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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

民主党新代表・前原誠司は・・・

高坂正堯の弟子だった!!

次の日の新聞で読んで大いにびっくりしたのと同時に、大いに好感度を上げた。
去るものは日々に疎しで、段々と彼の名前を聞くことも少なくなっているのだが、今こそ彼の思想はフルに展開されなければいけない時なのだと思う。そこで弟子が二大政党の一方の党首となるというのも因縁か。


これは早野透さん(笑)が聞き手。これは彼の仕事としては面白かった、朝日の書籍PR誌での連載「政治家の本棚」だ。

http://www.maehara21.com/kiji/kiji24.html
http://www.maehara21.com/kiji/kiji25.html

前原:大学受験で,はたと困った。行きたい学部がなかった。数学好きだから数学科に行こうなんて思ったことはないんですね。おやじが法律家で,家には法律の本があって,なんとなしに京大の法学部を受けた。共通一次は千点満点で京大法学部のボーダーと言われる点数が八百八十点,僕は七百七十点。おふくろから「一年間なら浪人許す」と言われて一浪したわけですね。そのとき予備校の近くの本屋で立ち読みして出合った本が高坂正堯先生の『国際政治』(中公新書)だったんです。


―――それが運命的だった。

前原:高校時代に読んだカントの「恒久平和論」がしっくりこなかった理由が一つ解けた気がした。あっリアリズムの視点がないんだと。外交とは一つのパワーゲームですね。「坂本義和じゃなくて高坂正堯だ」というところが,自分自身の分岐点だったろうと思うんですね。


―――二回目の京大受験は無事合格。

前原:京大一,二年目は,ほとんど遊び。ただ,高坂先生の授業はほんとは三回生からなんですけど,二回生からもぐり込んだ。ところがこれがわからない。歴史とか国際政治に対する知識が根本的に欠けていました。
 授業が終わると高坂先生のところに何十人とばっと行くわけです。その一人になって自分で質問したこともあれば,先輩が質問しているのを聞いて「こういう本を読めばいいんだ」と。ベトナム戦争をもっと知りたければ『ベスト&ブライテスト』を読めばいいと,先生が他の学生に言うことをメモする。『ベトナム戦争報告』も読んだ。三回生後半から高坂先生のゼミに入った。初めはSDIという米ソ冷戦のときの戦略防衛構想。

【中略】
前原:高坂先生はもうその頃はテレビの「サンデープロジェクト」の番組に出てひっぱりだこだったんですけれども,ゼミ生でソフトボールやるとか旅行しようかというときは,テレビは休まれるんです。授業,ゼミ,行事が最優先,それは絶対に崩されなかった。
 あと一つ,稚拙でも自分の考えを言わないと先生の考えは絶対教えてくれなかった。SDIの問題で,「なぜMADの理論が成り立つのか」と先生に問いかけても「前原はどう考えるんや」と。で,しどろもどろで答える。それを「そういう考え方もあるわな」と,言下に否定をしないで尊重して下さった。


著書になじみが無くても、1989(1990?)年に始まった「サンデープロジェクト」で、放送開始から逝去まで長年コメンテーターを務めた京都弁のおじいさん、と言えば思い出す人もいるんじゃないかな。
言葉は柔らかいが、実に本質的なコメントをする人で、そうかと思うと上にあるように「今日は祇園祭のため京都のスタジオから中継で・・」とスタジオを欠席、浴衣姿でテレビに出たり、たしか一度は「スキーのため、スキー場から」ということもあったぞ。
もともとは軽武装・経済重視の戦後日本の基本構想を肯定する立場からの保守主義を先導、吉田茂の歴史的高評価も彼に負う所が多い。



前原誠司(上インタビューより)

「先生の遺言として私が受けとっているのは三つ。
「アメリカは毒にも薬にもなる。アメリカべったりでもいかんし
嫌米主義でもいかん。アメリカとの関係をうまくやれ」というのが一つ。


「集団的自衛権のいまの解釈はおかしい。
トータルで考えていけばこの問題に必ず突き当たる。これはなんとかやれ」。


あと「公共事業」ですよ。」

おやおや、私はもっともっと高坂氏のことをこのブログで触れていたと思ったんだが、検索すると1、2回しか書いていなかった。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040515#p1

高坂教授は、自分のスタンスというのも当然持っている(それも強固な)が、他の意見や他の政治勢力が持つ効用、存在価値というものをきちんと認識し、それを守ることをためらわなかった。それはイギリス流、というもので、吉田茂もそうなんだが、英国的な目というものはアメリカを相対化しつつ、否定や対立、そして盲従とは別のスタンスから握手することができる。高坂教授は”日米同盟”(ある時期までこの言葉もタブーだった)をリードする言論人でも会った。


彼は過ぎてしまえば省みられない性質を持つ時事的国際問題すら「外交評論集」がシリーズで本になっているから、破格の存在の学者であるのだが、だれか一歩進めてそこから永遠の真理を抜き出した「箴言集」を作っていただけないか。
前原氏の就任はそのチャンスだと思う。

一番入手しやすく、読みやすいのは個人的にはこれ

世界史の中から考える (新潮選書)

世界史の中から考える (新潮選書)

これが上に書いた「評論集」

高坂正堯外交評論集―日本の進路と歴史の教訓

高坂正堯外交評論集―日本の進路と歴史の教訓

こんな伝記も出てた

昭和の宿命を見つめた眼―父・高坂正顕と兄・高坂正堯

昭和の宿命を見つめた眼―父・高坂正顕と兄・高坂正堯

「鉄の男」だった!

といっても彼がサッチャリズム信奉者だとかビスマルク流の外交上手だとか、ましてやルー・テーズの後継者という意味ではない(笑)。
趣味・鉄道(SL写真の撮影)
ですよ・・・・・・・ついに日本に闇のネットワークを張り巡らせた陰の集団・・・鉄道マニアが、日本支配に乗り出したんですよおおおお。

こわいな?こわいな!!?

鉄子の旅 (1) (IKKI COMIX)

鉄子の旅 (1) (IKKI COMIX)



松下政経塾だった!

鉄道マニアネットワークなどというのは、まあギャグのうちだが、松下政経塾というのは本当に与野党間を越えた結束や相互のチャンネルがある独自の存在です。
ただ、なんとなくなあ・・・偏見といわれるかもしれないが、なんつうかここ出身というのは、早稲田雄弁会と同様に、早くから権力志向、金バッジ志向がある人たちが目をギラギラさせながら集まってる、みたいなイメージも無くは無く、やや警戒感を持ってしまうのも事実だ。

イメージキャラクターが島耕作(作者の弘兼憲史は元松下の社員なことは有名)、というか。
いや、これはほんとにイチャモンだなすまぬ。


京都出身、選出だった!

とすると政党こそ違え、京都におわす「日ノ本一の大天狗」野中広務上皇と無関係ってことは無いんだろうけど、どうだったのかな。
そういえば今回、野中直系候補は郵政反対で無所属で闘い、敗れたもののその差は200票以下!私としては「野中健在なり」と知らしめたという評価なんだが。
彼がもし、現役で前国会やこの選挙を戦っていたら・・・・・・・