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水道橋博士のメルマ旬報
編集長/著者:水道橋博士
価格:500円/月 (税込)
発行:月2回(毎月10日/25日)発行
最新発行日:2012年11月25日(日)
水道橋博士が「編集長」に就任して、過去、メルマガ史上に無い規模と内容と熱量でついにメルマガに登場。本人の毎回3万字を越える日記『博士の異常な日常』、岡村靖幸との対談『博士が愛した靖幸』以外にも8人の豪華執筆陣(どんどんと増殖中)による連載。とにかく目指すのは『大人のコロコロコミック』『子どもの文藝春秋』超大ボリューム。空前絶後のスケールでお届けします。
というものがあることは、フォロワー30万人を越えるtwitterで最近何度も触れられているから知っている人もいるだろう
https://twitter.com/s_hakase
とにかくとんでもない分量である。新書をひとつ読むようなものだ。
それに、
このブログを書いている自分がいうのもなんだが(笑)、水道橋博士の興味は多種多彩にわたっていて、だから話題自体や登場する執筆陣もいろんな人が・・・これは以前、博士が「twitterをやっているときも『雑誌』を作るつもりでいろんなテーマをちりばめていく」と言っていた、その手法を応用したものなのだろう。『大人のコロコロコミック』『子どもの文藝春秋』という異名はダテではないのだ。
と、いいつつ、昨日、値段は同じなのに発刊予定に無い「増刊号」が送られてきてな・・・
嬉しい反面、分量のことを考えると「ギャッ」と叫んだよ。読者のコストパフォーマンスはいいが、出すほうはその正反対に悪いんとちゃうか。
さて本題。
第1号は登録しそこね、第2号から読んでいるのだが、目次はこんな感じ・・・
1.博士の愛した靖幸(水道橋博士×岡村靖幸対談)
2.樋口毅宏の『ひぐたけ腹黒日記』
3.谷川貞治の『平身抵当』
4.杉江松恋の『マツコイ・デラックス 〜われわれはなぜ本屋にいるのか?〜』
そう、われらが谷川さんが「逃げも隠れもせず」登場だ(笑)。
しかし、彼は発売たちまち重版の
- 作者: 谷川貞治
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とんでもない。
それは、11月15日(水)、新宿ロフトプラスワンで行われた
僕のトークショーがきっかけだった。
僕が書いた『平謝り』の出版を記念してロフトが企画したこのトークショーは、
僕とターザン山本、山口日昇を「破産三兄弟」と名付け、
そこに「破産大王」の安田忠夫をゲストに呼んで行わ・・・そこに客として突然現れたのが、他ならぬ博士編集長・・・第2部では飛び入り参加して場を盛り上げてくれた。
(略)
僕もその話は安田忠夫を見るまですっかり忘れていたため、
『平謝り』にも書いていなかった。
したがって、原稿にするのは今回が初めてである。
なんと本人が「忘れていて」「安田を見て思い出した」
これじゃ本邦初公開になるわけだが・・・・実は「面白いエピソードを全部「平謝り」に書いたら仕事がもうこない。これはいくつか隠しておかないと」いう発想だったのではないか(笑)。何しろ氏は、書き手、編集者としては超敏腕なのだ。
はなしは、そういうことで2001年の大晦日の話。藤田がアキレス腱を切って欠場が決まり、その代役で・・・
・・・まず白羽の矢を立てたのが、小川直也だった。
それは、大会まであと3週間に迫ったギリギリの時だった。しかし、この小川が相当厄介で、
百瀬さん‐猪木さんラインでもなかなか首を縦に振らない。
そこで、石井館長まで小川を・・・(後略)
これは有名だけど、ディテールもいろいろ書かれている。そしてご存知の通り、交渉は失敗。
だは第二の代役はいるか・・・
ピンチをチャンスに変えるには安田しかいない!
まずはTBSに説明し、石井館長に
「安田で行きましょう! ジェロムが楽勝で勝てるんで、
それでもういいじゃないですか?」と断りを入れた。
石井館長にしてみれば「(一部カット)XXXXXXXXXXXXX」と、むしろ小川や藤田より楽なんじゃないかと、ホッとした感じだった。
要するに安田をナメていたのだ。
「大丈夫です。安田の娘さんもTBSは取材しており、かなりいい感じで煽れますよ」
ジェロムの側近も、
(一部カット)。一方、石井館長だけでなく、安田をナメていたのが、もう一人。
それは他ならぬ猪木さんだった。
「えっ? 安田? (一部カット)XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX」
なんで、猪木軍にXXXXXXXXXXなんだ?
(略)
石井館長が納得するはずもなく、ジェロムだって受けないだろう。
「いやぁ〜、それは……」
「だったら、XXXXXXXXXXXXXXX」と猪木さん。
「いや、いや、いやぁ〜、それは……」
最悪だ。つまり、猪木さんは完全に勝ちに来ていた・・・
おどろいた。この交渉の詳細はメルマガに譲るが、一番の骨子、おどろきは、アントニオ猪木や石井和義館長は「興行主」として客入り、話題などのことしか考えていないと思いきや・・・・両方とも本気で「自分たちのチームが勝つには」ということを計算に組み込み、自軍の(この「自軍」の定義もすごく駆け引きがある)強い選手を相手の弱い選手に当てて勝ち星を稼ぐ、ということが念頭にあったのである。
猪木なんてプロレスラーじゃないか、なんでそんな勝ちにこだわる・・・と一読して思わんでもないが、もちろんそれは素人の寝言なのだろう。
つまりプロレスラー・・・そして「猪木プロレスの最高の体現者であるアントニオ猪木」だからこそ「勝ち負けが商品価値に直結する」ということを知っていたのだ、本能的に。
そんな親玉まで、話題やいい試合になるか?だけじゃなく「自分のチームは勝てるか」を念頭においてマッチメークに口を出す・・・これじゃ、カードが3カ月前に決まるわけがなかったな。
すいません。(なんで俺があやまるんだ)
まあ、そんなわけで「メルマガ旬報」は月500円でとんでもない分量が送られてきて、そこに谷川貞治の興味深い回想が入っている・・・という話。