【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

フィル・デイビスvsリョートの判定議論が「格闘技神学」の面白さを再び示す。

NHBニュース( http://blog.livedoor.jp/nhbnews/ )とダブルポストです

【海外総合】 フィル・デイビス、 vs リョート戦での判定について自ら語る
http://kakuchu.blogspot.jp/2013/08/blog-post_15.html

「最初のラウンドはほとんど互角だった。」

「最初のラウンドというものはいつも大抵は採点するのが難しい」

「マチダは…ラウンドの残り1分半まで待って、疾風怒涛のように爆発し、かわして、かわして…」

「その1分半の枠内であなたがテイクダウンされたとしたら、あなたは大失敗だ。だから彼はあのラウンドを失った…」

「膝蹴りは完全に私から外れていた…リプレイで見れば、彼は実際にはフェンスに対して蹴りを当てていたし、あれは多分悔しいことだったろう。」

「私が帰って(TVの)試合を見たとき、いささか(解説者ブライアン・スタンのTV解説に)バイアスがかかっていると私は強く思った」

レスリングにおいて、もし一人が3連続でテイクダウンに行ったとすれば、もう一人は停止しているんだ。もし私が攻撃して彼が何も攻撃していないならば、彼は何もしていない」
(※タックルは成功した数を見るべきで、「XX回は相手に切られた」はカウントする必要がない、という主張)


詳細はリンク先で。
この翻訳者独自の観戦記も、こっちにある。相変わらず名文で読ませる。

http://kakuchu.blogspot.jp/2013/08/ufc163vs.html

マチダの試合のたびに述べているが、ドラゴンのスタイルは判定で負けることは当然だ。ダウンやスタンディング・ダウンがなければ、判定は基本的に有効打数で決定される。…(略)…彼のスタイルはKOしてこそ認められるのであって、倒しきれなければ後はジャッジに全てを委ねる…(略)一切の無駄打ちをせずに待ち続ける彼の空手のスタイルはあくまでも生き残りを優先した武術本来の姿のままであり、その生存を最優先する性質が結果的にMMAでは判定負けという死を招いた…

「AはタックルをBに10回仕掛けた。Bはそのすべてを切った(+その後Aは仰向けに寝転んで、猪木アリ状態になった)」…さて判定は?

これは自分、アリスターvsファブリシオで書いたんだっけ。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110620/p1
AがBに引き込まれたとき・・・ついでにいうと、その前段階としてBがAにへなちょこタックルを仕掛け、Aが余裕で切るものの、そのままBが引き込むという展開の時、
それは「0−0」なのか「Aにポイント」なのか「Bにポイント」なのか。
 (中略)
「結果的に上を取っているほうがMMAでは有利と見なすべきなんだから、自分から引き込もうがテイクダウンされようが下は不利になっているのよ」
「それは柔術家に不利じゃない?どっちが自分の意思を反映させたかでみるべきで」
「何もしないけど、上はキープするよというタイプが引き込みにつきあったら?」
「タックルは切られようとなんだろうと、仕掛けたほうが積極的なんだからそっちの「仕掛けた」ポイントでしょ」
「でも、タックルを切ったというのは相手を無効化しているんだから」
「実際にタックル切られると不利な体勢になるよ」
「そこから攻撃して実際のポイントを取ればいい」

この議論の前段階。もうひとりのジャッジ泣かせ、今成正和の話でした。

■永遠の謎か初歩問題か。猪木アリ状態は「逃げ」?どっちが?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051030#p1


自分はこれに関して…

まあ、結果からいうと・・・今の世の中は
その場合、Aのほうがポイントをもらえる、っぽいよね。
それはいい、とか悪い、じゃなくて「そう決めた」ということである。
だから、タイトルにうたったようにこれは「MMA神学」なのだ。

と書いた。
AがBにタックルをしかける。Bが切る。これを「Bに点」とするも、「Aに点」とするも、まったくノーカウントでも、相応に合理的だと思う。

「格中」では、BがことごとくAのタックルを切ったとしても意味がない、という。

……確かに今のMMAの統計ではテイクダウンのトライ数と成功数が並べて表記されています。そしてこれこそがレスリングの概念にはない統計であり、これがミスリードになってるのではないか、というのが元NCAA王者の意見です。

デイビスのテイクダウン成功数2に対してマチダのテイクダウン防御数8と表記すれば、これはマチダが勝ったように見えなくもない…しかしアマチュア・スポーツでこういうカウントが試合に影響を及ぼすことは基本的にはありません。統計として出すことはありますが、ポイントになることはないでしょう。成功率を見るためには使いますが、それ以外でこれを勘案するスポーツはあまり思い浮かびません。

例を出します。柔道では技がどれくらい極まったのかでそれぞれ有効から一本までの得点を割り振り、当然ながら相手の攻撃を防ぐのはカウントに入りません。むしろどれだけ失敗しようが基本攻撃を仕掛けるほうが評価され、手が出ないほうは指導を受けて減点されます。(それがゆえに掛け逃げというのが流行りましたが)レスリングでも基本的には成功した攻撃のみがポイントとしてカウントされ…

ところで根本的なところで…「すべき、すべからず」はこの話で果てしなくやれると思うけど、実際のところ、MMAのジャッジで「タックルを防御した」ことはどう評価されてるのだろう?明文で、はっきりと、「これはXXXです」と聞いたことは自分はないんだよな。

もしタックルを切ったことは評価されず、トライしたほうが試合を支配しているとみるなら、ファブリシオvsアリスターはどうだったろう。それとも「猪木アリ状態」になったことで、ファブリシオが背中をマットにつけたから「≒アリスターのテイクダウン」扱いなのかね。今成の試合は……「切る」(切ったあと)の状態も千差万別で、ここがポイントか・・・?

と、話はまたいろいろと広がるが、眠いのでおしまい。


数々の団体でジャッジを務めた駿河の狂犬の弟子が知り合いにいるので、今度彼を通じて、「10回タックルして10回相手に切られて、それで試合が終わったらどっちの勝ちか?」いう単純化した問いを聞いてみるかね。