AbemaTV で続けて格闘技の試合を見ることができた。
特に今回は寝技が試合の中心になる、個人的に興味のあるカードが多かった。 .
ONEFCで内藤のび太、青木真也の試合。パンクラスで上田将勝の試合。・・・・・・・・あっ、皆パラエストラに縁のあるファイターじゃん
内藤と青木は勝利し、上田は敗北した。そして引退を表明、堀口恭司らに勝利した修斗ートのレジェンドはグローブを置いた。
青木真也は一瞬の隙をついた三角絞めによる一本だった(この試合には言うことはあまりない。THE AOKI!だ)
青木真也×ラスール・ヤキャエフ=三角 RT @ZPGIFs Shinya Aoki vs. Rasul Yakhyaev #ONEFightNight #ONEChampionship Double sub pic.twitter.com/54SZgPTvOC
— MMA.vaobhr (@vaobhr) 2018年5月18日
けど、 内藤と上田の試合は、どちらも言わゆる「スクランブル」の攻防が激しく展開される試合だった。
内藤の試合は、2018年上半期でベストファイトだと、太鼓判を押せる激しい試合だった。
誰が言い出したか、あのスクランブルでじっとりと粘り強くやるのが、ドラえもんの有名なエピソード「さようならドラえもん」でのび太がジャイアンに勝利するスタイルと似ているので、さようならドラえもんスタイルとか、6巻スタイルとかそう呼んでる人もいる(笑)
スクランブルという概念はちょっと面白くて、 これが強い人というのが明確にいるんだよね。でこの人は、タックルで組み負けても、柔道技で投げられても、変な感じで相手の隙をついてじわじわとポジショニングを奪って、いつのまにか上を取っている。柔術家の華麗なるスイープやガードポジションによる下からの攻めとはまた違うんだ。
じわじわとポジションを動かして、 いつのまにか上になるという……そしてまた実際に、へっぽこレベルでも寝技のスパーリングをやってみると、実はこういう攻防が一番多いような気がするんだよね。
内藤や上田はどちらも物静かで、MMA選手としてプロモーターが喜ぶような野獣のようなアピールや、相手をディスるトラッシュトークはまるでできない。 格闘技ファンの間では、それ自体が個性として成立するレベルの「静かなる格闘家」という イメージが定着しているけど、このスクランブルで相手を最終的に上回っていくスタイルが、個人的な共感も呼んでいる。「我らのチャンピオン」という感じなのだね。
まあこれは、個人的な感想だし、それに上田は全盛期には、スクランブルに相手をいかせる余地も与えずに、レスリング仕込みの上をとるというムーヴを完全に成功させて、そこから中井祐樹のパラエストラ仕込みのサブミッションを仕掛けていく隙の無いスタイルだったのであります。
40を超えて、そういう圧倒的な上を取る力が衰えた後も、スクランブルの形で銭のとれる寝技を見せてくれたのは、 何気に感動的でありました。
そういう点ではもっと試合を見たかったし、今回は確かにハファエル・シウバにトータルで圧倒されてはいたけれども、実際に実力的にも大関、関脇としてやっていくならあと数年は戦えたという気がする。
それでも引退は残念ですが、本当にありがとうございました。