皆さん、1年間おつかれさまでした。
ぱん。
どん。
3月6日日曜
NHKBS4K 午前8時00分~ 午前8時26分
[終](49)「史上最大の侵略(後編)」
ゴース星人は地球防衛軍に対し全面降伏をするよう告げる。ウルトラ警備隊はアマギを犠牲にしての攻撃を決定。ダンはアンヌに自分の正体を打ち明け、最後の戦いに向かう。怪獣パンドンを辛くも退けたセブン=ダンだったが、さらなるダメージを受けてしまった。精密検査で正体がばれるのを恐れたダンは地球防衛軍基地の病室から脱走する。ゴース星人はアマギを介して地球防衛軍に対し全面降伏をするよう告げる。ウルトラ警備隊は敵の基地を探しだし、アマギを犠牲にしての攻撃を決定した。ダンはアンヌに自分の正体を打ち明けて、最後の戦いに向かう。
「セブン最終回のピアノ」話
ここからBGMとして延々と流されるのはシューマンのピアノ協奏曲イ短調。演奏は33歳で夭折したルーマニアの天才ディヌ・リパッティ、指揮は若き日の帝王ヘルベルト・フォン・カラヤン、伝説的な名演奏を最終回のBGMに使用するとか御洒落だよね。#ウルトラセブン #史上最大の侵略・後編 pic.twitter.com/CzkjNzO1oU
— 令和の土星人。'22@ワクチン2度接種&インフル接種完了 (@4568Ts) March 5, 2022
『セブン』最終回、ダンに関するクラタとソガの口論を破るように入るアマギによるゴース星人の宣言、そこに長官と2参謀が作戦室へと入ってくる緊張感の高まりがたまらん。歳喰って古い東宝映画を見れば見るほど、こんなジャリ番(暴言)に藤田進が出てくる凄さがよりヒシヒシと感じられてくる。
— TORI (@m_torisan) April 22, 2013
この次のカット、アマギのメッセージを聞いている部分では、さっきまでごった返していた作戦室の照明を落として、警備隊と参謀のみなさまだけに照明が当たってるんだよなあ。そのあとも通路や前編階段とかにありったけのモブを立たせてそれをカメラの急振でつないでいくとか、満田演出絶好調すぎ。
— TORI (@m_torisan) 2022年3月5日
あのシューマンのピアノ協奏曲、想定していた曲名を間違えて憶えていたので仕方なく冬木透が持ってきたほかのレコードから選んだ、ってのが奇跡的すぎるよなあ。満田監督の演出想定ではいったいどんな曲が鳴っていたんだろう? でも結局はシューマンのコレで正解だったんだろうな。#ウルトラセブン
— TORI (@m_torisan) 2022年3月5日
そしてピアノ協奏曲ももともとは正体バラシ場面だけに使うつもりだったのが、マグマライザー突進以降にもずっとピッタリ合っちゃって、結局セブンが飛び去るところまで使っちゃった、という「偶然の産物」なのが奇跡的すぎる。「ダビング作業で生まれる芸術」ってのもあるんだな。#ウルトラセブン
— TORI (@m_torisan) 2022年3月6日
これにアンヌへの告白→マグマライザー突進→基地大爆発→改造バンドン登場→正体バラシで以降ダンとしか呼ばない→クラタの攻撃で体制立て直し居合い抜きばりのアイスラッガー返し→朝焼けによろめき経つ姿って怒濤の流れの画がタイミングぴったしで付いてるんだからもう満田演出に神が降りたとしか。
— 缶コーラ (@kan_chan7) 2022年3月6日
ところでですね。
もう、このブログやtwitterでは何回も書いている話なんですけど、セブンが何度も再放送される以上、この論も何度も再紹介しよう。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan
議論が深化したところで、ひとつのテーゼにまとめたい。
【ウルトラシリーズなどの「侵略宇宙人」が、なぜかその星を挙げての大戦争を行うように見えないのは、実は彼らがその星全体の代表ではなく、こちらでいうところの海賊、悪質な入植者、密猟者のようなもので、こっそり目が届かない遠方地で狼藉やらかしてるような立場に過ぎないからである】
これは、こういうまとめから生まれました。
『科学の進んだ星の侵略者が、なぜ地球人に撃退されるのか』⇒実はその星では海賊やブラック企業、無法者レベルでは?
togetter.com
【疑問】ウルトラシリーズの宇宙人って、実はその星の犯罪者やテロリスト、むしろ変態じゃね?(全然役立たねぇ話) -
togetter.com
どちらも楽しい読み物です。
…いや、そしてそういう事例がほんとに世界史にあるんだって!!ローマ帝国司令官を名乗って江戸時代の日本にやってきた「モーリス・ベニョヴスキー」。
「なぜか1人でやってきて侵略をおっぱじめては撃退される宇宙人」の類推として、江戸時代中期にロシアからやってきたベニョヴスキーも挙げたい。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) June 21, 2017
只の叛乱漂流船なのだが、身分詐称やら幻の侵略計画の吹聴やらで、国際関係に悪い影響を与え続けた。
「宇宙の帝王」とか名乗ってるあの星人も…(笑) pic.twitter.com/KzRNi5WYJx
この男についてはこの本にくわしいらしい
つまり、ウルトラシリーズの具体名でいえば、こういうことですよ。
「地球のみなさん、仲良くシマショウ。私たちは政府使節団です」
そこからバルタン星人(メフィラス星人とかでもいいぞ)がぞろぞろ。「くっ、バルタンめ!!しょうこりもなくまたわが地球を征服しにきたか!」
「なんのことです?」
「とぼけるな!!わが地球に移民するといって、バクテリアサイズに縮小した40億の民を引き連れて、大暴れしたじゃないか!」
「そんなバカな……映像を拝見……ははあ、あの逃亡した脱獄名人のバル石!!…あいつはハッタリとウソの名手で、確かにわが星の代表として移民調査をしてるなんて詐欺行為をして捕まったのですが、脱走し……自分でもその嘘を本気で信じてる気配もある、やや妄想気味のやつで……いや、そいつが貴星に立ち寄って何かやらかしたのなら、我々も管理不行き届きで誠に遺憾である、と申し上げるしかありませんが…」
みたいな、真相なのかもしれないですよ!!
そのほうが40億人を円盤破壊して殺した、とかより寝覚めがいいね。
もちろん、辺境で暴走した個々人の仕業だ、といっても、それこそコサックやコンキスタドールのように、その星の政府からこっそりまたは公に「侵略御免状」をもらっていて、「大暴れしてその星を侵略成功したら、領土は我が国に献上しなさい。お前はそこの総督に任命する。…だが失敗したら、わが星とは全く無関係の暴徒、犯罪者。それでいいな?」みたいな密約がある、かもかもだ。
「地球に迷惑をかけたのは悪辣な一個人の犯罪者で、総体としてのその星は友好的です」とはっきりわかるのは、やはりセブンのキュラソ星人で、作中で「地球とキュラソ星には友好条約が結ばれた」とはっきり言っている。
しかし、あの見た目じゃあ、偏見かもだがなかなか友好関係も進展しないのではないか?と思っていたが、なんと我々が知ってる「あのキュラソ星人の外見」は、凶悪犯だけが強制的に着せられる”囚人服”なのだという設定をつい最近きき、大いに驚いた次第だ。
しかし、「侵略行為をしたのは、詐欺師で妄想家的な犯罪者である、ほんの1個人です」なんて弁明が本当に事実なら、それは幸せなことであって
「はい、侵略行為をしたのが、詐欺師で妄想的な犯罪者である、1個人なことは事実です。ただ、その人が国家元首でもあるだけです」と、言わざるを得ないような国だってある。
肩の凝らない特撮トークなのに、
最期は湿っぽい話になってしまった。