宣伝か、と思われてもいいが・・・今回は「紙プロ」的テイストというべきか、注目の人にたっぷり自分が歩んだ歴史を語ってもらうというコンセプトで登場したのがパレストラ・若林太郎氏。
うん、ガチマガらしいというか、紙プロじゃ注目しないし、してもできないよね。
ただ、よく考えると「目立つセコンドの人」とか「パンクラス、矢野卓見氏と仲が悪い」「次郎さんの兄」とかしかあまり知識がなかったので、読んでみて驚愕また驚愕。
「炎上」・・・の第一試合が木村浩一郎ｖｓグロム・ザザ。これがみてたら、なんだかUWFっぽくない。木村浩一郎に後できいたら、試合直前に治郎丸さんがやってきて「浩ちゃん、ガチでやっていいから」って言われたらしいんですよ。
・・・１月のNKホール。角田ｖｓロブ・カーマン、佐竹ｖｓジェラルド・ゴルドー、長井満也ｖｓ木村浩一郎と試合もガッチガチの試合ばかりで・・・広島大会で唯一ガチだったのが、西（良典）さんｖｓウイリー・ピータース。
・・・前田さんは僕を含めてスタッフには八百長の話は一切してなかったのね。外国人が来日するとルールミーティングをして、その後に前田道場で打ち合わせをしてるんだけど、そこには通訳の人しか行けない・・・
こんな情報は、ほんとにごく一部だ。
「四角いジャングル」投げつけ事件。 リングス社員による前田抜きの秘密会議。ヴォルク・ハンの「リングスと新リングス、両方に上がる」。前田の「消えろ」の一言。 ジェイソン・デルーシアにパンクラスを推薦。骨法とのいきさつ。「無記名でいいから糾弾文書を会社に送ってくれ」。グラウンドパンチ解禁。小林邦昭ノックアウト事件。コミッション成立会議。久保社長の登場。佐山離脱の真相・・・・。
濃い。人生が濃すぎる。
格闘技を運営する側に回ると、ここまで濃密な愛憎、喜怒哀楽を体験するものなのか。
他人事でありつつ勝手に斟酌すれば、氏もおそらくは最後に道を振り返ると「面白い人生だったな」とつぶやくのではないだろうか。しかし、波乱万丈の体験をするというのは。おそらくはそれを引き寄せる「才能」であり、彼はたぶんそのエリートなのだと思う。
例えば小生のような平凡人は、とてもとてもこの十分の一の愛憎も引き受けられないと思うが、逆にいえば退屈な日常に飽きた若者の中には、このような人生に魅せられて業界に入ることを志願する人がいるかもしれないなあ。
しかし、できれば画・原田久仁信で読みたいところだ。
シリーズ化してほしいね。
「世界のブッカーＫ！ 川崎浩市」
「慧舟會のドン！ 久保社長」
「ＢＴＴ影の総帥！ 内田統子」
「ハッスルＧＭ！ 笹原圭一」
