INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

藤田和日郎、英国舞台の漫画をモーニングで連載開始。ホームズとの連動は?

最初にホームズ話を書いたからそこからつなげるけど、サンデーの大物・藤田が電撃移籍!!
サンデー編集長が「藤田和日郎は家族でした。裏切られた」と言ったとか言わないとか(嘘)。
ブラックジャックによろしく」引き抜きの報復だという説も(嘘)。
ブッチャー・シン・ハンセンの引き抜き合戦の様相を呈してまいりました。



新連載は「黒博物館スプリンガルド」。

ま、作品自体は彼が短編集などで提示してきたテイストの延長戦で新機軸を出したとかいうものではありません。しかしあらためて青年誌で見ると、彼の「直球正論一本勝負・説教付き」と「グロテスク偏愛志向」の緊張関係が面白いな。たぶんそれが彼の全体的な魅力を作っているのでしょう。

で、それはそれとして・・・自分は19世紀英国、となると反射的に「で、彼らとホームズはどこかで出会ったのか?」と計算してしまいます。

ウィキペディアの「シャーロック・ホームズ」

・・・(ホームズの)生年月日や家族など私的な事柄に付いては、本編中にはっきりした記述はない。ただ、生年月日は1854年1月6日とする説が有力である


藤田作品の舞台は残念、たしか1836年だったかな?スコットランドヤード発足直後、ヴィクトリア女王の治世の始まりが舞台だというから、だいたいそのへんだ。

主人公の年齢は書いてないが無理やり若干20歳と仮定すると、壮年期の50歳で、智謀神のごとき、「体は子供、頭脳は大人」のホームズ少年に会うかもしれないし定年間際(って、当時定年制なんてあるのか?)の60歳なら、大学生のホームズに会うかもしれないわけです。
そのころは、英国外務省で昼行灯のようなのんびりとした様子ながら懸案を次々と解決する、マイクロフトという若手官僚と邂逅したりしているかもしれん。
ま、それは極私的妄想というやつです。あんまり他人様に楽しんでもらえる共通概念ではない(笑)



私はこの時代の実在の人物・架空人物の重なり合いはひと通り調べているのだが、この前、そのホームズ作品スタート120周年を記念して、どこかの社からまたパスティッシュアンソロジーが出ていた。

その中にコナン・ドイル卿が捜索したもう一人の名優・勇将ラティエンヌ・ジェラールとホームズが出会う一席がありました。
内容自体は、「自分が創作の人物である」ことを前提に話す楽屋オチものなのでどうということはないのだが、この二人もホームズを若き青年、ジェラールをうんと長生きしたと仮定すると邂逅できるということを教えてくれたのが良かった。

「ジェラール」はホームズ物語になんら劣らない、その猛烈な面白さに反し知名度が極めて低い!!もう著作権も切れているのに、創元推理文庫からしか訳も出ていないものな。
だれか漫画化でもしたらいいのに。
美青年設定にすれば、女性がたにも受けるかもよ。といっても耳が片方失われた容貌魁偉の偉丈夫だが、そこは妄想力で補正してくれ(笑)

憤慨の余り原書から、ネットに無料翻訳してやろうかと思ったりしたけれど、それは俺の力を考えれば無謀っす。
だからせめて、あとでジェラールを大々的に紹介して手にとらせる人数を増やしたいものだ。


ところが田中芳樹が少し前に出した子供向け小説「ラインの虜囚」という本には、老年のジェラール
が登場すると風の噂に聞きました。


ラインの虜囚 (ミステリーランド)

ラインの虜囚 (ミステリーランド)


おお、さすがは腐っても田中芳樹じゃないか(失礼)。本当なら、これはうれしい話