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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

【メモ】「爆誕」という言葉について~その誕生(の一つ)の関係者は、こんな思いを持っていたという





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同じ造語が、相互に無関係に誕生して、じゃあどれを元祖にすべきか?となるのは結構よくあることだけど、それはそれとして、少なくとも造語と考えていた人の話に戻る。
2009年の文章が残っている。


第188回 「爆誕

 『ルギア爆誕』の「爆誕」という言葉に妙な感覚を感じるのは僕だけかもしれない。
 爆発して誕生するものとしてまず最初にイメージするのは宇宙の誕生……ビッグバンである。
 ともかく世界はどんな原因かはしらないが、大きな爆発から始まったことになっている。
 この説を前提としなければ、昨年の日本人のノーベル賞もわけのわからないものになってしまう。
 当然、ビッグバン以前に何かがあったはずだという疑問がわくが、それをここでいっても話が物理学のほうになってしまうので止めておく。
 しかし。ほとんどの人が「爆誕」という造語を見ればビッグバンを思い浮かべるのではないかと思う。
 余計なことだが『まんがはじめて物語』シリーズに「バクタン」という架空の動物が登場するが、あの「バク」は夢を食うといわれる動物の獏を由来にしている。
 僕の言う「ばくたん」は「爆誕」と書く造語のことだ。
 しかし、1949年生まれの僕は、別の意味が頭に浮かんでしまう。
 僕はいわゆる「戦争を知らない子供たち」の一員である。
 1945年が終戦である。
 (略)
 それよりその年8月、広島と長崎に爆弾が落とされた。
 日本の敗戦を決定づけた爆弾だった。
 その時、広島、長崎で母親の胎内にいた子供を胎内被爆者と呼んだ。
 なんとなく差別的な呼び方に感じた。
 僕が小学1年生の時、上級生にそんな子がいたのだ。
 文字どおり爆発の影響を受けて誕生した子供たちだ。
 この方たちは、被爆の影響を受けている。おおかれすくなかれ……。
 『爆誕』という題名を聞いた時、それを言って題名を別のものにしてくれと頼めば受け入れられたかもしれない。
 だが、酒が残っていたか睡眠薬のせいか、僕はぼんやりして黙っていた。
 だれも、『爆誕』という題名が気にならなかったようだ。
 ポケモン2作目はX(エックス)爆誕という仮名に決定、ルギアという名とそのデザインは後に決定……誰のアイデアか記憶にない。
 「爆誕」という造語は、誰からも非難は受けなかった。……少なくとも僕は何も言われなかった。
 考えすぎ、気にしすぎともいわれたが、『爆誕』という題名は僕には重すぎた。
(略)
 広島・長崎の胎内被爆者の方たちを連想する「爆誕」という言葉を使った作品を作ってしまった僕は、ポケモン2作目の映画について、今、これ以上文章の書けない気分に襲われている。
 文章は短いが今回はこれで勘弁してください。
 胎内被爆者の方たちはご存命中なら64、65歳である。
 戦後、ベビーブームの世代でも団塊の世代でもない。
 そんな方たちを意識せずに『爆誕』の題名をつける、おそらく無意識のセンスの存在には、今も声が出ない。


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