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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

PRIDEヘビー級選手権試合、実況中継プレイバック(ミルコ編)

今回、PRIDEの「集大成」であったミルコ・クロコップvsエメリヤーエンコ・ヒョードルは、当然PRIDEのアナウンサーとしてその歴史の、同時代の語り部であった三宅正治アナの集大成でもあった。


彼が発明したのかは知らんが、完全に選手の気持ちを代弁した「一人称」の語りによって感情移入を促す手法が、今回も多用されています。
ややセンチメンタリズムに過ぎるという意見もあるでしょうが、何しろ試合が試合だから、過剰にやってやりすぎるということもないでしょう。


気合が入っているかどうかは、前奏のときから喋り始めるかどうかでも分かる。
普通は、ゲートから選手の姿が見え、歩き始めた時からしゃべり始めるのだが、言いたいことがありすぎるときは前奏と同時に実況が始まります。
今回ももちろんそのバージョンで、だからこそ文字起こしもたいへんなのだが(笑)。


地上波放送が終わるまで待っていましたが、2005年8月28日、エメリヤーエンコ・ヒョードルミルコ・クロコップのタイトルマッチにおいて、三宅アナウンサーが語った詩がこれである。まずはミルコ・クロコップから。

(前奏”Wild Boys! Wild Boys! Wild Boys!・・・”)

あと、数十メートル歩けば、そこに着く。
あとほんの少しで、俺はそこにたどり着く。
そこに立つために、どれだけ遠回りをしてきただろう。
そこに足を踏み入れるために、俺はどれだけ、自分を傷つけてきただろう。


ミルコクロコップ、人生を懸けた闘いに今向かいます!


長くて、つらくて、険しくて苦しくて。
どれほどの時間、俺は歩いてきたんだろう。
気がつけば俺は歩いていた。
気がつけば俺は闘っていた。
生き残るために俺は歩き続けた。ここにたどり着くために・・・。


祖国クロアチアで、祈る思いで見つめている母よ、妻よ、愛するわが子イワンよ。
君達に、私の全てを見せよう。
11年前、天に召された父ジャレコよ。
あなたにこの闘いを、見せられなかったことが最大の心残りです。
だからこそ、このタイトルマッチを、チャンピオンベルトを! ・・・貴方に捧げます。


ここには、俺の全てがある。
30年の長きに渡り、歩き続けたこの道は、今、俺の全てが詰まったゴールにたどり着く。
もうすぐ報われる。
もうすぐ報われる。
血にまみれた敗北も、かみしめた悔し涙も・・・
もうすぐ、もうすぐ報われる!!!