INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「彼」が遂に沈黙を破った!木村浩一郎が衝撃証言続々。「リングスの僕の試合は全部…」「前田日明さんとのエキシは実は…」「安生さんの実力?それは…」

ニコニコ上の一部有料ブログ『Dropkick』チャンネル より。
http://ch.nicovideo.jp/dropkick

大大大衝撃ですよ。
はっきり言って「彼が語ってくれれば、立ち位置的にいろんなことが明らかになるんだろうけどなー。だけど墓場まで真相は持ってくだろなー」と思っていたんですよ。
ところが、このメディアがインタビューに行ったら話してくれた(笑)。
まあ、そんなあっさりしたものでもなく、聞き手や媒体の質問の技術や信頼関係もあるのだが、何にせよ貴重すぎる証言が、記録として我々の前に登場してしまったことには疑いがない。
しかし、それは禁断の死海文書……。

【90年代・灰色の狂気】木村浩一郎FMWとリングスで俺はこの業界をナメてしまったんですよ」 http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar569058

タイトルがそもそも衝撃的すぎるだろ(笑)。

いま振り返ってみて俺はこの世界を2回ナメてるんだなって。1回目はFMW、2回目はリングス。長井(満也)戦ね。
 
――リングスの長井戦は卒業試験を控えて練習してなかったのにそこそこ健闘してしまったという。
 
木村 あの試合は大学の卒業試験前でぜんぜん練習できなかったんですよ。それなのに毎日練習してる長井と互角に闘えたことでナメちゃったんですよね。俺はそこで負けたらリングスジャパンに入る気持ちはあったんです。イチから格闘技をやろうかな、と。でも、蓋を開けてみたら「……なんだよ、リングス」って感じで。

WJといえば、安生さんとやったときはヤバかったあ……。安生さんはホント強かった。
 
――さすがUWFのポリスマンですね。
 
木村 当時は安生さんは前田さんを殴った件の流れがあったから、リングスに上がってた俺のことを「前田派」と呼んでたんですよ(笑)。噂で「安生さんは凄い強い」と聞いてたんですけど、実際に自分でやってみないとわかんないから「お願いしま〜す!」とふざけた感じでやってみたら、もうね、ことごとく返された。ヒョイヒョイと。強かったなあ……(しみじみと)。安生さんの悪口言う奴がいるんだったらやってみって。あんなヘラヘラしてて本当に強いんだから。

……この2証言だけでおなかいっぱいなんだけど(笑)。


ただね、事実は事実として、その「解釈」ではこうもいえる。当時はU系団体への期待値が、木村氏もふくめ高すぎたから「大学の試験で何も練習してない俺と互角って…」となったのだろうが、今の視点からなら「リングスやUWFの練習経験だけで、『高校のときにレスリングをやってて沖縄国体で3位とかになった』木村と互角だなんてすごいよ!!長井もリングスも」と見てもいいんじゃないか??・・・よくないですか。


そして「安生証言」は、まぁ他の情報どおりであって。



そしてグロム・ザザ戦の真実(笑)。
これは木村もザザも気の毒やないか。だがそれと同時に、以前若林太郎氏の証言にも出てきたように「リングスの場をうまーく使って、こっそりとガチをしのびこませようとしていた一派(※前田日明もガチを完全排除する気はなかった。だが、無断でその比率を高めようと勝手に動いた一派)がいて、アクシンデント的にガチをやらせようとしていたという……
そして結局、グロム・ザザは何の心の準備もなしで、はじめから「やってやるよ!(それも悪気はない)」という意識でガチで向かってくる相手を「あれ?それで来るの??……・じゃあこっちも、それでやっていいのね。」とやって、あっさり返り討ちにしちゃった、ということになる(笑)。


そして…申し訳ないが「木村政彦もそうやるべきだったのに、できなかった」ということにもなる。

一説には、ザザはヒカルド・モラエス戦もまったく同じ構図というか、直前で「これはガチなんで」「ふーん、そっすか」というノリで戦い、それで勝ったともいわれる(笑)。

動画とか、ネット上にはあるんだろうか。
にしてもザザすげえぜ。

その後も木村は。

木村 そのあとの長井戦もガチだし、実験リーグもガチだし、外人との試合もガチだし。俺の試合は全部ガチですよ。でも、俺らばっかガチなのは不満があってやめたんです。それでこんなにギャラが違うなんて馬鹿らしいよねってことで。

あっさりと、こう語る(笑)。



そして!!!
ついに……論争に決着!!!

前田日明さんと僕のエキシビション、立ちはプロレス、寝技はガチ」……聞いたか、にわかっち!!

格闘技オリンピックで前田さんとエキシビジョンマッチもやらせてもらえたじゃないですか。あれは寝技はガチ、立ちはプロレス。それで前田さんに極められなかったから、そこでまた勘違いしちゃったんですよ……。

NHKがトップニュースでこれを報じるかと思って、思わずテレビをつけた(ウソ)。

この「前田vs木村浩一郎のエキシビジョンはただごとではない」という話、実はあの人が語っていた。
いやッ、語っていたッツ。

つまりこの人だッツ。この本だッツ。

板垣恵介の格闘士烈伝(グラップラー)

板垣恵介の格闘士烈伝(グラップラー)

人として生まれ、男として生まれたからには、誰だって一度は地上最強を志す! コミック「グラップラー刃牙」「餓狼伝」の作者が語る、熱い格闘魂。


んーーとね…内容を詳しく覚えてはいるんだが、手元にないんだ。
だから「ネットでだれか、該当部分を引用してないかなー」と検索してみたら、凄い名前の人が、すごい場所で引用してたよ…なにもかも、懐かしいな。

カトー・クン・リー・鷹
 04:「板垣恵介の格闘士列伝」より抜粋。

『興行として長い歴史を持つプロレスは、勝ち負けのみを目的としていない。凄味を見せることもその大きな目的になっている。勝つことだけを考えるなら、相手の技など受けなかればいいのだ。相手の能力など何ら引き出す必要はないのだ。その凄味を見せつけたところに、プロレスの魅力があり、崇高さがあると俺は思っている。だから当然いただけないプロレスラーがいる。とくに格闘技路線を名乗り、従来の興行としてのプロレスを否定しながら、その実、古式豊かなプロレスを行っている人間だ。俺にとってUWFは擬似格闘技だった。』

『前田はこんな主旨のことを言っていた。「俺はみんなを食わせていかなきゃいけない。そのためにはひと月に一度の興行がいる。そういうスケジュールで選手が壊れないようなルールを採らなきゃやっていけないじゃないか。」言っていることはまったく正しいよ。でも仮にも、最強を名乗る格闘技を確立しようとして団体を旗揚げした人間が、このような言葉を口にする事に俺は疑問を感じる。格闘技を名乗るなら、最強を名乗るなら、勝利を得ることを第一に考えてくれよ。はじめに興行ありき、じゃなくて勝負ありき、にしてくれよ。』

『前田の格闘家としての実力は92年3月に正道会館が主催した「第一回格闘技オリンピック」のときに、木村浩一郎とやったエキシビジョン、あれが全てと、俺は思っている。アレが前田日明のモノホンの力。正式な試合じゃなかったけど、お客さんの前で本当に勝とうとしているのは、アレしか知らないね。格闘王に関してはね。あのとき、前田は鬼の首を取ったように、「木村は緊張してガチガチになって、何もできなかった」なんて高揚していたらしいけど、お前、まだ相手は学生だろって。』 100/01/03 17:45:14

リンクを紹介しよか??
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/1143/past/taka0011.html
しかし、実際に行くのはおすすめできへんな。「あの時代」の熱気が強すぎて、ほとんど魔界へつながるゲート的な何かだ(爆笑)。


そして、この前田日明の(寝技の)ガチンコを闘った、「木村浩一郎証言」は、惜しいことに有料ゾーンのほうに続いていく。
そこを語るのはアレなので、今月だけでも加入すればええねん。
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar569090

 じゃあ、逆にキミに問おう。

・この「スタンドはプロレスだけど、寝技ではガチ」は、前田サイドと木村サイド、どっちが提案したと思う?
・前田と実際に寝技でガチでやった木村は、前田の実力に対してどんな感想を持ったと思う?


このへんのことが情報として無いと、
パズルのピースがうまくはまらず、作品は完成しない。
後半の記事は、そういうパズルの、重要ピースであります。


その後の木村浩一郎氏の人生も「宇宙パワー」に代表されるような波乱万丈な物語がある(自分は実際の試合を見てないにも関わらず、宇宙パワーのギミック・キャラクターがすごく好きだった。あっちい!!)のだが、これは格闘技系インタビューなのでそちらにはふみ込まない。

だが、その後木村氏は「修斗」「UFO」「WJ」などにも関わっていくので、さらにすごいことになっていく。

木村 佐山さんって瞬間湯沸器だから。ミット打ちしてて最初は「オーちゃん、いいね〜!」とか和やかにやってたんだけど、ミットがズレてパンチが佐山さんの顔に…(後略)

の話とか、

木村 あいつ必死に練習やってたからね。試合後に「当たってました?当たってないですよね!? なんで勝ったんだろ……!?」って。

このせつない話が、誰のことを指しているのか、などの話も、後半記事では読める。
後者の話は、夢枕獏「牙の紋章」だよ……。

牙の紋章 (祥伝社文庫)

牙の紋章 (祥伝社文庫)

若きヒーロー陣内雅美は、リング上で屈辱感と怒りに咆哮した。無敵のムエタイ・チャンピオンのソータンクンに勝ったものの、明らかな片八百長試合だったのだ。十カ月後、かつてソータンクンに完膚なきまでに敗れた片山草平は、路地裏でやくざに土下座するまで落ちぶれた陣内を目撃した…。勝負に絶望した男と、敗北にすべてを失った男が再起を期す格闘小説の真髄。

にしても、自分としてはやっぱり
前田日明との『格闘技シンポジウム』エキシビション証言」を読んだだけで、料金の元はとった気分である。

この記事、リングスや、90年代初頭の格闘技ビデオをいまだに保管している人にとっては、さらに面白く読めるのではないかいな。



そして、にわかっちはこの記事を読んで、どんな感想を持つだろうか。
詳細はコメント欄………に、なるかどうかはわからん(笑)。

追記 そのコメント欄。

gryphon 2014/07/17 02:48
今回の最初の木村浩一郎記事、何ともノスタルジックなものになってしまったな(笑)。木村浩一郎vsグロム・ザザとか前田と木村のこのエキシビションとか、だれかいまでも映像を持ってたりするのだろうか。
 
fullkichi1964 2014/07/17 06:14
にわかっち氏でなくて申し訳ないが(笑)。

前田対木村エキシビションに関して言えば、当時ダビングして何度も見直したからかなりハッキリ覚えています。
少なくとも寝技に関してガチというなら、前田の実力について判断するときに、
「この前年に、前田はすでに長井とのスパーで左ヒザに重大なケガを負っている」
という前提は欠かせないかと。
むろん「左ヒザは攻めない」という前提でのガチだったのかもしれないけど、少なくとも前田は怪我していた上で、木村とのエキシを有利に進めていた(たしか2回エスケープ奪っていたはず)わけで。
おそらくは「立ちはプロレス、寝技はガチ」は、
「ロー食らっちゃかなわんけど、それ以外ならええよ。タックルなら体格差あるし何ぼでも切っちゃる」
との前田の思惑があったのでは・・・とも思え、なかなかに興味深いですわ。
 
gryphon 2014/07/17 08:10
実際に映像見た人、
こんな近くにいやがった!! ひざ悪い感じだったの?
木村浩一郎氏も「自分は前田に『極められなかった』」という形での満足感、誇りを持っていたという。あの当時のルールは総合よりもU系に有利なデザインだったけど、少なくとも前田の実力は、そういう水準(寝技だけなら木村浩一郎に有利なスパーをやれる)だったのではないか。
 
万次 2014/07/17 09:13
fullkichiさんのおっしゃるとおりで、某所によると、
> グラウンドでは前田がV1とアンクルで2回エスケープ取ってる。
> それとは別にリング中央でアンクル決めて外してやってる。
> 木村は1回エスケープ取ってる。
> ロープ際でタックルで倒して、アームロックの体勢に入る前に前田がエスケープしてる。
だそうですね。
 
万次 2014/07/17 09:20
あと、もうご存知かもしれませんが、これと
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar576792
これも
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar503790
さりげなく凄いこと言ってます(笑)。