【いつも田中芳樹作品を愛読してくださってる皆さまへ】
— 安達裕章 (@adachi_hiro) November 30, 2025
田中芳樹事務所の安達です。
いつも田中芳樹作品をご愛読いただきまして、本当にありがとうございます。
実は、ちょうど一年前の2024年11月30日、田中が脳内出血で倒れました。…
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【いつも田中芳樹作品を愛読してくださってる皆さまへ】
田中芳樹事務所の安達です。
いつも田中芳樹作品をご愛読いただきまして、本当にありがとうございます。実は、ちょうど一年前の2024年11月30日、田中が脳内出血で倒れました。
幸い(と言って良いと思います)、仕事場近くのコンビニの店内で倒れたもので、店員さんが救急車を呼んでくださり、すぐに救急搬送されることが出来ました。当日は土曜日だったので私たちスタッフも休みを取っており、ほかに誰もいない仕事場で倒れたとしたら、最悪の事態も考えられましたので……。搬送先の病院では、適切な治療を施していただきましたが、やはり脳へのダメージは残ってしまい、運動機能にも影響が見られます。
それまでの仕事場は、お世辞にもバリアフリーとは言えないことから、数万冊の蔵書を片づけたうえで撤収せざるを得ませんでした。発症から1年経っての状況ですが、夏前に介護付きの施設に移りまして、ここで親切なスタッフさんから介護を受けつつ、リハビリに励んで…(後略)
まあ、知名度と重要性からして、この発表からほどなく一般メディア、ネットメディアが正式なニュースとして報じるだろう。
もう幾つか、出ているようだね。
そのネットニュースはいちいち取り上げないが、一夜明けて
田中の件、ネットニュースにも取り上げられたらしく、ひと晩明けたら通知が大変なことになっておりました。皆さんのお気遣いに感謝です。
— 安達裕章 (@adachi_hiro) November 30, 2025
需要があるかは分かりませんが、撤退した田中の仕事場の写真が出てきたのでご紹介。こんな部屋で作品を書いておりました。手前が執筆机ですね。 pic.twitter.com/ZRpIwQSMWG
当方、何度も書いているが、
ただその名前を聞いて覚えているものも、すでにかなり少なくなったとは思うが、かつてインターネット上にあった個人サイト「田中芳樹を撃つ!」のかなり初期(というか黎明期の)古参兵……常連投稿者の1人でありました。
※同サイトは「Since . 1998/10/29」だとか。
タイトル通り、田中芳樹氏の小説を批判的に読む人々の集まるサイト。
そういうサイトの運営の仕方も、当時はかなり珍しい物だったと思う。初代の管理人は石井由助という方だったかな。思い出した、評論家浅羽通明氏の読者が集うサイト経由で知ったのだっけ。
あの当時、田中芳樹氏は人気も人気、本当に大衆的、あるいは少年少女に絶大な支持を受けたカリスマ的な人気作家の1人だった。銀河皇帝と蛇王と合わせたような(笑)
それに対して、市井の無名人が集まって(運営者の執筆記事と、サイト内にあった掲示板の二本立てで、そこで語られた会話がアーカイブとなって保存される形だった)、そんな有名作家の作品のあそこが設定として変だ、あそこが構成としておかしい、
思想的にヤンの主張のあれとそれが、このように矛盾する……
みたいなことを言っても、ネット以前だったら、全く人目に触れずに終わっただけだろう。
ただ、まさに黎明期のインターネットが奏功し、ある程度の支持も得られたし、自分が指摘した幾つかの思想的な指摘は、かなりあの巨大な「白鯨」のからだに一つか二つほど、銛を打ち込んだ、という手ごたえはある。
※そのうちのひとつが、このブログで展開している「ジェシカ論法」「お前が戦場に行け論批判」でありました。
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田中芳樹を撃つ!サイト、実は初代管理人が活動を終えるということで、意欲のある二代目にサイトを譲って運営自体が続く……、というある意味画期的かつ先駆的な試みをしたことで本当に有数といっていいほど長く続いたサイトだが、それでもどこかで…(いつだったかな?)活動を終えた。それは主要な作品が長く中断したからである。
自分は、とっくにその前に、ネタを出し尽くして、サイトに出入りすることも無くなっていたが……
あ、わかった、2022年に最終更新して、以来3年活動を中断しているようだ。
それでも、「アーカイブ」として、上に書いたような話をちゃんと見られるのだから、20世紀から続いたサイトとしては本当にすべてのことをやり切って、そして残すべきものを残す。
自分のブログも、こうありたいものよ。
www.tanautsu.net
そういえば、長年「作品を長年中断して、多くが未完になりそうだ」という話もゼロ年代は揶揄され続けていたが、突然再起動して…それに独sが付き合ったかどうかはともかく、テン年代から20年代初頭に、多くの代表作がひとまずの区切りをつけた。
自分も揶揄側だったが(笑)、しかし一方で「もうそんなことしなくても経済的な問題はないだろうに、ペンを執って物語を完結させた」ことはすごいことだと思う
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ワンピースの作者さんも、銀河英雄伝説の作者さんも、やっぱりみんな、もう一生分は稼いでるんだとおぼしい。某ワンピースの人はなんとなくまだまだ創作やる気十分っぽいから置いとくとして、「銀河英雄伝説」のほうは、そのシリーズから得られる印税・映像化権・グッズなどもろもろだけで使いきれない程の収入が得られる(推測)というのに「まだアルスラーンとか完結してないぞ!」「創竜伝はいつ完結するんだ?」とか外野が言ってもせんないことな気もしているのだ、もはや。
続編があるならあるで有り難い話だが、実際の話として、「創作者が一生の収入と安泰を得た。生活は十分にできる。なので、新作をなかなか出さない」というのは仕方ない話なんじゃないかなあ・・・・という諦念がある。
以前は皮肉を込めていたが、今はかなり本気でそう思う。
これだけ、初期の傑作シリーズ銀英伝が繰り返し繰り返し愛され、コンテンツとしての「定番」となったのを見届けたら、俺だったらほんとにその管理だけで十分に満たされるもんなあ・・・・と思うよ。
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銀英伝10巻あとがき P239
<それにしても、ほんとに、まったく、ようやく、やっと、どうにか、ついに、終わりました。これで「銀英伝」も小説になれました。これまでは【小】説でしたから。完結していない小説など、屋根のない家も同様で、細部がどんなによくできていても、全体的な評価をしていただくわけにはいきません。これで悪いなら悪いなりに、全体像を批評していただくことができます
にしても、タナウツで、自分がいくつか銛を急所に打ち込んだ、という手ごたえを感じたとしても、それは相手の田中芳樹という「白鯨」が、まことに巨大で優美だったからにほかならぬ。
たとえば、「田」と「樹」が共通していて、ベストセラーを何度も出した、別の〇田〇樹さんに対して、彼が、田中氏の何倍も発言や主張がアレだったとしても、そんな評論をトテモやる気には、ならないわけでさ。
そんな、満期除隊の「田中芳樹を撃つ!」サイト一兵士だったからこそ、今回の「田中芳樹氏、倒れてリハビリ中」は万感、思う所ある。
素直に、「くれぐれもお大事に。ご快癒をお祈り申し上げます」というのみである。
このサイトの「田中芳樹」検索結果
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銀英伝 検索結果(本当はフルネームの「銀河英雄伝説」でも検索しなきゃならんのだが)
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