテでしたからねえ(笑)
ゼットン先輩、今でも楽屋で「俺もピット星人姐さんたちとコンビだったらよかった。」ってぼやいてますよ。私は「強過ぎるからですよ。どこでも「マンをKOしたゼットン」で、コンビだったことをお客さん忘れてるんですから」と慰めてます(笑)」



「強いといえば、キングジョーさん。彼からはお話聞きましたか」

今回は惜しくも賞を逃し、無冠の帝王となった。まだ話を聞く機会はない。

「そうですか。いや、今回あの方はメカニック部門でしたからね。こっちの部門にいれば私なんかとてもとても。」


票が同数なら、直接対決で決めるとか…そう軽口をいうと「こっちはとても無理ですね」とぴしゃりと言われた。
「キングジョーさんのビデオもう一度御覧なさい。マウントとか、すべて理にかなってますよ。今なら言ってもいいですかね、彼は柔術黒帯でしたからね。」


意外なせりふに驚いたが、彼は続けた。

「それに、タンカーを持ち上げる場面見なさい。崩さずに持ち上げてるでしょ?あれは握力が必要なんですよ。最近の若い人があれを真似してるのを見ましたけどね。船体がつなぎ目からでろでろと崩れてましたからね。すごく才能のある子だと思うけど、そのへんは先人の知恵をさらに吸収してほしいな」

「人型最終決戦兵器」として絶大な人気を浴びたエースも形無しだ。


この気を逃してはならない、と、さりげなく聞いてみた。
セブンとキングジョーの試合は二回ありましたけど、最初のはマネジャーとセブンさんの交渉がまとまらず、試合が崩れて…で、手打ちの後で神戸港でわざわざ再試合を組んで、こんどはきっちりジョーさんが”仕事”をした…こんな噂がありますが。


エレキングは、さっき以上に間を置き…角を回し、微笑して、答えた。
「『キングの会』でもそのへんの思い出話は聞いてますけどね…ビデオを何べんでも見直して御覧なさい。それが答えでいいでしょう」


その後、エレキングさんは再び、ウルトラマンタロウが団体のトップになったときに再来日を果たす。
このときはベムスターやメフィラスとのユニットを結成したが、以前の熱心なファンからは「こんな老醜は見たくなかった」「偽者だ」と評判が悪かった。


「その時代、時代で求められるものを与えるのが当然だと思いますよ」
エレキングさんは、後悔はしていないという。
「メフィラスさんは先輩。ベムスター君は後輩ですが、どちらからも学ぶことが多かったですよ。特にメフィラスさんはすごいインテリで、以前はそれもキャラクターにしてたわけですが、180度違った狂乱星人を演じたわけですからね。私もだから自分から、「満月に大暴れ」というギミックを提案したんです」


ベムスター君は一本気だから、そういうのに怒っちゃってね。酒場で『俺やエレさんはともかく、この会社はメフィラスのおっとう(おっ父)をどう思ってるんだ?』『セメントならメフィラスのおっとうが一番強いんだ!!』って食ってかかったんですよ。オフィスに。だけどメフィラスさんは一言「仕事だ……」ってね。本当にプロでした」


「なんだかんだ言っても、セブンさん、タロウ君の二世代にわたって相手役を務めたから、お茶の間のみなさんが覚えてくださった部分もあるでしょう。タロウ君は器じゃないとか叩く陰口もありますが、セブンさんとタロウ君はそもそもタイプが違うんです。細かい技術はそりゃ桁違いですよ。だけどカリスマというか、明るいスター性なんです。逆に言えばタロウさんに、細かい技術はいらない。それは受けるこっちの役目です」


そして、マックスにも出演した。
「もうこの年になるとずうずうしくなります(笑)。こっちは材料で、あちらにどうとでも料理してくれと。マックスさんは、まあ、完成形ですよね。メビウスさんとか、今度デビューのセブンXなど、同世代で競えるのも幸せですよ。これから、逆に破調というか、極端に言えば悪いところも含めた個性を出していけばいいんじゃないかな」


インタビューを終えた後、エレキングさんが
「ところで、ウルトラファイトのことは訊かなくていいの?」
と言ったときは正直うろたえた。

インタビューを申し込んだときに、エレキングさんのマネジャーから「ウルトラファイトのことは絶対にNG」と釘を刺されていたのだ。


「おやおや、だらしないね。私にとってもファイトは重要な思い出だよ。君なんか、ファイトが『コレ』だったか知りたいんじゃないの?」
エレキングさんは人差し指と親指でピストルの形(シュートを意味するサイン)をつくり、にやりとした。


「じゃあ、それをテーマに今度またインタビューをしにきてください……いや、そのときは最近連絡してないけど、ウーちゃんとかも呼んでよ。それで対談しましょう」

ウルトラ怪獣シリーズ2005 03エレキング

そういって、エレキングさんは、メトロン星人でも出てきそうな夕日のビル街に消えていった。

(了)

【追記】その後、何がどうなったか、「キングの会」のキングジョー、レッドキングのインタビューは実現した・・・
■史上最強のシューター・キングジョーさん独占インタビュー!
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080730#p2
レッドキングさんインタビュー。「ビールとファイトと、時々ウルトラ」。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090906/p3



【註】三ヶ月にいっぺんぐらい、こういう馬鹿馬鹿しすぎるエントリを書きたくなる。
あまり気にしないように。

40周年記念大賞授賞式日程(ファミリー劇場)
放送日 放送開始時刻
2007 年 08 月 05 日 (日) 13:00
2007 年 08 月 07 日 (火) 21:00
2007 年 08 月 09 日 (木) 13:00
2007 年 08 月 09 日 (木) 深夜 3:30
2007 年 08 月 15 日 (水) 20:00
2007 年 08 月 21 日 (火) 10:30
2007 年 08 月 28 日 (火) 18:00