「ヤングサンデー」で連載中のこの漫画。
山田玲司って作者ですが、彼のこの「絶薬」、基本的には「おめぇはそれでいいや」としか言いようが無いと思います。
もちろん突っ込めと言えばいくらでもツッコむところはあるのだが、ああいう人じゃないと、ああいう人選でああいう部分に着目して書くことはできないだろうし、そこで得られた証言や、人物史の漫画化は、やはり貴重だ。うーんどうもプラスマイナスを、うまく言葉にしにくいが、そう感じています。
で、先週と今週(もう木曜だから先週と先々週か)、登場したのが猪瀬直樹氏だ。
長野知事選挙には結局不出馬だったな。
猪瀬直樹氏に関して書いた以前のエントリは、
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%c3%f6%c0%a5%c4%be%bc%f9
とくに、http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20041226
で書いたんだけど、
道路公団、特殊法人は「官僚が利権をどう隠しているのか?」「それをどう暴いていくのか」という視点で見ると、一級のミステリーだよ。「このミステリーがすごい!」に「年金大崩壊」や「日本国の研究」入れてもいいかも。
という見方は変わっていない。ただ、道路公団民営化以降は、いきなり天才的探偵が安楽椅子の上からずばりと解答を指摘する初期の古典ミステリではなく、探偵役(猪瀬)が泥と雑踏を這い回り、あるときは敵の襲撃を受けながら(笑)難問に挑む近代的ハードボイルドになっている。
その完結編が
- 作者: 猪瀬直樹
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だ。
私は現長野県知事の田中康夫氏は、政治家としての活動に関しては、部落解放同盟との対決以外はほとんど評価していない。
だからこの選挙の前、候補に長野市出身の猪瀬氏の名前が挙がったときに、どう転んでも、最低、田中以上の業績は挙げられるだろう、と思ったが、なお反対した。それはこういう著作活動を続けてもらいたいからである。
もちろん、これらの評価は「それにしても猪瀬は態度がデカすぎる」という声を妨げません。というか対立しません(笑)