http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120305/1330914688
・・・正直いって、最近のあらゆる本は意味もなく 3.11 大震災を持ち出しすぎだと思う。「アーティストのためのハンドブック」でも、大震災によりアーティストの意義が変わったとかなんとか訳者解説にある。変わってないって。(略)……それは高校くらいに、はじめて社会の役割とかこの世の不正とかに気がついて「世界はどうあるべきか」なんて考えはじめたとき、ついつい自分がえらくなってだれも気がつかなかった真理に気がついたように思ってしまうのと同じだ。「もっと人々が分かち合えばいい社会になるのだ!」とか・・・(略)(略)…あの震災でもそうだ。あれを期に初めて社会の仕組みとか公共の役割とかに思いをはせた人々は、いままでそういうのを何も考えたことのない人に限って、(略)…舞い上がっている例が多々ある。・・・(略)…でも、やがて高校生たちもわかるように、実は自分が考えたことの大半は、とっくに誰かが考えているのだ。そして自分の考えの相当部分は、浅知恵にすぎないのだ。
本書も、本当は震災を最後のオチに使うべきではなかった・・・(略)
この本を評しての文章。
SF小説、マンガ、アニメ、特撮、異端・幻想文学、現代美術、アングラ演劇…ファンダムの発展、専門誌・同人誌の盛衰、作家と編集者の戦い、しばしばファンを巻き込んだ論争と騒乱とお祭り―そこにはSF的想像力/創造力を駆使しながら、同時代の諸ジャンルが互いに響きあうエネルギーの磁場があった!敗戦から3.11後まで、戦後の様々な「想像力」運動の横のつながりやその周辺で起きた事件、作り手と読み手が織りなす人間ドラマをいきいきと描きながら、現代日本の可能性を問う。
- 作者: 長山靖生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/02/11
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しかし、前作

日本SF精神史----幕末・明治から戦後まで (河出ブックス)
- 作者: 長山靖生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんだ、戦後 SF 事件史で、愛国戦隊大日本とかにも触れてて、ぼくが一回も出てこないの? つまんなーい。
それだとやっぱり、ちょっと読みたくなるな。
長山氏の前作は以前、このエントリを書くときに参考にさせてもらった。
平野耕太新作「ドリフターズ」。時代を超えて英雄集結!の系譜
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100708/p4