「浅草キッドの海賊男」はレスラーも面白いが興行会社の秘密を背広組が披露する「社長シリーズ」に入って一段と興味深い。今やってるのは社長じゃなくて「カントク」。ZERO-ONEの中村氏だ。
入社したらいきなり20万円の資金を渡され、大分やら島根やらの興行をやる町に行って30日間チケットを売りあるくんだそうで。上役の監視もなければ、毎朝の出勤もない。ただし、結果は当日の会場の入りではっきり判るわけだ。そこで賞賛もされれば、お得意から頼まれレスラーにお願いしたサイン色紙に「こんなしょっぱい興行にしやがって」と書かれる。
まるで、エリア88だな(笑)。
はっきり言って、こういうやり方が今、功を奏しているのかは大いに疑問だし、当ブログの守備範囲である格闘技はなにしろ東京集中なんであまり参考にはならない。
ただ、伝説の営業と言われた上井文彦氏をはじめ中村氏が編んだノウハウはたぶん大いに使える部分が、おそらく他業種でもあるだろうし、あとひとつはこの、ジプシーや風来坊、キッドがいうように「寅さんのような」営業というのはちょっとロマンを感じさせる。
中村氏も「儲かるかはともかく、こういう旅を続ける生活にあこがれるような若者には、すごくこの仕事はお勧めです。プロレス好きならなおいいけど、おそらくプロレスが好きでなくても勤まると思う」と話していた。
プロレス関係の営業社員は門戸が実は広くて、たとえばパンクラスはHPで常に募集しているような気がする(なんであんなに?)。
このサザンオールスターズ「旅姿六人衆」は、昭和新日で藤波辰巳vsアントニオ猪木の一戦が特番として放送されたとき(ビデオ発売されたとき?)のエンディングとして使われたことを記憶している人もいるだろう。
私も、この曲のMP3は「プロレス 新日本」のフォルダに収蔵している。