人気漫画に他社のゲームキャラが…ドラクエの「スクエニ」を著作権侵害容疑で捜索 大阪府警
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140806/waf14080602000002-n1.htmコミック誌で連載されている漫画の作中で、別会社の人気ゲームのキャラクターを無断で使用していたとして、大阪府警生活経済課は5日、著作権法違反容疑で、ドラゴンクエストやファイナルファンタジー(FF)シリーズなど人気ゲームソフトの製作で知られる発行元の「スクウェア・エニックス」(東京都新宿区)の本社など関係先を家宅捜索した。
捜査関係者らによると、著作権侵害の疑いが持たれているのは「月刊ビッグガンガン」誌上で押切蓮介氏が連載している「ハイスコアガール」。府警は押収資料の分析を進め、会社の担当者や作者らから今後任意で事情を聴く方針。
ハイスコアガール(1) (ビッグガンガンコミックススーパー)
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2012/02/25
- メディア: コミック
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ところでみなさま、「プロレス・スターウォーズ」という作品をご存知でしょうか。
ご存知でしょうかも何も、少なくともこのブログではスターウォーズで検索すると、8割がたはその話題ばっかりで、ルーカスのあれは2割いくかどうか(笑)
だから、予備知識抜きで話を進めていきます。
この作者・みのもけんじ氏は一度「Dropkick」でだったかな…kamiproだったかな…で、ロングインタビューに答えていて、そちらも大層おもしろかったのだが、今年KAMINOGEの30号に、今度プロレス本も出すプチ鹿島氏を聞き手に再登場し、当時の創作の舞台を語っている。
KAMINOGE vol.30―世の中とプロレスするひろば 前田日明の異常な愛情
- 作者: KAMINOGE編集部
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2014/05/01
- メディア: 単行本
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「日本のマーケットにアメリカ(WWE、UFC)が乗り込んでくるというのはTPPも含めて予言的だ」
「細川護煕と小泉純一郎のタッグは、(この作品での)BI砲を思わせる」とか、鹿島氏の妄想力も相当なもんだし(ホメ言葉)、「そもそもウォリアーズがBI砲の敵役、は彼らの宣伝写真1枚だけを見て『大抜擢』を決めた。あいつらが本当に凄かったからよかったけど、とんだ一杯くわせものだったら大変だった」という驚愕の回想なども入っています。
しかし、いちいちこれを紹介し、論じていたら本題にならない。あとの課題として本丸に。
ここでは、こういう、これまた驚愕の事実が。
鹿島 「プロスタ」では原案は原康史さん、つまり桜井康雄さんのペンネームですけど、原案と作画は、どういうコンビネーションでやっていたんですか?
みのも 原案は、1巻の途中までなんです。
鹿島 あ、じゃあそれ以外は…?
みのも 全部自分で考えた、オリジナルですね。
鹿島 そうなんですか!
みのも 原作は、本当に2話ぐらいまでです…(略)だから、猪木がタイガー・ジェット・シンを…「アメリカンプロレスと対抗戦をやるぞ!」っていうところまでの流れが、桜井さんの話なんです。
鹿島 じゃあ、そのあとの展開っていうのは、桜井さんのチェックは入ってないんですか?
みのも 入ってないです。桜井さんが「好きにやっていい」ということで。
…いやあ、困ったなあ。
以前、この作品の中でのみ実現した”大巨人対決”…アンドレ・ザ・ジャイアントvsジャイアント馬場の試合展開を紹介した際、そのファイトのストーリーテリングは、純粋にほかの漫画と軒並み比較した中でも上位に入るものだと驚愕したものだった(本当に、たとえば鳥山明や荒木飛呂彦、富樫義博らを比較対象にしても負けない)。
くわしいことはこちらを読むように。
この試合だけ、作品を読んでもすごすぎる。
ジャイアント馬場の命日に「プロレススターウォーズ」馬場vsアンドレの凄さを改めて考える - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100131/p1
そのラストシーンの感動ぶりに「涙泥棒」とまで書いたんだが…
前振り、舞台設定、脇役、試合展開、秘密技、歴史的因縁、そして結果のブック・・・・どれもこれも、実在の人物や現実の歴史を絡めた伝奇ストーリーを描く人たちのお手本でしょう。
原案の原康史が、どこまでストーリーの細部にかかわっているのかは判りませんが、もし細部までかかわっていたら、この人のストーリーテリングのうまさはもっと再評価されていい。
この小さな疑問がとりあえず解決され、「原氏(櫻井氏)は、なにもかかわっていない」ことが判明したと(笑)。
実際、漫画論をかくとき、このへんのことがわかってないと困るわけで、「原作者がいるのにその名前が出てこない」、という覆面原作者の問題もたいへんだが、「原作者の名前はクレジットされているのに、実質その人は書いてない」という「MASTER○ー○ン問題」もやっかいなのである。
ただ、この櫻井氏(原氏)の場合……実は大本中の大本、そもそもの「昭和プロレス史観」を根本のところで創造した主の一人であり(たとえば馬場を天性の素質を生かすためエリート教育、猪木は雑草の強さを期待して下積み教育…とかの「根本」の史観です)、そういう点では、そこに乗っかったすべての作品は彼が原作者だ、というのはたしかに間違いではない(笑)。
そんな櫻井氏だが、実は原作を最初の二話しか書いて無くても、実は重要な仕事をしていた。
ようやく本題に到達したのだが、新日、全日、UWF、NWA、AWA、WWF(当時)、ルーチャ・リブレにまたがる実在プロレスラーの群像を、この架空歴史伝記ロマンにぶちこもうとするときに発生するもろもろの権利問題を、この作品ではどう処理したか。
実は櫻井氏がひとこと、こう言ったのだという。
「 何 か あ っ た ら
俺 に 言 え 」
さすが昭和プロレス史の神話創造者。
「顔役」でもあったのです。「黒幕」でもあったんです。「ゴッドファーザー」なんです。
こういうやり方をすれば、「ハイスコアガール」も問題はなかっただろう。「ハイスコアスターウォーズ」ができていたろう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
……まあ、ここでいきなりまじめモードに戻るんですが、今は通用しないでしょうね、やっぱり(笑)。まだ「Dr.スランプ」では、モブでゴジラやガメラやバルタンが出てきた時代。
そんな時代が「良かった」と断言するのも語弊があろう。権利意識が強まったことでよくなったこともたくさんあるのだろうから。
だから、これは今の歴史や、現在の問題と切り離された、ひとつのおとぎばなしとして話を聞くべきところなのだろう…そうすると、本当はつながらないそれを、無理につなげているのがこの記事のタイトルじゃないか、と言うことにいま気付くのだが、それは知らないふりをする(爆笑)。
余談ながら
そういう昭和の、プロレス神話の創造やプロレス業界の「顔」による仲介、調整によって、櫻井康雄は血の海の中から黄金をザクザク掴み取った!!(※プロレススーパースター列伝用語)。
最寄り駅から氏のうちに行くときは、そこらへんのタクシーを捕まえて「プロレスの櫻井の家まで」といえば通じるのだという…し、信じられないが、現実!!
いや、この場合はこういうべきだな。
「うわ〜〜〜ん、櫻井さんはやっぱりスゲエよ〜〜!」