浦沢直樹が、鉄腕アトムを独自にリメークした「PLUTO」1巻発売が、朝日新聞で1面広告だ。
かなり珍しいが、たしかに作品の質はそれに相当する。
「音楽を学びたいロボットと盲目の作曲家の話」なんぞはそれだけで短編として最高級だし、浦沢お得意の謎また謎のサスペンスも魅せる。どこに着陸するのかは不明だが。
いやしかし、俺が書きたかったのはこの広告に載った手塚真氏(治虫の息子、映像作家)。
初めて「PLUTO」のお話を頂いたときは正直いって
『ちょっと時期尚早じゃないか』と思ったんですよ。
鉄腕アトムが描かれたのは半世紀も昔だけど、ファンに
とってはリアルタイムで心の中に生きている作品でしょう。
原作のファンにとって、ほかのマンガ家がリメイクすると
いうのはいかがなものかと。
でも……思い切ってやってもらってもいいのかなと・・・
浦沢(直樹)さんとお会いして・・・心を動かされました
今作品の是非に関する意見はともかく、手塚真氏が今、手塚作品の映像化やリメイクの判断をしているという。非常に 悲 し い 事 実 。
彼は遺族、著作権継承者だから法的には確かにそうする資格があるだろうが、クリエイターとして、自分に 才 能 的 に そ ん な 資 格 は な い ことに気付いていただけないか。
今後がたいへん不安になるのでした。